あるもの探しの旅

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駅弁? 空弁? いいえ「道弁」です。

「みちのく潮風トレイル」の道連れには道弁を


shiokazetrail_press1.jpg 11月1日(土)、まさに〝雨降って地固まる〟空模様のもと行われた「みちのく潮風トレイル」のキックオフイベント「みちのく潮風トレイルフェスティバル! in 石巻・女川」。会場は宮城県石巻市中瀬の石ノ森萬画館に隣接した特設テントです。

 セレモニーの冒頭、みちのく潮風トレイルのうたが披露された会場には、東日本大震災の発生直後に山形市の東北芸術工科大の学生が立ち上げた復興ボランティア組織、「福興会議」のメンバーが核となり、全国から集結した大学生によるプロジェクト「あるいて、つないで、みちになる」に参加した3人の姿がありました。

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【Photo】全国から参加した大学生が、みちのく潮風トレイルを踏破するプロジェクト「あるいて、つないで、みちになる」23日間の行程を通して、メンバーが感じたままの印象を詳細に綴ったフリーペーパーの一部(上・右) 画像拡大可〈click to enlarge

 これは8月20日~9月11日までの23日間をかけて、青森県八戸市と福島県相馬市を南北の起点に岩手県大船渡市恋し浜で合流すべく、みちのく潮風トレイルを二手に分かれ1チーム4名で350kmを踏破するというもの。参加メンバーが行程で感じたことを日記風にまとめたフリーペーパーには、みちのく潮風トレイルを旅した記録がびっしりと記されています。

arahama_sendai2011.3.24.jpg【Photo】震災発生の翌朝、200から300のご遺体が海岸で発見されたという一報が駆け巡った仙台市若林区荒浜で2011年3月25日に撮影した1枚。屋上に避難した住民が助かった4階建ての荒浜小学校が原形をとどめる以外、基礎だけを残して流失した住宅の残骸が累々と続く。仙台市はともに震災遺構として保存する意向。彼方に遠望する仙台の街並みとのコントラストは、現在も固定化されたまま〈click to enlage

 家族や家財産を津波に持って行かれ、喪失感に苛(さいな)まれながらも、大いなる恵みをもたらす海から離れずに暮らす人たち。目の当たりにして言葉を失った南三陸町防災庁舎石巻市立大川小学校。そうした震災の痕跡や自分と向き合いながら一歩づつ歩みを進めた先々で、五感で感じ取ったままが切々と語られます。

arahama-sendai_2013.jpg【Photo】仙台市若林区荒浜に建立された荒浜慈聖観音は、この地を襲った9mの津波と同じ高さ。黒御影石に刻まれた荒浜地区の犠牲者190人の名前と年齢を凝視していた庄イタに、木製の慰霊塔に手を合わせていた年配の男性が「どちらからいらしたのですか?」と声をかけてきた。仙台市内のみなし仮設にお住まいというその男性は、私と同じ年齢のご子息を津波で亡くされたという。合掌(上写真)

 「日頃は仙台で暮らしており、ほとんどが初めて訪れる場所を自分の足で歩き、津波の痕跡が色濃く残る地域の実相に肌身で触れた体験は、得がたい財産になった」とは、相馬市を起点に北上する4人チームのリーダー格として参加した東北芸術工科大3年小松大知さん(仙台市出身)のコメント。

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 9月に開催された「ツール・ド・東北2014」で、キャロライン・ケネディ駐日米国大使など、出走者から「美味しい~❤」と大好評を博したサンマつみれ・木綿豆腐・長ネギ入りの郷土料理「女川汁」がセレモニー会場で振舞われました。

 そして試食販売ブースでお披露目されたのが、潮風トレイルのコースとなる石巻市や女川町の海の幸を使った3つのご当地弁当、名付けて「道弁」。お弁当とはいうものの、歩いて食することができるよう、中身は地元の具材を用いたおむすびが主役。女川町で寿司店併設の鮮魚店を再開した親子や、石巻市雄勝、同鮎川の漁師のお母さんたちが、地元の味をおにぎりに仕上げました。

 道弁のプロデュースには、「東北食べる通信」を創刊し、2014年度グッドデザイン金賞を受賞したNPO法人「東北開墾」が当たっており、セレモニー会場では代表理事を務める高橋博之氏が、食を通じた新しいコミュニティづくりと題するディスカッションに参加していました。

package-michiben.jpg 道弁のパッケージ(上写真)は、被災からの再起を目指す作り手の営みと産地MAPの紹介リーフレットを兼ねています。道弁を手にした人が、そこを訪れ、交流することで、食材の作り手と食する人とのご縁を繋ぎ、結ぶ媒介役を果たして欲しいという願いが込められているのですね。

