あるもの探しの旅

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La porchetta è pronto

ポルケッタ、焼き上がりました。
@仙台勝山館ビュッフェ・デリ仙台三越

 四方を海に囲まれた日本では魚食文化が発達しました。かたや三方を海に囲まれたイタリアにも魚食文化は存在しますが、欧州全体を見渡すと肉食文化が主流。

porchetta.jpg【Photo】仔豚をこんがり丸焼きにした「ポルケッタ」売りの屋台。切り分けてパンに挟んだパニーノなら3.5エウロ(=約490円)のワンコイン感覚。ローマ郊外にて
 

 冷蔵技術が未発達だった時代は、塩蔵や発酵、燻製によって食品の保存性を高める狙いもありました。ラテンのあくなき食に関する欲求は、さまざまな肉を加工した食品をイタリア各地で生みだしてきました。

2003.Otto-3.jpg【Photo】マルケ州セニガッリアのメルカート脇でスィニョーラが店番をしていたポルケッタの屋台(上写真)。空腹ではなかったため、パニーノにはせず、そのままをオーダー。ハーブの香りと適度な塩味が利いたパンチのある味付け。脂身の少ない赤身とパリっとした皮がクセになるおいしさ(下写真)

03.Ottobre-3senigallia.jpg 豚の後ろ足のモモ丸ごと一本を加工する生ハムは「サン・ダニエレ」と「パルマ」が二大看板でしょう。非加熱の生ハムは、モモ肉の「スペック」のほか、首と肩の「コッパ」、稀少で高価な「クラテッロ」、カルボナーラの具となる「グアンチャーレ」など多彩。同様に非加熱のソーセージ「サルスィッチャ」、ミラノのレシピが有名な「サラメ」、バラ肉のベーコンに相当する「パンチェッタ」、肉と脂身を温燻するボローニャ発祥の「モルタデッラ」など、枚挙にいとまがありません。

 首都ローマを擁するラッツィオ州、ペルージャが州都のウンブリア州、アドリア海に面したアンコーナを州都とするマルケ州など、おもに中部イタリアで親しまれる料理が、今回のお題となる「ポルケッタ」です。

本来のポルケッタは、仔豚の丸焼きを指します。ポルケッタは、リストランテやバール、あるいは家庭で食するというよりは、ポルケッタ売りの屋台で売られる気取らない料理です。食べ方はパンに挟んだ「Paninoパニーノ(複数形⇒「Paniniパニーニ」)」がポピュラー。

【Movie】ポルケッタの街として知られるラッツィオ州アリッチャで1940年に創業したLeoni Randolfoにおける伝統製法によるポルケッタ作りの模様

 イタリア半島の先住民族であるエトルリア人の時代まで起源が遡るとする説もありますが、文字を持たなかった民族ゆえ真偽のほどは定かではありません。時代が下って帝政ローマ期にはすでに存在していたポルケッタ。ローマからアッピア街道を下り、ローマ法王の夏の避暑地として知られる丘陵地帯カステッリ・ロマーニにある小さな街、「Aricciaアリッチャ」は、その本場として知られています。

 ローマで気軽に飲める白ワインとして親しまれるのが「Frascatiフラスカーティ」。その産地にほど近いアルバーノ湖対岸にあるアリッチャの街に伝わるレシピで作られるポルケッタは、伝統的な手法に則って限られた地域で生産される食品や農産物に対し、EU欧州連合が定めた商標「I.G.P.(Indicazione Geografica Protetta.=保護指定地域表示」認証を受けています。

shozan_porchetta.jpg【Photo】リストランテ・パドリーノ・デル・ショーザン矢島広之料理長が素材を厳選。仙台勝山館三越店ビュッフェ・デリに新登場したポルケッタ

 I.G.P.指定を受けたアリッチャのポルケッタに用いる仔豚は例外なくメスのみ。屠畜した豚の肋骨や背骨をナイフを使った手作業で取り除いてから、身の内側に塩・黒コショウ・ニンニク・ローズマリーを擦り込みます。時に御頭つきのまま、スノコ状に胴体を巻き、丸ごと大きな串に掛けてじっくりと時間をかけて焼き上げます。皮にはナイフで穴が開けられるため、焼成の間と粗熱が取れる間に、相当量の脂が落ちるため、しつこさを全く感じなくなります。

 「Fraschettaフラスケッタ」と地元で呼ばれる気軽な居酒屋のメニューに欠かせないのが、「Porchetta di Ariccia I.G.P.」。アリッチャでは例年9月を迎える頃、街に通じるローマ時代の水道橋を模して19世紀に造られた3層からなる陸橋Ponte di Ariccia からバロックの天才建築家・彫刻家ベルニーニが設計したキージ宮前の広場にかけて、数多くの屋台が並ぶ「Sagra della Porchettaポルケッタ祭り」が行われ、会場ではパニーノをほおばる人出で賑わいます。
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【Photo】仙台勝山館三越店ビュッフェ・デリでは、ポルケッタを100g前後に切り分け、土曜・日曜のみの週末限定で販売する

 庶民の味、ポルケッタが、仙台三越定禅寺通り館地下1階の「仙台勝山館三越店ビュッフェ・デリ」に6月7日(土)から新登場しました。「リストランテ・パドリーノ・デル・ショーザン」矢島広之料理長が、ウンブリア州ペルージャでの修行時代に慣れ親しんだ本場の味を再現したのだといいます。

 ポルケッタに使用するのは余分な脂が少なくキメ細やかな肉質の「宮城野ポーク」のバラ肉。味付けには、自然豊かなイタリア・サルデーニャ島の天日干し製法で精製される海塩、西東京市にある「ニイクラファーム」のセージやローズマリーなどのハーブ類、青森県田子(たっこ)産ニンニクを使っているのだそう。素材選びには決して妥協しない矢島シェフらしいですね。

shozan-porchetta3.jpg【Photo】バラのような形のローマ伝統のパン「ロゼッタ」風のパンに挟んだ矢島シェフ特製の厚切りポルケッタ。これにカプチーノが加われば、気分はもうローマの休日

 これぞ!!というポルケッタにこれまで出合えなかった仙台で、懐かしいイタリアの味が楽しめるようになりました。今のところ土日週末限定で、テークアウトのみ。刻みタマネギやパセリをオリーブオイルで和えた専用ソース付きで100gあたり648円。日本では入手が難しいチャバッタやロゼッタなどのイタリアパンは無理でも、そのままフォカッチャ系のパンに挟んでパニーノで食べるのが一番かと。

 Buon appetito~♪
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取り扱い:仙台勝山館 三越店(ビュッフェデリ
住: 仙台市青葉区一番町4丁目8−15仙台三越 B1F
Phone(直通): 022-224-2850
営:10:00-19:00 ポルケッタは土日のみ数量限定

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