あるもの探しの旅

« 赤川花火大会2013 | メイン | 「ゆうかメロン」でリベンジマッチ »

庄内系イタリア人的青森〈後編〉

燃え立つ夏2013@青森 Part2:津軽編

tachineputa_2012.jpg tachineputa_1011.jpg
【Photo】毎年1基が制作される高さ20mを越す大型の立佞武多を常設展示・保管する施設として2004年(平成16)に竣工した「立佞武多の館」。女性が打ち手となり、重低音を轟かせる直径2.8mの大太鼓を二段重ねにし、高さ8.5mの立佞武多「本能寺の変」を上に据え付けた「忠孝太鼓」(右下)を先導するのは、五所川原が生んだあの大スター!!
tachineputa_2010.jpg chuko_daiko.jpg

【Movie】五所川原市では最も高い地上7階の施設から引き手によって高さ17m・重量18tの立佞武多が出現するさまは、特撮怪獣映画の世界さながらの迫力
 

 開幕初日に訪れた五所川原の夏の宵を熱く燃え立たせる「立佞武多(たちねぷた)」の興奮さめやらぬ夜は、硫黄の香り漂う弘前の嶽(だけ)温泉の宿「山楽」を予約していました。五所川原から移動すると1時間ほどを要する岩木山麓の湯宿をあえて選んだのには、1年で最も多くの観光客を集める立佞武多初日の五所川原市内では、宿泊施設をリーズナブルに確保することが難しいことが予想されただけでなく、れっきとした理由がありました。

sanraku_rotenM.jpg【Photo】早朝ゆえに極めて残念ながら貸切状態だった(笑)嶽温泉「山楽」の混浴露天風呂〈another image〉。この時の湯量は何故か寝湯のごとき少なさ。ゆえに内湯(→男女別)へすぐ移動した

 まずは今月26日、めでたく開店10周年のアニバーサリーを迎える弘前「オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノ」笹森シェフお勧めのこの宿の露天風呂(混浴~♡(〃▽〃)♡)に浸かりたかったこと。そして色気より食い気優先の庄イタの常で、時季が少し早いことを承知で、あわやくば地物にありつきたいと思っていた嶽特産の比類なき濃厚な風味のトウモロコシ「嶽きみ」が狙いだったのです。

azienda_dakekimi.jpg【Photo】岩木山麓南側、標高400m~500mの嶽地区周辺で産出する香り高く甘味の強い嶽きみ。8月のお盆時期前後に迎える旬の真っ盛りには、糖度が18度にまで達し、ブチッとした食感を堪能できる生食も可能。最盛期には岩木山を周回するロードサイド各所に期間限定で嶽きみ直売施設が立ち並び、通称「嶽きみロード」が出現する

 肌触りの良い濁り湯で朝風呂を浴びてから宿を早めに出発し、岩木山を周回する道を反時計回りに進みました。最盛期ほどは多くない出始めの直売所数軒を渡り歩き、さらに観光案内所で嶽きみの作況を尋ねると、嶽地区より標高の低い場所で採れたものが出始めたばかりとのこと。7月下旬まで例年にない寒さで暖房を入れる日すらあったという今年の嶽地区。嶽きみは全体に生育が遅れ気味なのでした。

dakekimi_1.jpg dakekimi_boil.jpg dakekimi_2.jpg
【Photo】足湯につかりながら嶽温泉街をそぞろ歩きした早朝、弥生地区で朝採りされた「(ほぼ)嶽きみ」が店に持ち込まれて下処理される(左写真) 店頭で食する分は鍋で茹でる(中写真) 6本1000円で購入した(ほぼ)嶽きみ

 ならばと温泉街に今一度立ち帰り、マタギ飯が名物の「山のホテル」売店「めへやっこ」(→「小さな店」というニュアンスの津軽弁)」へ。ここは9:30開店で、山楽の出立時はまだ閉まっていたのです。めへやっこでのお目当ては、"ここだけ(嶽)にしかない"が売り文句の「元祖嶽きみシェイク」、そして"うまくてゴメンね"のフレーズに思わず喰いついた「期間限定アムさんメロン生シェイク」。

dakekimi_shake.jpg amusan_shake.jpg【Photo】ツブツブ感の高い「元祖嶽きみシェイク」(左) 津軽特産「つがりあんメロン」でも香りの良い品種「アムさんメロン」を使った「期間限定アムさんメロン生シェイク」(右)各400円

