あるもの探しの旅

« 庄内系イタリア人的青森〈後編〉 | メイン | キミだけを想ってる »

「ゆうかメロン」でリベンジマッチ

絶品メロン fromつがる市木造亀ヶ岡
 「そうそう、この味、この香り!!

 「庄内系イタリア人的青森〈後編〉」で述べたように、立佞武多の期間中に五所川原市内で「アムさんメロン品種名:ゆうかメロン)」を入手するにはしました。前回レポートを熟読された方は、そこでズバ抜けた美味しさを賞賛しているのは、メロンの既成概念を覆した昨年のアムさんメロンだったことをお気づきだったかと思います。

azienda_melone.jpg【Photo】今年2月から本格稼働した風力発電の風車を背景に、見渡す限り露地栽培のメロンやスイカの畑がメロンロード沿いに広がる。つがる市木造亀ヶ岡付近にて

 そう、弘果弘前中央青果が商標登録するこのメロン。感激するほどの風味だった昨年が10点満点だったとすれば、立佞武多が開催される五所川原市中心部へのシャトルバスの発着点となる郊外の複合商業施設にある某大手スーパーで購入したことを、結果的には悔やむこととなる今年のアムさんメロンの得点は、正直に申し上げて合格点には微妙に達しない7.95。

yuka_melon.jpg【Photo】養分を作る葉脈の筋が浮き出し、緑から黄色に変わった外皮を覆う細かいネット状の網目が完熟の証し。ツルの付け根箇所に入る亀裂が収穫適期の目印となる「ゆうかメロン」。箱から取り出して置いておくだけで良い香りが部屋に充満する

 メロンは食べ頃を迎えるまでに購入後の追熟が必要なのですが、完熟状態で出荷されるアムさんメロンは、日持ちがしないため地元消費にほぼ限定されます。流通網が発達した現在では、ネット通販という手段があるにはありますが、こと収穫に至るプロセスが肝要な青鮮品は、極力この目で生産現場を確かめてから入手したいもの。

 なればこそ「Viaggio al Mondo~あるもん探しの旅」では食べ物の背景や作り手の思いをお伝えしてきたのです。

 いまひとつ味に納得がゆかず再チャレンジしようにも、ハウス栽培のアムさんメロンは、お盆を迎える頃にはシーズンを終えます。ましてお盆期間は農家や市場も休み。フットワークの軽さを自負する庄イタといえど、再びメロンハントのために津軽を訪れるわけにもゆきません。これぞ文字通り"覆水盆に返らず"???。盆明けに入手可能な露地物ゆうかメロンにしても、もはやギリギリのタイミングでした。1年間モヤモヤをため込むのは精神衛生上よくありません。リベンジのため原則をまげて取り寄せを決断しました。

   kamegaoka_iseki.jpg kizukuri_station.jpg
【Photo】今回ゆうかメロンを取り寄せた「農園おさない」のすぐ近くには、その特異な姿から異星人説すらある亀ヶ岡遺跡のシンボル「遮光器土偶」の巨大な石像がある(左) 遮光器土偶の形をしたユニークなJR木造駅(右)。この駅舎には列車だけでなくUFOも飛来するかも

 念のためネット検索したアムさんメロンと、JAごしょつがる認定「つがるブランド」のひとつ「ゆうかメロン」は、産出量全体のわずか1%と希少性が高く、すべからく売り切れ。まさに血眼になってシーズン最終盤のゆうかメロンを探しました。

 桐箱に入った万単位のメロンは、味を凝縮させるため1株1玉で栽培するそうですが、庶民には縁遠い高級品は例外です。通常のネットメロンは1苗に4玉で育てるところを、つがる市木造亀ヶ岡「農園おさない」の小山内昭光さんは贅沢にも2玉に抑えて低農薬・有機栽培で育てるのだといいます。こうした手間を惜しまない生産者のものならばと、最終盤の8月23日発送分ゆうかメロンをどうにか注文できたのです。

yuka_melon2.jpg【Photo】甘~い果汁がしたたる透明感の高い淡いグリーンのジューシーな果肉がもたらす至福の瞬間。「農園おさない」から2個3.980円(送料込)で取り寄せた完熟「ゆうかメロン」

 その産地は、4年前の5月に付近一帯の出土品を展示する「つがる市縄文館」を訪れたことがある縄文遺跡「亀ヶ岡遺跡」にほど近い同市館岡。多産や豊饒のシンボルとされる眼を誇張した特徴的な女性の姿をかたどった遮光器土偶が1886年(明治19)に出土したことで知られるそこは、つい先日通ったメロンロードからすぐの場所。最寄駅はJR五能線の木造駅で、その特徴的な駅舎は一度見たら忘れられない外観です。

 亀ヶ岡遺跡に一部畑がかかり、畑から時おり土器片が出土するという畑で育ったゆうかメロンは、T字のツル付きで届きました。箱を開けたとたんに広がるこのメロン特有の甘い香り。アムさんメロン同様、食べ頃を充分に見極めて出荷されるため、室温で追熟させる必要はありません。冷蔵庫で適度に予冷してから包丁を入れました。

yuka_melon3.jpg【Photo】光が透けるほど皮際ギリギリまで美味しく食べられるのも「ゆうかメロン」の特徴

 頬張った口いっぱいに広がる芳香、果肉から溢れ出るみずみずしい果汁、そしてこの品種ならではの糖度の高さも十二分。
「そうそう、この味、この香り!!

 旬の盛りを過ぎたシーズン終了間際とあって、実際に口にするまで不安もありましたが、それは全くの杞憂でした。 やはり農作物は信頼に足る作り手あってこそ。庄イタにとっては避けては通れない庄内浜から象潟にかけてのミルキーな岩ガキと同様、世にも稀なこのメロンの味を堪能することなしに夏を終わらせるわけにはゆかないのです。
 

 こうして往く夏を惜しむかのように臨んだリベンジマッチ第1ラウンドは、期待に違わぬ納得の結末をみたのでした。次回リターンマッチ第2ラウンドの模様は、岩木山麓の嶽高原からお伝えします。(・・・もはや次回お題は明らか)

baner_decobanner.gif

Luglio 2018
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

archive.gif

Copyright © KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO.