あるもの探しの旅

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秋点描2014 福島・吾妻連峰

 興味・関心が赴くまま、"狭くディープに"をポリシーに綴る「Viaggio al Mondo~あるもん探しの旅」。今回は珍しく写真メーンのビジュアル系の内容です。

色彩溢れる季節。 うつくしま ふくしまPART1
@磐梯吾妻スカイライン編

 標高の高い山からは初冠雪の便りが届くようになり、季節が日本列島を北から南へ急ぎ足で駆け下っています。山肌が色付く季節の移ろいと福島の美味を求め、紅葉の見頃を迎えた吾妻連峰から裏磐梯エリアまで足を延ばしてきました。

 東北自動車道の福島飯坂ICを下車。目指すは観光果樹園の店頭に和ナシと一緒にリンゴが並び始め、秋の深まりを感じるフルーツラインの先に続く山岳観光道路「磐梯吾妻スカイライン」。

azuma-1.jpg【Photo】彩り豊かな季節を迎えた磐梯吾妻スカイラインの紅葉。庄イタが訪れた12日から1週間を経た現在、「浄土平」と「双竜の辻」付近はすでに落葉。「天狗の庭」や「天風境」が色あせ始め。見頃は高湯温泉周辺と吾妻スキー場周辺〈click to enlage

そこは作家・井上靖が命名した景勝地「吾妻八景」をはじめとする太古からの火山活動が創り上げたダイナミックで変化に富む展望が開ける風光明媚な観光ルートです。

azuma-3.jpg【Photo】視界の利かない雲を抜けると、季節の贈り物の素晴らしい光景が待っていた吾妻八景のひとつ「天狗の庭」。正面奥が吾妻小富士の北斜面〈click to enlage

 磐梯吾妻スカイラインは、東日本大震災が発生した2011年から、風評対策として時限措置的に無料開放されてきました。昨年7月からは近郊の有料道路「磐梯吾妻レークライン」「磐梯山ゴールドライン」ともども、恒久的な無料開放に移行しています。
 
azuma-2.jpg【Photo】天狗の庭から振り返る景勝地・吾妻八景「つばくろ谷」や「白樺の峰」は雲海の中〈click to enlage

 全長29kmの磐梯吾妻スカイライン沿道と近郊には、土湯・高湯・飯坂など、多くの温泉地や果樹園が点在します。「日本の道100選」に選ばれる福島を代表する観光道路だけに、紅葉の見ごろを迎え、好天に恵まれた10月12日(日)は、休日とあって関東圏を含む数多くの自動車やバイクで賑わっていました。

azuma-4.jpg【Photo】火山性ガスや土壌の影響で岩肌がむき出しの一切経山。浄土平へと向かう磐梯吾妻スカイライン〈click to enlage

 最高地点が標高1,620mを通る山岳道路には、前日猪苗代で開催された「CYCLE AID JAPAN 2014 in 郡山 ツール・ド・猪苗代湖」の参加者と思われる本格的なロードバイクで駆るタフなヒルクライマーの姿もちらほら。

azuma-5.jpg【Photo】紅葉の盛りを迎えた「天風境」。高山(たかやま)の中腹、切り立った岩肌を流れ落ちる「幕滝」をお見逃しなく〈click to enlage

 標高750mの高原地帯に乳白色の硫黄泉が湧く高湯温泉を過ぎた頃から、次第に山岳特有のガスがかかり、視界が遮られてきました。北から南へ蔵王連峰と福島盆地、霊山から安達太良までの展望が眼下に開けるはずの吾妻八景「白樺の峰」と「つばくろ谷」は文字通りの五里霧中。

 それが吾妻小富士(1707m)の北斜面と浄土平を見上げる吾妻八景「天狗の庭」の手前で、天上界へと至ったかのように眼下に雲海が広がる素晴らしい視界が開けてきたのです。

azuma-6.jpg【Photo】紅葉の盛りを迎えた「磐梯吾妻スカイライン」。色付いた木々が葉を落とし、山が冬の装いに変わる11月中旬には冬季閉鎖となり、長い冬籠りを迎える。森羅万象、美しさは時に移ろいやすく、そして儚い

 ビジターセンターやレストハウスが整備された天上界ならぬ吾妻八景「浄土平」から吾妻小富士の噴火口までは徒歩で10分弱の道のり。対峙する一切経山(1949m)の山肌からは白い噴煙が上ってゆきます。荒々しい岩肌をさらすカルデラにあるレストハウス前の浄土平駐車場を過ぎると、それまでの茜色と黄色を基調とする錦絵の世界が、アオモリトドマツや植生の北限となるシラビソなどの緑豊かな針葉樹林帯となります。

azuma-7.jpg【Photo】なだらかな稜線を描く安達太良山(写真左)の上には、智恵子抄に登場する「ほんとうの空」がどこまでも続いていた。吾妻八景「双竜の辻」より〈click to enlage

 ほどなく左手にはなだらかな稜線の安達太良、右手には爆裂噴火が残した鋭角的なシルエットの裏磐梯の大パノラマが展開する「双竜の辻」に。本来は磐梯山の左手に猪苗代湖と右手には桧原湖や小野川湖など、裏磐梯の湖沼群が眺められるはずですが、雲のヴェールに覆われていたのでした。

azuma-8.jpg【Photo】作家・井上靖は、安達太良山と磐梯山を相対する二頭の竜に見たてて、この地を「双竜の辻」と命名した〈click to enlage

 それでも高村智恵子が東京では決して見る事が出来ないと嘆いた「ほんとうの空」と峰々が描く青のグラデーションが遥か地平まで続く素晴らしい眺望と出合うことができました。

azuma-9.jpg【Photo】1888年(明治21)の大噴火による山体崩壊の痕跡が認められる磐梯山。本来ならば磐梯山を挟んで左手奥には猪苗代湖が、右手前に見える秋元湖と並んで桧原湖や五色沼などの湖沼群が遠望される景勝地「双竜の辻」〈click to enlage

 渓谷から高山(たかやま/1805m)へと吹き抜ける風が、あたかも天翔るようだと井上靖が命名した「天風境」では、再び錦綾なす秋の色どりを愛でることができました。

 1960年代に流行した昭和歌謡風に表現すれば、♪森と泉に囲まれたブルー・ブルー・ブルー・・・な後半、「秋点描2014@裏磐梯~色彩溢れる季節。 うつくしま ふくしまPART2@裏磐梯・五色沼編」に続く。
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