 まだ実入りが充分ではないきみ畑の様子から、嶽地区産を入手するのは無理そうだと踏みつつ、庄イタが産地を尋ねると、嶽だと答える店もありましたが、眉唾な店はスルー。正直に事実を明かしてくれたお母さんいわく、信頼のおける嶽地区の農家が、嶽から少しばかり離れた標高がわずかに低い弥生地区の畑で育てているという「ほぼ嶽きみ」を購入することにしました。本物の嶽きみは、後日その「藤喜商店」から送ってもらえば良いのですから。

 嶽温泉から岩木山を時計回りに下り、鰺ヶ沢の夏を彩る風物詩「イカカーテン」で知られる名物のイカ焼き(300円)を購入がてら、立ち寄ったのが「菊谷商店」。炭火で焼いた香ばしいイカ焼きの旨さは相変わらずでしたが、目を疑うほど変わってしまった光景がありました。

kikuya_ika1.jpg ajigasawa_ika.jpg
【Photo】鯵ケ沢漁港で水揚げされた肉厚のイカ(右)が日干しされる菊谷商店。3,4年前にTV番組でこの店を志村けんが訪れ「日本一うまい」と言ったとか(左)

 それが1年ぶりに対面したブサカワ犬「わさお」です。飼い主の菊谷節子さんが体調を崩して入院した今年、施設に預けられた挙句に激ヤセが伝えられたわさお君。毛がフサフサだったかつてのメタボな姿恰好とは打って変わり、同じ犬とは思えないほどスリムに。酸素吸引をしつつも店においでだった菊谷さんともども、一日も早く健康体を取り戻してほしいものです。

wasao_2010.jpg wasao_2012.jpg wasao_2013.jpg
【Photo】わさお三態。一躍ブレイクして間もない2010年5月(左) 映画が制作され人気者の常でお疲れ気味の2012年6月(中) 飼い主不在のもとで激ヤセした2013年8月(右)

lago_13.jpg【Photo】大和シジミが特産の津軽半島の汽水湖「十三湖」。時として湖水がシジミ色に見えるのは、平均水深が1~2mという浅さゆえ、湖底のシジミがそうさせる???(上写真) 白いご飯が進む新岡商店の瓶入りしじみ佃煮は極めて美味(下写真)

niioka_tsukudani.jpg

 目指すハニーハントのアイテムは二つ。まずはヤマトシジミの一大産地、十三湖畔に並ぶ店で試食用の佃煮をあらかた食した上で、「ここのが一番!!」と庄イタが太鼓判を押す「新岡商店」のお婆ちゃん、新岡てささんが手作りするうま味の塊のような絶品しじみ佃煮(700円)。味付けは醤油・砂糖・水飴だけと至ってシンプルながら、自然な味わい深さ。仕込みには膨大な量のシジミを必要とします。そのため気合を入れないと、てさ婆ちゃんは佃煮を作らず、良い出汁がとれる冬シジミに対して、食して旨い夏シジミの旬だった今回、結論から言うと残念ながら欠品中なのでした。う~ん、これを目当てに十三湖まで足を運んだというのに、返す返すも残念!

ganryo_ramen.jpg 気を取り直し、すぐ向かいにある民宿を兼ねた食堂「岩亮」へ。昨年出張で青森を訪れた時は、同行した後輩の希望で元祖店「ドライブイン和歌山」もハシゴしました。人気ラーメン店のインテリアとして欠かせない有名人の色紙で壁一面を覆い尽くされた店内で、白味噌を和えて少し白濁したスープのしじみラーメン(750円)を食しましたが、家族帯同の今回ハシゴはパス。岩亮では店主の岩本剛亮さん自ら漁に出るという大和シジミと昆布で出汁をとった透明感のあるスープが、細めの縮れ麺となじみます。そんなシジミの風味たっぷりの「しじみラーメン」(700円)で溜飲を下げました。

strada_melone.jpg【Photo】鯵ケ沢から、つがる市までまっすぐの道が延びるメロンロード一帯では、生産量全国6位の青森県産メロンのおよそ8割が産出される。砂地で日本海が近いため夜間は海風が吹き込み、昼夜の寒暖差が大きい。そのためハウス物の「アムさんメロン」ほか、トンネル栽培の露地物ともに統一ブランド「つがりあんメロン」の一大生産拠点となった

