あるもの探しの旅

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キミだけを想ってる

 Ti penso sempre.(=キミだけを想ってる) ...星の数ほどの女性と浮名を流したカサノヴァを生んだ国、イタリアの男が複数の女性に対してパラレルに使う常套句。そのDNAを受け継ぐ庄イタはここ最近、寝ても覚めても明るい黄金色の輝く美肌とクリーミーな甘さで夢見心地へと誘う愛しのキミだけを想ってます。あ、お岩木山育ちの麗しのキミ・・・。

リターンマッチ第2ラウンド
 嶽きみ from 嶽高原

dakekimi_mt.iwaki.jpg 「庄内系イタリア人的青森〈後編〉〈拙稿2013.8参照〉」でレポートしたように、お盆の前週に岩木山麓の嶽温泉を訪れた時は、嶽地区で産出する濃厚な甘さと香味が魅力のトウモロコシ「嶽きみ」はまだ出回る前でした。

 やむなく購入したのが、近接する標高の低い弥生地区産の「きみ」(=トウモロコシの津軽弁)、名付けて「ほぼ嶽きみ」。トウモロコシは収穫後、本来の甘さが日を経るごと半減するといわれます。ゆえに産地で茹でたてを食するのが理想。それだけに朝採りされて店に持ち込まれたほぼ嶽きみは、帰宅後すぐ茹でて食したので美味ではありましたが、それだけで夏を終わらせる庄イタではありません。

【Photo】庄イタが嶽を訪れた8月上旬、すでに営業していた「柳田とうもろこし店」裏手の嶽きみ畑。岩木山南麓の傾斜地にあり、豊富な日照と高地ゆえの昼夜の気温差が高い糖度を生む

 いま一つ納得しかねた「アムさんメロン」のフラストレーションを、素晴らしい香味で魅了する「ゆうかメロン」〈拙稿「ゆうかメロンでリベンジマッチ」2013.9参照〉で晴らした後は、また新たなる野心が頭をもたげていました。・・・ついぞ思いもしなかったその考えは、生まれると同時に、たちまち力を増し、巨きさを増した。むしろ私が玉蜀黍の萌黄色をした外皮に包まれた。その想念とは、こうであった。「嶽きみを喰わねばならぬ」 Special thanks Kinkaku-ji by Yukio Mishima


dakekimi_gmart.jpg そうして前回購入した店から盆明けに満を持して送ってもらったのが、食用で最も普及しているスイートコーンでも、糖度が高く旨味が強い品種「恵味(めぐみ)」です。ギッシリと目が詰まった実を包む粒皮の薄さゆえの食感の良さ、濃厚かつ上品な甘味は、やはり一味違います。

 標高1,625mの山頂から、眼下に広がる津軽平野、そして白神山地と八甲田、さらには日本海まで360度見渡す岩木山。その裾野の嶽では、食味の良さで定評あるこの品種が、更なる味の高みへと達しているかのよう。山そのものがご神体である岩木山ゆえの神がかり的な美味しさとでも言えばよいのでしょうか。

dakekimi_mitsukoshi.jpg【Photo】皮の緑が濃いものが美味とされるトウモロコシは、本数が果粒の数と一致し、果粒が呼吸するこげ茶色の髭が残され、おいしさを保護する皮付きを選びたい(上) 標高450m近辺の寒暖差のある嶽高原で育つ嶽きみ。これは「ゆめのコーン」のように3対1の割合で黄色と白の粒が交ざるバイカラー種ではなく、甘みの強い黄色系品種の「恵味」(左)

 嶽から百沢にかけての「嶽きみロード」の直売店では、サイズにもよりますが、6本~7本で1000円程度。1本あたり160~170円ほどが相場です。ところが仙台市内のとある百貨店では、嶽きみを1本399円(!!)で売っていました。あまりの価格差にとても手を出す気にはなれませんでした。

