あるもの探しの旅

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夏だ! 海だっ!! ウニだぁ~!!!

Porco Rosso @ Ofunato 大船渡 ポルコ・ロッソ

 郷土再生の槌音が響く南三陸に、深い地元愛を感じさせる1軒のトラットリアがあります。その名は「Trattoria Porco Rosso トラットリア・ポルコ・ロッソ」。1992年(平成4)に公開された宮崎駿監督の映画「紅の豚」主人公、ポルコ・ロッソをどことなく彷彿とさせる風貌のオーナーシェフ、山﨑純さんが1998年(平成10)に郷里の岩手県大船渡市で開業したイタリアン・レストランです。

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【Photo】「飛べねぇ豚はただの豚だ」 1920年代のアドリア海を舞台に、自ら魔法をかけて空飛ぶ豚ポルコ・ロッソに姿を変えた退役イタリア空軍パイロット、マルコの生きざまを描いた宮崎駿監督作品「紅の豚」イタリア語版「PORCO ROSSO」(左)
大船渡「トラットリア・ポルコ・ロッソ」のカウンターには、トレンチコートとボルサリーノのソフト帽で決めたポルコ・ロッソのフィギュアが一体(右)

 南に向けて開けた大船渡湾は、開口部1km、奥行き6km。波穏やかな天然の良港です。南三陸特有の入り組んだリアス式内湾には、背後に迫る北上山地から滋養豊かな川水が湾内に流入し、ホタテ・カキ・アワビといった海の幸の養殖が盛ん。末崎半島の景勝地・碁石海岸の対岸に位置する長崎海岸や沖合の大ビラ磯・小ビラ磯といった岩礁などでは、5月末から8月中旬まで漁期となるキタムラサキウニが旬を迎えています。

cape-ozaki-ofunato.jpg【Photo】大船渡湾に突き出た尾崎岬から長崎海岸方向を望む。幼生を放流し、エサとなる昆布を増やすなどの地元漁師の努力によって、全国屈指の水揚げを誇る三陸のウニやアワビなどの漁業資源が守られてきた

 鉄路が寸断された現在は、BRT(バス高速輸送システム)が気仙沼との間を代行運行するJR大船渡線の終着駅、盛(さかり)駅から徒歩圏内のポルコ・ロッソ。盛駅は三陸鉄道南リアス線の始発駅でもあり、今年4月、運休していた釜石--吉浜間が復旧、全線運行再開を果たしました。実際の三陸鉄道の車両が登場したNHK連続テレビ小説「あまちゃん」冒頭の「きたてつ」こと北三陸鉄道開業シーンさながらの祝賀ムードに地元は沸きました。

 しかし沿線で暮らす住民が激減した今、その前途は復興への道のりと同様、楽観できるものではありません。沿線の風景は変わってしまいましたが、変化に富んだ海岸線と海の美しさ、無口でも情に厚い人たち、そして海の幸の美味しさは変わりません。

ofunato-onsen.jpg【Photo】末崎半島(右)と尾崎岬(左)に挟まれた大船渡湾の開口部付近には、ホタテやカキの養殖いかだが敷設される。湾を見下ろす高台の絶好のロケーションに大船渡温泉が先月末オープン(写真右下の建物)〈click to enlarge

 7月31日(木)には、大船渡湾を見下ろす高台に日帰り入浴可能な温泉を備えたホテル「大船渡温泉」が開業。そこで起きた現実を目に焼き付け、世界三大漁場に数えられる三陸の幸を味わい、肉厚の「恋し浜ホタテ」の産地・小石浜では、奉納されたホタテの絵馬が凄いことになっている駅舎が必見の「恋し浜駅」など、沿線をじっくりと訪れてはいかがでしょう。

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【Photo】盛駅からほど近いトラットリア・ポルコ・ロッソ。東日本大震災の津波は、2.5kmほど港から内陸にある店の階段まで遡上してきた(左) 山﨑純オーナーシェフ。開店前の仕込み中に伺ったこの日は、コックコートではなく赤いTシャツ姿。「出来すぎやん!」と内心突っ込みを入れつつ、ポルコ・ロッソ氏にハイ、チーズ(右)

 東日本大震災では、コンクリート製エントランスの1段目まで津波が到達したというポルコ・ロッソ。店は津波被害は免れたものの、多くの取引先や知人が被災しました。不自由な避難生活を送る市民のため、山﨑シェフは1日2回の食事をピーク時で1日2,000食、通算17万食も作って届けるボランティアを5カ月続けました。7カ月後、店の再開に至る経緯は「わわプロジェクト」サイトを参照願います。

