あるもの探しの旅

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鶴岡のれん

料理人がおすすめする郷土食

 「料理人がおすすめする郷土食」をテーマに鶴岡市内の42店舗が参加し、限定メニューを提供する「鶴岡のれん」が、11月16日(土)から12月1日(日)までの16日間にわたって開催されています。 

 海・川・山・里の彩り豊かで個性的な旬の食材が揃い、その地ならではの祭事・行事と深く結びついた伝統料理が四季折々に味わえる食の都・庄内。

 七福神の大黒天が年越しをする「大黒様のお歳夜(としや)」にあたる12月9日の夜には、二股の「まっか大根」と黒豆ご飯などの豆を用いたさまざまな料理と、秋田沖から南下してくるハタハタと豆腐の田楽焼きが庄内の各家庭の食卓に並びます。

dengaku_hatahata6592.jpg【Photo】まっか大根や黒豆とともに大黒様のお歳夜に欠かせないハタハタの田楽焼き

 怒涛渦巻く冬の日本海ならではの恵みである高級魚「寒鱈」を余すところなく使い、岩ノリをトッピングして酒粕を加えた味噌仕立ての「どんがら汁」も冬の庄内には欠かせない味。ほら貝を吹き鳴らしながら山伏が家々を回る松の勧進と、大晦日に神事が執り行われる松例祭が明けると、北前船が上方の食文化を庄内に運んだことを物語る西日本で主流の丸餅で新たな年を祝います。毎年2月1日、夜を徹して能を奉納する黒川能「王祇祭」では、名物の豆腐焼きが演者・参加者に振る舞われます。

 海運で栄えた往時を偲ばせる京都や江戸から運ばれた時代雛が微笑みかける日本海ひな街道では、職人技が光る雛菓子が雛段に供えられます。その頃、雪解け水で増水した赤川河口域では日本海へ下ったヤマメが成長した「雪代鱒」こと、春の訪れを告げるサクラマスが遡上を始めます。湯田川で種籾を温泉に浸して発芽を促す芽出しが行われるのが4月始め。やがて芽吹きの季節を迎える山々は、山菜の宝庫と化すのです。灰汁で炊いた黄色い餅米を笹の葉で包んだ「笹巻」は、端午の節句に食されます。初夏の気配を感じる5月中旬に登場する孟宗筍を使った郷土料理の白眉が「孟宗汁」。修験の信仰が息づく羽黒の宿坊では、「月山筍」や生姜を薬味に餡かけにする胡麻豆腐など、独自の発展を遂げた精進料理が供されます。

ougisai_tofu.jpg【Photo】山椒のきいたつけ汁で食する王祇祭の焼き豆腐

 温海川など山あいの清流でアユ漁が始まり、鼠ヶ関や由良で夏イカ漁が最盛期を迎え、天然岩ガキ漁が解禁される頃、まばゆい日射しに輝く水平線上には入道雲が現れます。京都の影響が色濃い「南禅寺豆腐」の冷や奴と、ツルツルした喉越しが良い「麦切り」が恋しい盛夏を彩るのは、森屋初という女性が明治後期に選抜育種した「藤十郎」の直系品種「白山(しらやま)」など、サヤごと味噌汁の具にもする「だだちゃ豆」、京からやってきた宮大工が種をもたらしたとされる「民田ナス」、弘法大師が口にしたという伝承が残る「外内島キュウリ」など。

 秋の収穫に向け、「温海カブ」、「田川カブ」、「藤沢カブ」など田川地区の山中で、在来のカブの焼畑と播種が行われるのが、夜空を光と感動で覆い尽くす赤川花火大会の前後。その頃、湯野浜から酒田を経て遊佐まで続く砂丘地帯ではアンデスメロンが、松ヶ岡ではモモが出荷の最盛期を迎えます。

dewanomochi_onodera.jpg【Photo】「庄内協同ファーム」代表小野寺喜作さんの圃場で収穫を待つ糯米「でわのもち」

 あまたの食材に恵まれているため、山形内陸のように蕎麦を呼び物にしない庄内ですが、県内で玄ソバの産出量が最も多いのが実は鶴岡。新蕎麦が出回る頃、「はえぬき」や「つや姫」などの銘柄米が誕生した同市藤島地区など庄内一円では、穂先を垂れた黄金色の稲穂と、秋風に運ばれてくる稲ワラの香りが収穫の季節到来を告げます。五穀豊穣を願い3月に里へと迎えた田の神を再び山に送る「田の神上げ」の日、初めて口にする新米と「もって菊」、口細ガレイ、秋鮭と大根の煮物が食卓に上がります。

