あるもの探しの旅

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2014/02/09

K-port @気仙沼

想いをカタチに。

 東日本大震災の発災後すぐ、「Kizuna311」プロジェクトを立ち上げ、表現者としての立場から被災地支援に立ち上がったのが、俳優の渡辺謙さんでした。仕事の合間を見つけては岩手の陸前高田と釜石、宮城は気仙沼、福島には葛尾(かつらお)などに幾度となく足を運び、被災地で暮らす人々の声に耳を傾けてきました。

 NHK大河ドラマの史上最高平均視聴率を記録した「独眼竜政宗」で主役を演じ、トム・クルーズと共演した映画「ラストサムライ」でアカデミー賞にノミネートされた国際派俳優と比肩するのはおこがましいですが、庄イタが一昨年から関わっているプロジェクトが「カケアガレ!日本」。津波による犠牲者を二度と出さぬよう、自力避難が困難な高齢者が多い沿岸地域や、近くに高台がない平野部などに、地域課題に即した津波避難訓練を習慣として根付かせようという試みです。

 復興庁の「新しい東北先導モデル事業」に採択された、この命と地域を守る訓練プログラム策定のため、「東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)」の研究者ほかでチームを組み、昨年12月から宮城県内の沿岸16市町の防災担当部署に課題抽出のためのヒアリングを実施しています。今月16日、根本匠復興大臣ご臨席のもとKKRホテル仙台で開催される「津波避難のための防災・減災シンポジウム」では、不肖・庄イタが、カケアガレ!日本の取り組みをご紹介します。

yeti2014.1.21.jpg【Photo】古来いわく「腹が減っては戦ができぬ」。当日11時までに電話予約すれば食することができる気仙沼「Yetiイエティ」のネパール料理「ダルバート」。気仙沼への到着時刻が読めず、ダルバートを予約できなかったものの、この日食したのは充実のランチCセット。カレーはテークアウトも可能ゆえ、好物のキーマと定番のマトンを持ち帰り

 住民の多くが犠牲となった閖上(ゆりあげ)が海沿いにある名取市役所で仕事を終え、午後に設定していた気仙沼市役所に向かった1月末。同じ宮城県内とはいえ、名取からは三陸自動車道を経由しても片道2時間半を要する移動が伴います。気仙沼市では、昨年11月2日に行われた総合防災訓練を受けて、高齢者などの避難行動要支援者対策をテーマとするワークショップを階上(はしかみ)地区で別途実施しており、今後の取り組みの方向性を模索するために市の危機管理担当部門を幾度か訪れていました。

 そこに「Yetiイエティ」が存在することで、知る人ぞ知るネパール・インド料理の聖地となった気仙沼に到着したのが2時過ぎ。3時からの打ち合わせを控え、Yetiのランチ営業時間にもどうにか間に合いました。深みのある味わいが魅力のマトンカレーと豆の風味が生きたダールカレー、チキンティッカ、シークカバブなどがワンプレートになったCセットで内燃機関を活性化。市役所での打ち合わせを終えると、すでに西の空に陽は傾き、足もとから底冷えがしてきました。

shunsaiya-ken2014.1.21.jpg【Photo】国内水揚げ高の9割を占めるサメが三陸沖から鮮度の高いまま調達でき、冬場の乾燥した北西の季節風のもとで天日干しされることで高い品質が保証される日本一の生産高を誇るフカヒレの町が気仙沼。産地ならではのリーズナブルな価格で、豪奢なフカヒレ姿煮が入った「ふかひれラーメン」(@旬菜屋KEN)


 失われた日常を取り戻そうと懸命な被災地で消費を行うことを心がけている庄イタ。高級食材フカヒレを、銀座アスター仕込みの中華料理としてリーズナブルに堪能できるばかりか、銘酒愛好者が集う店として知る人ぞ知る店であった「でまえれすとらん」が、南気仙沼から震災の半年前に「旬菜屋KEN」として田中前に移転して以降は店を訪れていませんでした。前身のでまえれすとらんでは、ズワイガニの旨味がたっぷりのフカヒレで倍増するスープに悶絶する忘れもしない「フカヒレ・カニあんかけラーメン」が定番でしたが、夕食は大振りなフカヒレ姿煮がドーンと鎮座する「ふかひれラーメン」(1500円)で軽めに夕食を済ませました。

KEI_maitake.jpg【Photo】岩手・宮城内陸地震で打撃を受けた栗原産の菌床栽培マイタケを使い、無添加にこだわって新たな佃煮名人伝説を打ち立てた気仙沼ケイの「舞茸つくだ煮」。 

 昨年末、「(有)ケイ」の佃煮名人、菅原義子さんが、誰にも真似のできない味の決め手となる秘伝の製法で作る「さんまつくだ煮」と、義子名人ならではの絶品「舞茸つくだ煮」を購入しようと魚町にあるケイの仮設製造施設兼事務所を訪れた折。そこには渡辺さんの奥様で女優の南果歩さんと義子さんが店の前で並んだ写真が飾ってありました。聞けば、「近くを散策していたら、美味しそうな香りがしたので」と、店を突然訪れたのだそう。