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【Photo】殻の腹面中央にある口で海藻類を食べて育つ三陸のキタムラサキウニ。漁期の8月中旬までは鮮度の良い生ウニがメニューにオンリストされる(左) 7月下旬、陸前高田市米崎のリンゴ畑では、特産のリンゴが次第に色付き始めていた(右)

trattoria-porco-rosso.jpg【Photo】木の温かさが伝わるトラットリア・ポルコ・ロッソ店内。カウンター席からは厨房がすぐ目の前。気さくなオーナー・シェフのキャラクターもあいまって、オープンキッチンの開放的で気取らない雰囲気の中、素材の持ち味を活かした料理を楽しめる

 東京とローマでの修行を経た山﨑シェフが、元々は銭湯だった建物の一角に現在の店を開いたのが1998年(平成10)。地元を離れて、改めて郷里の食材の価値を再認識したといいます。ポルコ・ロッソでは、昼夜ともに地元・南三陸の素材を積極的に取り入れており、夜はアラカルト、昼は4つのコース中心といったメニュー構成。

 大船渡の海の幸だけでなく、「無機と有機のカタチ」で特異な樹形に関して触れた陸前高田米崎特産のリンゴ、大船渡の西隣にある住田町「ありす畜産」の「ありすポーク」など、手書きの黒板メニュー(下写真。2014年7月中旬 click to enlarge)には、山﨑シェフが惚れ込んだ気仙地方の食材がふんだんに登場します。

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 前置きはこのあたりにして、春から夏にかけて庄イタが味わった「ランチコース(3,240円)」および「ドンナコース(コース名は女性コースなれど男性でも注文可。2,160円)」から一例をご紹介しましょう。(お手頃な「セットメニュー(1,300円)」とランチコースに魚料理か肉料理のセコンドピアットが付く「ポルココース(4,320円)」も選択可)

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【Photo】7月のある日、カウンターで頂いたランチコースより。〈アミューズ〉オーガニックなニンジンのムースとスカンピ(手長エビ)のジュレ、地物生ウニのトッピングカクテル(左)
5月。〈前菜盛り合わせ〉住田町ありすポークの低温ロースト・陸前高田市米崎町産細谷さんの無袋栽培完熟リンゴの無糖コンフィチュールのせ、自家製パンチェッタとサルーミ、カポナータのブルケッタ(右)

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【Photo】これも風薫る5月。〈温かい前菜〉真マスと米崎リンゴの重ね焼き、春野菜のアッロースト(左)
〈4種から選ぶ本日のパスタ〉春キャベツとアスパラ孟宗筍のスパゲッティ(右)

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【Photo】海が輝きを増す7月。〈温かい前菜〉キュウリウオ科の白身魚チカと米崎リンゴの重ね焼き、ナスとカボチャのアッロースト(左) 〈4種から選ぶ本日のパスタ〉地物焼きキタムラサキウニと活ホタテのクリームソーススパゲッティーニ。生ウニもオマケの大盤振る舞い特別バージョン(+800円)。悶絶必至(右)

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【Photo】クセになって再訪した8月初旬。〈4種から選ぶ本日のパスタ〉生ウニのクリームソーススパゲッティーニ。ふっくらとした生ウニの甘味が軽いガーリックとアンチョビの優しい生クリームと絡む(左手前) 焼きウニとホタテのクリームソーススパゲッティーニ。バターでソテーした活ホタテの旨味が加わった濃厚なクリームソース。絶品。(右手前)

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【Photo】セットメニューとドンナコースに組み込まれる「馬車に乗ったモッツァレラ」。パンでモッツァレラチーズを挟み焼きするナポリを州都とするカンパーニャ州の伝統料理「La mozzarella in carrozza モッツァレラ・イン・カロッツァ」(左)
〈ドルチェ盛り合わせ〉米崎・細谷さんのリンゴ果汁で作ったジュレ、大船渡牛乳と河内山さんの卵プルプルプリン、シェフに恋するカタラーナと、コクが増す順に食べるよう指定。プレートでは、スカーフを風になびかせたポルコ・ロッソ(山﨑シェフご本人かも?)が、グーサイン b(^ー°)(右)

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jun-yamazaki2.jpgTrattoria Porco Rosso トラットリア・ポルコ・ロッソ
住:岩手県大船渡市盛町字町10-1
  (ショッピングセンター「サンリア」並び)
Phone:0192-26-0801
営:11:30~15:00(L.O.14:00) 18:00~22:00(LO21:00)
火曜定休(ただし「年中夢中」) 18席 カード不可 
P:3台(店の前が満車の場合はご相談を)
最寄駅:JR大船渡線/三陸鉄道南リアス線 盛駅徒歩約4分

シェフの気まぐれブログ:
http://ameblo.jp/porcorosso-blog/  

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