あるもの探しの旅

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色彩の魔術師

北海道や北陸以北の日本海側で大雪となった昨日は冬至。新月と冬至が重なる「朔旦冬至(さくたんとうじ)」は、月と太陽が同じ日に生まれ変わる19年に1度の日。冬来たりなば春遠からじ。サーバ引越しで新規更新ができない情況に見舞われたViaggio al Mondo ~あるもん探しの旅ですが、試行錯誤の末、更新する手立てはつきました。リンクタグが貼れないという制約はあるものの、まずは復活を宣言し、前々回の続編をお届けします。

「レモン色づくアマルフィの海辺」より続き

 サレルノ「Creazioni Luciano s.r.l.クレアツィオーニ・ルチアーノ」で制作される陶板画は、月刊情報誌「Piatto」12月号の読者プレゼントとしてご提供頂いた「POSITANOポジターノ」(下写真)でもお分かりの通り、図柄の浮き立った輪郭の内側に目にも鮮やかな彩色が施されています。

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【Photo】彩色タイルで装飾されたポジターノ「Chiesa di Santa Maria Assuntaサンタ・マリア・アッスンタ教会」のクーポラ(下写真参照)。釉薬を施して焼成した後の仕上がりを想定し、浮き彫りの高低(=型をとる石膏板に刻む溝)で円屋根の文様を表現したクレアツィオーニ・ルチアーノ作「POSITANOポジターノ」(上写真)

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【Photo】9世紀に町が建設され、ヴェネツイア、ジェノヴァ、ピサとともに海洋都市として繁栄したアマルフィ。その中心に建ち10世紀当時の遺構が残るドゥオーモ周辺を淡い色彩を用いマットな仕上がりで細密に再現した「AMALFI DUOMO」(上写真)

 家族経営のクレアツィオーニ・ルチアーノ工房では、兄ルチアーノはマネジメント、弟ロベルトがデザインを担当。風景を題材とする作品では、キュビズムの影響を感じつつも、カラフルでキュートな先代ランベルトの作風(下写真)と、より具象的なロベルトの作品とでは、親子でも個性が異なります。

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 絵柄のモチーフは前編で登場したレモンや風景・町並みのほか、ポンペイでモザイクが発掘された絵柄そのままの〝猛犬注意〟、ギリシャ神話に登場する12星座の意匠、ロッビア工房の作風を彷彿とさせる宗教上の題材など、多岐に渡ります。

 今夏、仙台市青葉区一番町の情報ステーション「仙台なびっく」に期間限定でクレアツィオーニ・ルチアーノ工房の作品を取り扱う「ベスト・オブ・サレルノ」がチャリティ出店しました。サレルノ在住で同店を運営する株式会社繋(けい)代表を務める藤原佳代さん(仙台市出身)がルチアーノ社に制作を依頼したのが、この「SENDAI」。

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【Photo】仙台の夏を彩る七夕飾りをデザイン化した作品「SENDAI」は、津波で親を亡くした震災遺児の支援に売り上げが寄付される

 この和洋折衷な作品を語るとき、避けては通れないのが1980年に南イタリアで発生したイルピニア地震です。同年11月23日午後7時35分、カンパーニャ州アヴェリーノ県イルピニア地方を震源とするマグニチュード6.9の大地震が発生(下図参照)。90秒続いた強い揺れで震源に近いアヴェリーノ県・サレルノ県・ポテンザ県では多くの建物が倒壊。20万人以上が家を失い、第二次大戦後のイタリアでは最悪となる2,914名が犠牲となりました。 Terremoto_irpinia1980_shakemap.jpg

 現在クレアツィオーニ・ルチアーノ工房の社長を務めるルチアーノ・タスタルディさんは当時18歳。東日本大震災の映像は、31年前にサレルノを襲った悲劇の記憶を呼び起こしました。藤原さんから相談を持ちかけられたルチアーノ氏にとって、サレルノからできる支援の一つのかたちが、岩手・宮城・福島の被災3県で1,724名にのぼる津波で親を亡くした震災遺児の支援に売り上げを役立ててもらおうと制作したこの作品だったのです。

 こちらはロベルト・タスタルディさんが「SENDAI」を制作する模様を収めた動画。作業は石膏板に下絵をトレースし、手作業で溝を刻み、基盤を作成します。前述のサンタ・マリア・アッスンタ教会のクーポラに見るように、溝の深さや幅は、輪郭と模様を表現する場合とでは異なります。


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 イタリアの観光地にある土産物店では、ご覧のような中国製のコピー商品(右写真)を置いているケースがあります。こうしたまがい物は、手彫りする溝の太さにムラや曲がりがあり、色が入り混じるなど彩色も粗雑。熟練の職人が作業にあたるルチアーノ工房の作品と比べると、仕上がりの落差は一目瞭然なのがお分かり頂けるかと思います。

 石膏の基盤に粘土を圧着し、厚さ8mmほどの絵柄の型をとります。次に原版を1050℃で素焼きします。凸状の輪郭で囲まれた内側にエナメル染料や色ガラスを鮮やかな手つきで流し込み、釉薬を表面に吹きかけて950℃で再焼成すると、色鮮やかな世界に1枚だけの陶板画が完成です。

 今回、サーバ移行に伴う不調により、後編のアップが10日ほど遅れました。リンク先のタグ付けができない歯がゆい状況は変わっておりませんが、何とかお約束は果たした格好です。

 ルチアーノ社の陶板画以外にも、前回ご紹介のセレクトショップ「ベスト・オブ・サレルノ」では、サレルノ発の食品も取扱っています。予定より遅れることは、南イタリアでは日常茶飯事ですが(苦笑)、お詫びとして次回はオイシイ番外編をお届けします。

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Creazioni Luciano s.r.l.
・Ufficio(本社):via G. Pastore,26 Località Cupa Siglia 84131-Salerno(SA)ITALIA Phone: +39.089.384.944 Fax: +39.089.893.856.710
・Negozio (ショップ):Vicolo della Neve 34/36-Salerno(SA)ITALIA Phone:+39.089.296.1469
URL: http://www.creazioniluciano.com/it
E-mail: info@creazioniluciano.com baner_decobanner.gif

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