 それは、ご主人の渡辺謙さんが出資し、気仙沼観光桟橋前に開いたカフェ「K-Port」がオープンした昨年11月25日翌朝のこと。それにしても南さん、嗅覚細胞がヒトの倍もあるニャンコ顔負けの警察犬のようなスルドイ嗅覚をお持ちのようで(笑)。

kport2014.1.21-2.jpg 100km以上離れた仙台への帰路に就く前にクールダウンするため、被災地との対話を重ねた渡辺謙さんが、人と人を結ぶ場として気仙沼にプレゼントしたK-Portに立ち寄ることにしました。ガラスを多用したせんだいメディアテークを手掛けたほか、世界的に評価される建築家の伊東豊雄氏が設計したという不規則な五角形をした黒い建物から灯台のように明かりがこぼれるK-Portは、復興屋台村気仙沼横丁のすぐ隣。目の前には気仙沼大島へのフェリーが出る観光桟橋があります。

kport2014.1.21-3.jpg 入り口でスリッパに履き替えて店内に入るシステムは、自宅のような感覚で寛いでほしいという思いからなのでしょう。天井が高く柱のないフローリングの開放的な室内は、海に面する側が大きなガラス窓になっています。

otokoyamahonten_2011.4.10.jpg そこからは、気仙沼湾と魚町の街並みを見渡すことができます。1915年(大正4)と1929年(昭和4)に発生した二度の大火で市街地を焼失後、昭和初期に建てられた造り酒屋「男山本店」や「角星店舗・旧酒造場」、「武山米店」など国登録有形文化財が点在する歴史ある屋並みが津波で流失し、空き地ばかりが目立つ今は、すっかり風景が一変しました。

【Photo】気仙沼湾に面して魚町にあった木造3階建ての洋風建築の男山本店は1932年(昭和7)築。3階部分を残して流失したが、街の復興に向け、復元を目指して曳家され、元の場所で保存されている(左写真)

kport2014.1.21-4.jpg kport2014.1.21-6.jpg【Photo】K-portのエントランスからはイルミネーションきらめく夜の気仙沼湾が一望のもと(上写真)

 被災後しばらくは、夜になると闇が支配していた内湾一帯にも、人の営みの息吹が感じられる明かりが徐々に戻ってきています。薄暮の迫る内湾に夜の帳(とばり)が次第に忍び寄り、灯リ始めた街の明かりに交じって、街に活気を取り戻そうと取り付けられたイルミネーションが、内湾の波間に反射して波間でキラキラと輝きます。窓越しに眺める気仙沼は、震災前と変わらぬ姿でそこにあるかのよう。

【Photo】このオリジナルマグカップは1,000円で購入可(右写真)

 定番ホットドリンクは、ドリップコーヒー(380円)、カフェラッテ・カプチーノ(各400円)、ココア・カフェモカ・キャラメルモカ(各450円)。コールドドリンクは、オレンジジュース・ジンジャエールなどソフトドリンク4種(各300円)、アイスコーヒー・アイスティー(各380円)、アイスラッテ(400円)、アイスココア・アイスモカ・アイスキャラメルモカ(各450円)。ふたつの冬季限定ドリンク「しょうがはちみつ」と「ゆずはちみつ」(各400円)という選択肢から、体の芯から温まろうと注文したのが、しょうがはちみつ。すりおろした生姜と蜂蜜の風味が生きたホットドリンクで気持ちまで温まりました。

kport2014.1.21-5.jpg 三國清三シェフが監修した土日のみ20食限定の「おかえりカレー」(1,500円)ほかの定番フードは、焼成に理想的な500度以上をキープする機能を備えた電気窯「e-Napoli500」で焼き上げる世界の遠洋マグロ漁基地の名前がついたピッツァ。地元「ケセンヌマ(=マリナーラ」)」(780円)、南アフリカ「ケープタウン(=マルゲリータ)」(980円)、南米ペルー「カリャオ」(=南米の魚介マリネ「セビチェ」を用いたピッツァ)」(1,280円)、カナリア諸島「ラスパルマス(=クアトロフォルマッジ)」(1,380円)。マグロ関連産業の集積が進むインドネシア「バリ」(580円)は、生地に胡麻かクルミのソースで味付けし、アイスクリームをのせたデザートピッツァ。渡辺謙さんが思い入れのある「パンケーキ」(チョコレートシロップ・バター・メープルシロップ風味の3枚セット500円)は土日は14:00以降に食することができます。

kport2014.1.21-7.jpg 開店後、月一回ペースで気仙沼入りしている渡辺さんに代わって店長を任されているのが、東京都八王子市出身の小林峻さん(25・右写真のごとくイケメン!!)。東松島市と仙台で震災後ボランティア活動を行い、K-portの開店と同時に気仙沼に居を移したのだそう。

 訪れた際にカウンターにおいでだった2名の女性スタッフは地元出身。K-portオープン後、幅広い層のお客様が足を運んで下さっていますと目を輝かせ笑顔をみせてくれました。

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DSCF2023.jpgK-port(ケーポート)
住:宮城県気仙沼市港町1-3
営:10:00-18:00(店内でイベント・ライブがある場合は変更あり) 無休
Phone:0226-25-9915
URL: http://www.k-port.org/
facebook: https://www.facebook.com/k.port.kesennuma?fref=ts
Mail: info@k-port.org 
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