 舞茸、もだし、ナラタケなど天然物のキノコは、山沿いで秋から冬にかけて食される「納豆汁」に欠かせません。フルーツタウン櫛引で、大玉ブドウがたわわに実を結ぶ頃、明治時代に新潟からもたらされた庄内柿の代表品種「平核無(ひらたねなし)」が橙に色づき始め、収穫を待つばかりとなります。月山が頂きを白く染めてほどなく、藩制期以来の酒造りの歴史を刻む鶴岡市大山では、寒仕込みが始まります。仕上がった新酒は、2月の「大山新酒・酒蔵まつり」でお披露目されます。

 こうして訪れるたび、庄イタを魅了してやまない食材の豊かさ、季節ごとの営みと密接に結びついた郷土の味の多彩さぶりには目を見張るものがあります。

 「酒の肴」をテーマに、JR鶴岡駅から鶴岡銀座周辺の歓楽街に向かって、ほぼ一直線に参加30店が集中し、今年6月に開催された第1回鶴岡のれんは、500円のチケット制で各店自慢のお酒とお通しがセットされる企画でした。ワンコインの明朗会計で、心ゆくまでハシゴ酒ができるだけに、左党の諸兄諸姉から好評を博し、用意したチケット700枚はたちまち完売。「お通し」とはいえ、「白山だだちゃ豆のかき揚げ」、「庄内孟宗汁餃子」、「サクラマスと月山筍のマリネ」など、鶴岡ならではの旬の味を取り入れた店もあり、"らしさ"は楽しめたはずです。

tsuruoka_gohan2.jpg【Photo】昼・夜それぞれ趣向を凝らした各店の限定メニューが味わえる「鶴岡のれん」vol.2の〈夜の部〉パンフレット

 2回目の開催となる今回は、食の都・庄内らしさを、より前面に打ち出し、鶴岡の味を主役に据えています。昼の部に26店、夜の部には30店の合計56店、昼夜とも参加の店があるため、実数で42店が参加。1枚500円からのチケット制で、店によって500円~3000円と、チケットの必要枚数が異なります。鼠ヶ関、三瀬、湯野浜、藤島、羽黒、櫛引と、参加店が広域に広がり、東北の自治体では最も市域が広い鶴岡ならではの多彩な旬のエッセンスを味わうことができそうです。

biglietto-tsuruoka-noren.jpg 企画担当の鶴岡市食文化推進室の阿部知弘さんによれば、参画を機に鶴岡でしか味わえない在来作物をメニューに取り入れた事例もあり、店側の意欲向上にも結び付いているとのこと。敷居が高いであろう割烹も参加しているこの企画。鶴岡市民からも歓迎されているそうです。

 チケット購入の上、3~5店舗を回って対象の料理を食べるとスタンプがもらえ、その個数に応じて、つや姫5kgや月山ワイン、郷土料理のレシピ本「たんぼの味~庄内・やまがたのお米で作るレシピ集」などが抽選で当たるスタンプラリーも好評実施中。まずはWebにアクセス。昼の部、夜の部それぞれ用意されたパンフレットでじっくりと品定めの上、今回も完売必至のチケットを確保し、いざ晩秋の鶴岡へ!!

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鶴岡のれん vol.2
料理人がおすすめする郷土食 
●期間:2013年11月16日(土)〜12月1日(日)
●主催:鶴岡食文化創造都市推進協議会 http://www.creative-tsuruoka.jp/
●チケットは下記各所にて:
 ・鶴岡市観光案内所(JR鶴岡駅内/ Phone:0235-25-7678)
 ・出羽商工会本所(鶴岡市藤島字笹花33-1/ Phone:0235-64-2130)
  同櫛引支所・同三川支所・同朝日支所・同羽黒支所・同大山支所・同温海支所
 ・鶴岡食文化産業創造センター(鶴岡市馬場町14−1/ Phone:0235-29-1287)
 ・鶴岡市 食文化推進室(鶴岡市馬場町9-25/ Phone:0235-25-2111)
【問】:鶴岡市企画部 政策推進課 食文化推進室 / Phone:0235-25-2111(代)

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