 来季の再遠征に向け、先だって地元事情通ならではの各種情報をご教示頂いた青森の県紙「東奥日報」仙台支社長Tさんの表現をお借りすれば、「嶽きみがいくら旨くたって、所詮はトウモロコシ」。嶽きみに関して一家言を持つご意見番ジモティの正鵠を射た言葉は、まさに我が意を代弁するものでした。Sì è giusto!(伊)=Yes, that's right!!(英)=んだっきゃ!!!(津軽)=んだのぅ~(庄内)
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【Photo】仙台市青葉区のイタリアン「francescaフランチェスカ」は、仙台朝市で調達する嶽きみのポタージュを期間限定で提供。その浮き実はクルトンではなく、当然のこと、嶽きみ

 10月下旬、B1F食品フロアが全面改装オープンする仙台三越の生鮮ゾーンが先行リニューアルしたのが、8月27日(水)。新聞折込チラシによれば、開店初日から5日間、連日100組限りで嶽きみを3本525円というほぼ現地価格で提供するというではありませんか。リベンジに燃える庄イタが、この耳寄りな情報を看過するわけがありません。


yaki_dakekimi.jpg 気仙沼への出張と重なった食品フロアリニューアル初日。昼過ぎに売り場を訪れた家人の話では、人だかりができていたのはオープニングサービスとして3本210円で提供された北海道産トウモロコシの前(笑)。いささか拍子抜けしつつも、労せずして産地で前日朝に収穫された鮮度の良い嶽きみを入手できたとのこと。そうして、ほぼ嶽きみを上回る嶽で育った嶽きみの期待通りの旨さを実感、売り出し期間中は翌日以降もほぼ連日、嶽きみの旬を満喫しました。

【Photo】焦げた醤油の香りがたまらない焼き嶽きみ。NHKの某番組で紹介された通り、生のまま魚焼きグリルで12分強火で焼く

dakekimi2_gmartSONO2.jpg【Photo】「グリーンマート桂店」で取り扱っていた鮮度の良い嶽きみ。その状態の良さに比してリーズナブルなコストパフォーマンスの良い値付けゆえ、迷わず購入。生鮮食品に他ならないトウモロコシゆえ、状態を見極めて判断したいところ

 それから数日した日曜日、弘前に営業所があり、独自の仕入れルートを持つ総合商社「カメイ」系列の食品スーパー、グリーンマート桂店でも嶽きみを発見。切り口のみずみずしさは収穫されてから時間が経過していない証拠です。しかも髭付き皮付きの理想的な状態で、1本198円(2本380円)で嶽きみを扱っていたため、手に取ってズシリと重さを感じる3本を選んで購入しました。9月一杯が旬となる嶽きみゆえ、夏から秋へと季節が移り変わるあと少しの間、心地よい香りに包まれながら旬の味を楽しめそうです。

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【Photo】郷里の産品をこよなく愛する「francescaフランチェスカ」原田シェフが石臼でポレンタを挽く(下左写真)。店内で1か月以上を要して乾燥させる嶽きみが天井からぶら下がる店のメニューにも青森愛が溢れる(上写真)。実家のリンゴ畑で剪定したリンゴの枝は、燻製用に活用(下右写真)

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 嶽きみのシーズンが終わっても、別の楽しみがあります。仙台市青葉区大町にあるイタリアン「Francesca」原田尚徳シェフは五所川原出身。嶽きみならではのクリーミーな甘さを活かしたポタージュのほか、嶽きみを店で部屋干しし、石臼で挽いた特製ポレンタを使った期間限定スペチャリテ「実家のリンゴの枝で軽くスモークした秋鮭のサルスィッチャとポレンタ」として食することもできます。原田シェフいわく今年の嶽きみは極めて美味とのこと。食べ逃すのは勿体ないですよ。

akisake_polenta_franc.jpg【Photo】francesca原田シェフのスペチャリテ「実家のリンゴの枝で軽くスモークした秋鮭のサルスィッチャ・ディルの香りと嶽きみポレンタ」(1,000円)

 昨年はシェフの好意で嶽きみを石臼引きさせてもらった庄イタ。北イタリアの家庭のようにポレンタを自宅で楽しみました。これがまた結構なお味で。

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