 インターネットの普及で、情報を得ることは、いとも容易になりました。しかし、文字面や映像といったうわべの知識だけでは見えてこない作り手の想いや、産地の風土・文化に直接触れることで、初めて気づくことがあるはず。それが何よりの味付けとなり、人の命を支える食べ物の作り手への敬意や、食材への感謝に結びつくことを、庄イタもViaggio al Mondoを介してお伝えしてきました。

 以下、道弁のラインナップをご紹介します。まずは道弁エントリー番号1番、石巻市雄勝地区の行政区長が推薦した選抜女性メンバーで結成された「おがつスターズ」から。浜言葉で「人たち」を意味する「すたず」とスターズの秀逸な掛け言葉(笑)。

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【Photo】(写真左から)宮城で最もホタテ養殖が盛んな雄勝。水揚げしたての大ぶりな帆立貝を煮込んで一晩味を染ませ、炊き込みご飯にした看板メニューの「ホタテ」。活アナゴを天ぷらにしただけの素材の味が引き立つ「アナゴの天むす」。雄勝湾や追波湾の昆布を乾燥後、荒削りしたとろろ昆布で塩むすびをふんわり包み込んだ「とろろ昆布いずれも画像拡大可〈click to enlarge


 道弁エントリー番号2番、女川町小乗浜「おかせい」。女川で70年近く続く水産物加工卸会社。加工場や売り場を流失し、避難所暮らしの中で口にした寿司の味に発奮した兄が卸し担当、弟が小売担当となり、ふさぎ込んでいた父の背中を押す形で震災から7カ月後に寿司や海鮮丼を提供する寿司店を開業。

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【Photo】(写真左から)脂が乗って肉厚と築地の仲買人から指名買いが入る宮城産アナゴ煮を甘辛く味付けした「アナゴ煮」。おかあさんたちが殻むきし味付けしたホヤと紫蘇の香りが酢飯とベストマッチする「ホヤとしそ」。志津川に代表されるアワビを食した三陸のタコは、明石と並び称される逸品。「おかせい」の看板商品「たこめしの素」にも用いる煮付けたタコがたっぷり入った「タコ 画像拡大可〈click to enlarge


 道弁エントリー番号3番、石巻市鮎川「ぼっぽら」。牡鹿半島の先端部にある鮎川は、捕鯨の一大拠点だった。牡鹿の方言で「急に、備えなしに」を意味する「ぼっぽら」という名のお弁当屋を2012年7月に立ち上げたお母さんたちが、クジラやホヤを使った弁当を注文に応じて手作りする。

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【Photo】(写真左から)金華山沖は黒潮と親潮が出合う世界三大漁場。リアス式の入り組んだ地形が複雑な潮流を生み、肉厚のワカメが養殖される。冬に種付けして春には収穫できるため、浜復活に向けた第一歩となった磯の香が広がる「ワカメ」。近海で捕獲されたクジラを余すところなく使うのが、ニッポンの鯨食文化。種類によって食べ方を変える鮎川のお母さんがお薦め「ツチクジラのつくだ煮」。国内生産高の9割を占める宮城の養殖ギンザケ。脂が乗ったギンザケとベストマッチな海苔を巻いた「焼きギンザケ 画像拡大可〈click to enlarge
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 米どころ宮城ならではの冷めてもなお美味しいご飯のお味は、宮城の観光PRキャラクター「むすび丸」も太鼓判。さて、あなたはどの道弁を、みちのく潮風トレイルを巡る旅の道連れになさいますか?
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みちのく潮風トレイル
 URL: http://www.tohoku-trail.go.jp/

おがつスターズ
 住:宮城県石巻市雄勝町雄勝字伊勢畑24
 Phone:080-8221-1430
 営:電話での注文に応じて弁当販売、ケータリングに対応 不定休
 URL: https://www.facebook.com/ogatsustars
 メニュー:旬の素材を使ったお弁当 (例:ホタテご飯500円)

おかせい
 住:宮城県牡鹿郡女川町小乗浜字小乗115
 Phone:0225-53-2739
 営:11:00-16:00(鮮魚販売は8:00-17:00) 水曜定休
 URL: http://www.rakuten.co.jp/okasei/
 メニュー:寿司・海鮮丼ほか魚介料理(例:特撰女川丼2500円)

ぼっぽら食堂
 住:宮城県石巻市鮎川浜北18-4
 Phone:080-2816-1389
 営:11:00-13:00(売り切れ次第終了) 日曜定休 臨時休あり
 URL: http://mermamaid.com/
 メニュー:日替わり弁当500円 ※完全手作りのため当日10:00頃までに電話注文

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