 鰺ヶ沢から十三湖方面へと向かうには、津軽半島西側を北へ伸びる全長22kmの通称「メロンロード」を通ります。そこには今回楽しみにしていた素晴らしい芳香を放つメロンがあるのです。糖度15度以上を基準とする津軽ブランドメロン「つがりあんメロン」の中でも、糖度18度まで達する完熟期には、クラクラするほど官能的な香りを漂わせる知る人ぞ知るアムスメロンの改良種「アムさんメロン(品種名:ゆうかメロン)」こそが目指すハントアイテムです。

amu_melon.jpg なれど6月に出荷が始まるアムさんメロンは終盤に差し掛かっており、半円形の雨除けビニールの中は、出荷が始まったアーバンデリシャスやハニーゴールデンといった品種がほとんど。メロンやスイカを扱うロードサイドの直売所でも、運転席からの傍目にも分かりやすい特徴的な色合いのアムさんメロンは数が少なめなのでした。

【Photo】ゆうかメロンをハウス栽培し一定糖度に達した完熟ものだけに許される「アムさんメロン」の称号。追熟する必要がない代わり、ネット通販以外は地元流通にほぼ限られる。箱入りではなく山積みされた完熟アムさんメロンの売り場には心地よい芳香が漂う。画像から香りをお届けできないのが残念

amusan_2012.jpg 昨シーズン、青森市羽白沢田の県民生協はまなす館で遭遇したアムさんメロンとの出合いは衝撃でした。淡い黄色の外皮のネットメロンが山積みされた売り場一帯は、えも言われぬ良い香りが漂っているのです。直観的に「これはウマそうだ」とフェロモンに誘われるように買い求めた完熟アムさん。皮際まで柔らかい透明感のある薄緑色の果肉は、メロンの既成概念を覆すジュルジュルの美味しさ。あれから1年。指折り数えて待ち焦がれた愛しのアムさんとの再会は、十三湖を経て五所川原市内で果たされます。次回は地元事情通が勧める旧木造町の腕利きメロン農家が直接持ち込む期間限定の直売所を目指すとします。

青森滞在3日目は、青森ねぶたも制覇したかったのが本音です。なれど仙台から南部、さらに津軽まで野を越え山を越え700kmを走り続けたため、同行者を含めて気力・体力の限界を感じていました。そのため五所川原から西方の青森市を目指すことなく、断腸の思いで進路は南へ。

houhai_acqua.jpg

houhai_tsurushi.jpg【Photo】弘前城址から岩木川に架かる富士見橋を渡り、鰺ヶ沢に至る街道を北西へ。同市石渡の辻角にある三浦酒造店でポリタンクに仕込み水を頂く之図(上)。限られた特約店のみに出荷されるため、左党が入手に躍起となる「豊盃」。その頂点「豊盃つるし酒大吟醸」(右)とコスパ抜群の「ん」(左)

 北米原産の黒ブドウ「スチューベン」生産高日本一の鶴田町ではブドウ畑を訪れた後、産直施設でスチューベン果汁100%ジュースを購入。弘前では希少な「豊盃つるし酒大吟醸」と「ん」、つまり三浦酒造店のアッパーエンドとボトムエンドという両極端な2本を幸運にも入手。道すがら三浦酒造店の蔵に立ち寄り、岩木山水系の甘く柔らかい女性的な口当たりの仕込み水もたっぷりと汲ませて頂きました。芳醇な「豊盃」に仕込まれる前でも、冷やさずに常温でも美味しいんですよ、ホントこの水。

 こうして大鰐・弘前ICから青森方面に向かう東北自動車道下り線ではなく、上り線に乗ったのが15時頃。余裕を持って仙台を目指した筈が、そろそろお腹が空いてくる18時過ぎに花巻南ICで下車した理由は、Vaggio al Mondo ‐ あるもん探しの旅をご覧頂いている皆さまなら、とうにお見通しのはず(笑)。

baner_decobanner.gif

Luglio 2018
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

archive.gif

Copyright © KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO.