あるもの探しの旅

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イタリアン・ハイブリッド

 電気自動車のネックとなる長時間の充電が不要で、タンクに充填した水素と空気中の酸素を取り入れてモーターを動かす燃料電池車。H2Oだけを排出、現在のテクノロジーでは最も環境負荷が少ない燃料電池車が実用化されるまでの繋ぎとして、ニッポンが技術を先導するのがハイブリッド車です。かのフェラーリですら、今年3月に開催されたジュネーヴ・ショーでハイブリッドモデル「LaFerrariラフェラーリ」をコンセプトモデルではなく市販車として発表しました。

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 800馬力(!)を発生する6,262ccV型12気筒自然吸気エンジンを搭載、ブレーキ時に発生する熱エネルギーを回収・蓄積・再利用し、163馬力を生むF1で培った独自のHY-KERSシステムをドッキング。合計963馬力(!!)で駆ける軽量なカーボンモノコックボディは、0‐100km/h加速が3秒以下と、強烈な加速Gに堪えうるコルセットを首に装着した方が安心してアクセル全開にできそうな驚異のスペック。

 最高速度が350km(!!!)まで達するというこの赤い跳ね馬。走行状況に応じ、スポイラーやアンダーパネル類が自動可変するアクティブ・エアロダイナミクスを採用した、いわば(心の底から信頼を寄せるにはいくばくかの不安がよぎる)イタリアン・ハイテクノロジーの塊です。

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 生産数499台限定に対し、購入希望者が殺到したというマラネロ初のハイブリッドモデルの気になるお値段は、100万ユーロ。本日の為替レートに換算して1台1億3900万也(税別)。ポキッと折れそうなドアミラーの形状を見るにつけ、ついて回る維持費の不安を払拭すべく、正規ディーラーからフェラーリの新規登録車を購入すれば、7年間は無料メンテナンスを受けられるワランティ・パッケージが2年前から全世界同時にスタートしています。

kosui_crema-golosone.jpg たとえ設計に破たんはなくても、生産の過程で生来のユルさが介在するため、個体差が大きいことが珍しくないのがイタリア車(通称:イタ車=痛車)。堅牢なバイエルン製のドイツ車も3台乗り継いだ庄イタですが、うっかりイタ車に手を出した過去において〝痛い目〟〈2009.3拙稿「場の空気に関する一考察」参照〉に遭っています。

 動画のようなアドレナリン全開な走りにはおよそ似つかわしくないエコカー減税が適用されても、納車は来年4月以降が確実ゆえ消費税だけで1,100万円が飛んでいく勘定( ̄▽ ̄;)。1等・前後賞あわせて賞金7億円が当たる年末ジャンボ宝くじでも当たらない限り、最大の不安要因である懐事情については、まったくもって問題解決の見通しは立っておりません。

 と、いうことで、高嶺の花に終わりそうなイタリアン・ハイブリッドカーについては早々に切り上げ、ここでもうひとつのイタリアつながりのハイブリッドな話題をば。

capperetti_dakekimi.jpg 宮城県名取市相互台にあるマンマの味が楽しめるイタリアン「イル・ゴロゾーネ」で、風味の良い和梨「幸水」のシーズン限定で登場するスペチャリテが、「幸水とパンチェッタのクリームソーススパゲッティ」(上写真)。

 加熱して食感がまったりと変化した幸水と、シャキシャキした生のままの二つの食感が異なるダイス状にカットした幸水に、パンチェッタの旨味と塩味が加わって、フレッシュクリームの甘味が絡んで、えも言われぬハイブリッドな一体感が生まれます。この秋に味わったパスタ料理では、青森のイタリアン「アル・チェントロ」のペースト状にした嶽きみの香りと甘味が炸裂する「嶽きみのカッペレッティ」(左写真)と双璧をなす美味しさ。


 イタリア本国でも何年か前、某有名リストランテのシェフが突如カレーに目覚め、キワ物以外の真っ当なイタリア料理では禁じ手に等しいカレー粉を使った創作料理がイタリア人の間で評判を呼んだとのこと。

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 歌と食べることをこよなく愛する北イタリア・ロンバルディア州Paviaパヴィーア在住のオーナー、ローズィ夫妻の指令で、この秋初めてメニューにオンリストされた「カレー風味クリームソースの手打ちタリアテッレ」(右写真)を、このほどランチタイムに初体験。料理についていつも的確に表現してくれるフロア係の千葉さんオススメとあって、未体験の領域に挑戦した次第。
 
 運ばれてきたタリアテッレを一口食べた正直な感想は、「これはパスタなのか? それとも洋風カレーうどんなのか??」。日本人にはどこか懐かしいカレー風味が、デュラム小麦の香りと絡んでくるインドとイタリアの摩訶不思議なハイブリッド。

 いわば「鯖節から取った和風だし抜き中辛バーモントカレー味きしめん」(笑)。

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 本格インド料理では「ナーランダ」@酒田〈2009.9拙稿「象潟の岩ガキ」参照〉の味を愛し、「Yeti」@気仙沼〈2012.9拙稿「Yeti イエティ@気仙沼」参照〉の味を愛し、混沌としたインドそのままの雰囲気が体感できる(近いうちにとくとご紹介したい)JAY」@山形市の味も愛する庄イタ。

【Photo】夏は盆地特有の酷暑に見舞われるため、すぐ近くの冷やしラーメンを売りにしている店には長蛇の列ができる山形市。かたや吉祥寺と仙台「JAYMAL」で伝説を残したインド料理研究家の由利三さんの料理を味わえる「JAY」入り口。40歳以上の男性だけに適用される厳格なドレスコードがあるので気をつけたい

 前世を含めて積み重ねてきた食遍歴の経験値では推し量ることのできない違和感がどうしても残ります。頭の中で整理をつけようと、2度、3度とカレー風味クリームソースのタリアテッレを口に運んでも、それは払拭されません。

 そこで、いてもたってもいられず、ブロックでサーヴされるパルミジャーノ・レッジャーノをたっぷりと摺りおろしてくれるよう懇願しました。するとインド風チャレンジメニューには一体感が生まれ、慣れ親しんだイタリア料理へと変化して、すんなりとお腹に収まってくれました。

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 それにしてもインドとイタリアが合体したこのパスタ料理。ランチタイムは前菜+ドルチェ+ドリンクがセットされ1,470円也。

 これから先の1日3食、毎食お代わりをし、歯が抜け落ち、嚥下能力が低下した超・後期高齢者になってからは流動食に加工して食べ尽くし、果ては点滴に混ぜてまでしても、マラネロ製の世界一高価なハイブリッド車1台を購入できる対価には到底及びません。

 料理は奥が深いですね。

 いやー、いい勉強になりました m(_ _)m

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リストランテ「イル・ゴロゾーネ」
住: 宮城県名取市相互台1-10-1
Phone:022-386-6271
営:11:30-14:30  17:30-21:00 月曜定休 P有り

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コメント

《悲報》

小耳にはさんだ情報を確かめるべく、現地に足を運んでこの目で確かめてきました。

噂通り、リストランテ「イル・ゴロゾーネ」は、2013年12月末をもって閉店しました。

勿体ないなぁ~。

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