あるもの探しの旅

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Mare Nostrum, bonfanti.

地中海の風を運ぶトートバッグ

 Mare Nostrum マーレ・ノストゥルム。地中海世界を手中にした古代ローマ人は、地中海(イタリア語でMediterraneo)をラテン語で「我らの海」を意味するこの名で呼びました。

Civil_Ensign_Italy.jpg【Photo】イタリア商船が船尾に掲げるイタリア国旗(部分)。赤・白・緑のイタリアン・トリコローリの白地部分に聖マルコを象徴する有翼獅子(ヴェネツィア・左上)、聖ジョルジョの象徴たる赤の十字(ジェノヴァ・右上)、青字に白の八角十字(アマルフィ・左下)、赤字に十二使徒を表す12の円が付いた白い十字架(ピサ・右下)がモチーフとなる4つの海の共和国が描かれる

 
 ローマ帝国衰退後の長い空白を経た9世紀。都市国家が群雄割拠するイタリア半島で、大きく帆を張った船で海に繰り出し、地中海を舞台とする交易に活路を見出そうとした4つの都市がありました。それが、現在もイタリア商船やイタリア海軍の船舶が掲げる旗に紋章が描かれるヴェネツィア、ジェノヴァ、アマルフィ、ピサの4都市。

regata-bonfanti.jpg【Photo】イタリア商船旗と並び順は異なれど、地中海世界でかつて勇名を馳せた4つの海洋国家名、ヴェネツィア・ジェノヴァ・アマルフィ・ピサの名が記されたbonfantiのトートバッグ「Regata866110」

 問題先送りばかりの極東の某国と同じく、最高権力者が頻繁に交代し、てんで頼りにならないイタリア共和国の政権より、よほどまともと思われる統治能力を備えていたのがヴェネツィア共和国。ドージェ(元首)を頂点とする政府の庇護のもと、多くの漕ぎ手を乗せた軍用のガレー船でも発揮された優れた造船技術と商才とによって、東方交易で莫大な富を獲得します。18世紀末に共和制が瓦解するまで、オリエントの香り漂う華麗な海上都市は繁栄を謳歌します。

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【Photo】bonfanti2014春夏コレクションより。ボールドなストライプ柄が春夏の定番。カジュアルに振れすぎずラインナップされるバッグ類は、性別を問わず大人にも支持が高いという

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 アドリア海の真珠と称えられたヴェネツィアにとって最大の好敵手であったのがジェノヴァ。指導者層が自国内の政争に明け暮れ、ライバルと比べて国家としてのまとまりには劣るものの、持ち前の独立心の強さも手伝って、ヴェネツィアに伍して地中海世界で台頭します。

regata3.jpg 「奇蹟の広場」の別名を持つドゥオーモ広場に斜塔と並んで建つ壮麗極まりない白亜の大聖堂洗礼堂を見ても、十字軍遠征に乗じて地中海で勢力を拡大した往時の繁栄ぶりが偲ばれるのがピサ。

 占いの道具として宗王朝の中国で発明された方位磁針を航海用に独自に改良、羅針盤を欧州に広めたのがアマルフィ。地中海交易の先鞭をつけ、大航海時代への道筋をつけました。故国が12世紀前半にシチリア王の軍門に下った後も、アマルフィ商人は地中海世界で一定の影響力を保ち続けました。

【Photo】REGATAのラインでも、モデル866110は、持ち手や金具まわりに上質な牛革を多用しており、シックな印象を与える(右写真)

 例えば、捕虜としてジェノヴァで投獄されていた間の口述をもとにした「東方見聞録」で、13世紀末に黄金の国ジパングに関する伝聞を欧州に広めたマルコ・ポーロはヴェネツィア人。15世紀末に新大陸を発見したクリストフォロ・コロンボ(=コロンブス)はジェノヴァ人。15世紀半ばに無敵艦隊を擁するスペインが台頭する大航海時代を迎えるまで、二大勢力となったヴェネツィアとジェノヴァは、互いにしのぎを削りながらも大海原を舞台に歴史に名を残した人物を輩出しています。

regata4.jpg【Photo】肩掛け可能なトートバッグとして、上質な革製の持ち手は2段階に長さが調整可能。取り外しができるウオッシュ加工を施されたブルーのストラップが付属しており、ショルダーバッグとしても使える(左写真)

 こうした歴史を紐解くまでもなく、三方を海に囲まれたイタリアで海は身近な存在。グローバル経済に組み込まれた昨今、都市部では夏のヴァカンスが短縮化の傾向にあるとはいえ、今も昔もイタリア人にとっては日焼けした肌は自慢の種。貫禄充分のマンマでも、臆することなくビキニ姿で砂浜を闊歩します。ローマ神話における海の神「ネプトゥヌス(=ネプチューン)」の末裔であるイタリア人のDNAには、夏は海に心を馳せるよう、深く刻まれているようです。


 個性を重んじる国ゆえ、自己表現の手段として、身だしなみに気を使うイタリア人は概してお洒落です。そんな彼女たち・彼らにとって、この季節の必須アイテムとなるのが、海と親和性の高いアイテム。この夏、庄イタが衝動買いしたイタリアンブランド、「bonfantiボンファンティ」の新作トートバッグもそんな一つに挙げられるでしょう。そこには前述した4つの海洋都市国家の名が刻印されています。

regata2.jpg【Photo】ヨットで使われる部品「シャックル」や、3つ打ちロープなど、海を連想させるREGATAモデル866110のパーツ使い。イタリアらしい遊び心を感じる(右写真)

 第二次世界大戦が終結した1945年、ミラノ郊外の小さな町、Gorla Minoreゴルラ・ミノーレでボンファンティ夫妻が創業した「BONFANTI Borse s.r.l. ボンファンティ・ボルセ」。現在はボンファンティ家三代目、マーケティング担当の兄アンドレア、デザイン担当の妹アンナのコンビが家業を受け継いでいます。

 ボールドなボーダー柄のバッグがブランドイメージとなるボンファンティは、春夏のコットン製キャンバス地、秋冬物のウール製フェルト地など特徴的なファブリック使いにも定評があります。

 有名ブランドの多くが、生産拠点を賃金の低い国外に移す中、ボンファンティは創業の地ゴルラ・ミノーレの自社工房での生産を貫いています。熟練のアルティジャーノ(=職人)の手による確かな縫製など、高い次元でデザイン性と品質を両立させているにもかかわらず、比較的リーズナブルな価格も魅力。

regata1.jpg【Photo】MADE IN ITALYの刻印がされた内ポケットのブランドタグ

 庄イタが一目惚れした今年の春夏モデル「REGATAレガッタ866110」は、ヨットの帆に使われるオフホワイトの薄いセイル生地のマリンテイスト溢れるプリント柄と、上質な皮革とのカラーリングが絶妙。Bianchiでの移動に必須となるブルーのストラップにはウオッシュ加工が施されており、ユーズド加工されたセイル生地の少しかすれ気味のプリントともマッチ。

 風を受けて海原を駆けるヨットに使われるだけあって、軽量なセイル生地は実用に耐える強度も確保されています。ヨットのシャックルや、3つ打ちロープを思わせるパーツ使いは遊び心もあり、そこもまた気に入ったポイントでもあります。

 用途は夏に限定されますが、オンオフを問わず活躍してくれることでしょう。

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