あるもの探しの旅

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日本海寒鱈まつり2015@鶴岡〈後編〉

《前編「1年ぶりの湯田川温泉」より続き》

あの人もこの人も、あれもこれも、お久しぶりね~
5年ぶりの寒鱈まつり

 前編で述べた通り、「日本海寒鱈まつり」前夜の1月17日(土)は、鶴岡の奥座敷こと湯田川温泉に宿泊しました。そのため特設会場となる鶴岡銀座商店街には、10時30分の開始後間もない11時前に余裕をもって無事到着。

festa-kandara2015.jpg【Photo】作曲家の中田喜直が「雪の降るまちを」の着想を得たとされる鶴岡。目抜き通りの銀座通り商店街に雪が舞う。寒鱈まつりにふさわしく、底冷えする(あいにくの?)吹雪交じりの空模様のもとで開催された第27回鶴岡日本海寒鱈まつり会場

 酒田中町通りでは28年前、鶴岡銀座通りでは27年前から冬の観光行事として開催されている寒鱈まつり。鶴岡市由良や、現在は鶴岡市に編入された旧温海町道の駅「しゃりん」、遊佐町「鱈ふくまつり」など、寒の季節に庄内各地で開催されるこの催しには、毎年多くの人が訪れます。
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【Photo】庄内浜に揚がる海産物の旬と美味しさ、調理法、さばき方など、庄内ならではの魚食文化に関する啓発を行う「庄内浜文化伝道師」でもある「魚神」上林榮孝社長が、寒鱈汁を味噌で味付け。第27回鶴岡日本海寒鱈まつり会場にて

 庄内浜では、産卵を控えた寒の時季に水揚げされる真ダラを寒ダラと呼び、とりわけ珍重します。白子が入った10kgクラスのオスで、魚体へのダメージが少ない延縄漁による釣り物ならば、軽く1万越えは確実。漁獲量が多い底引き網漁物ですら、1万円近くの高値を呼びます。

 そんな寒ダラが千両役者ぶりを発揮する庄内地方の郷土料理が「どんがら汁寒鱈汁)」です。

 身(胴)とガラ(アラ)を全て使い切るどんがら汁には、豆腐やダイコンなどの脇役を入れる派・入れない派、味付けが味噌だけ派・酒粕を加える派など、家ごと異なる流儀と味があります。同様に寒鱈まつりでも店ごと味付けが異なるため、会場内で食べ歩きできるのが最大の魅力。

 今回、庄イタが寒鱈まつりを訪れたのは5年ぶり。魚市場青年部、鮨商組合、麺類食堂組合などの常連に交じって新規参入組も加わり、今年は全14団体が参加。燃料費の高騰や消費増税を受け、鱈汁は1杯600円となりましたが、催しを主催した鶴岡銀座商店街振興組合・日本海寒鱈まつり実行委員会によれば、およそ2万人が訪れたといいます。

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【Photo】 一昨年、鮮魚店の2/3ほどを和食処として改装する以前の「魚神」本店では、土日休日限定でアラ汁を無料で提供していた(上右写真。現在は休止)。ガラから滲み出した旨味たっぷりの醤油仕立てのアラ汁の旨かったのなんの...( º﹃º` )。
 遠~いその味の記憶を頼りに、行列に並んだ魚神が鶴岡郵便局と共同出店したテント裏には、地物の証である由良漁港に水揚げした船名とオス・メスの違い、魚体の重量を記した保冷箱が山積み(上左写真)

tsuruoka-kandara-matsuri2014.jpg【Photo】鍋から立ち上る湯気とともに、鱈汁の香りが鶴岡銀座通りを包み込む(画像提供:鶴岡市食文化推進室)

 27回目の開催を迎え、庄イタのようなリピーターが少なからず存在するこの催し。行列で隣り合わせたのは、毎年のように訪れているという仙台の女性グループ。世界一のクラゲ展示で人気の加茂水族館と寒鱈まつりをカップリングし、今年も昨年同様にバス4台を仕立てた河北新報トラベルのツアー参加者でした。

 この日も貸切桧風呂で朝湯を満喫した湯田川温泉ますや旅館では、食べる量をセーブし、早めに朝食を済ませていました。それでも会場に到着した11時時点での空腹感は、ほぼ皆無(笑)。

 そこで腹ごなしを兼ねて、まずは南北に450mほどの寒鱈まつり会場をぐるりと一巡。これは目当ての団体の出店ブースの行列の出来具合をチェックするためでもあります。

 リピーターが多いということは、出店者それぞれに異なる味付けとの再会を心待ちにしているファンがいるということ。長い行列は人気度のバロメーターと見ることもできるでしょう。

 時折激しく雪が舞う鶴岡銀座商店街通りには、テント張りの店がズラ~リ。鱈汁のおいしそうな香りが鼻腔をくすぐると、それまでの満腹感がたちまちにして雲散霧消。食欲スイッチオン!!

uoshin-dongara2-2015.jpg【Photo】鍋から立ち上る湯気に乗って漂ってくるどんがら汁の香りが激しく食欲をそそる(上写真)。底冷えする鶴岡銀座通りにできた行列に並ぶ人々の熱い目線は鍋にくぎ付け(下写真)。

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 寒鱈汁の基本は味噌ベース。酒粕がきいたパンチのある味付けが例年なされる鶴岡銀座商店街婦人会は2杯目に回す戦法で臨んだ今年。寒鱈汁のゆうパックを冬季限定で取り扱う鶴岡郵便局が、鮮魚店兼和食処「魚神(うおしん)」と共同で出店するテントをまずは目指しました。

 魚神は、山形道・鶴岡IC近くに2店舗を構える鮮魚店で、由良漁港直送の海産物を中心に扱っています。庄内観光物産館内の店にほど近い淀川町にある本店は、和食処メインの店舗として一昨年リニューアル。

festa4-kandara2015.jpg【Photo】魚神の神林社長が自ら味付けした寒鱈汁。ご覧の通り、たっぷりのガラから滲み出たコクと旨味に天然岩ノリの磯の香りが加わり、期待通りのそれはそれは結構な一杯

 改装前の魚神本店で、週末限定で振る舞われていたのが、ガラがたっぷりと入った醤油仕立てのアラ汁。それは魚を扱うプロとしての心意気を示して余りある忘れ難い逸品でした(現在は提供休止)。無料サービスでも決して手を抜かないアラ汁の記憶が、庄イタをして、その行列へと導いたのです。

festa5-kandara2015.jpg【Photo】お久しぶりね~♪ 鶴岡銀座商店街婦人会のお母さんたちお手製のどんがら汁は、5年ぶりの滋味深い母なる味

 果たせるかな、それは産卵を控えて養分を蓄えたアブラワタなどのガラから滲み出たコクが、味噌の風味と絡んで、まさに王道を行くどんがら汁。1杯目の余勢を駆って向かったのは、毎回必ず完食している鶴岡銀座商店街婦人会のブースです。

festa6-kandara2015.jpg【Photo】鶴岡銀座商店街婦人会の寒鱈汁。酒粕のきき具合は例年通り。盛りを含めて今回は少しお上品な仕上がりだったかも

 2杯目の鶴岡銀座商店街婦人会は、観光客向けに万人受けするよう、今年はソフィストケイトされた印象。気持ち的には、もう一杯食したいところでしたが、真ダラのようなお腹周りになりかねません。ますや旅館で食した前夜分を含め、タイプの異なる寒鱈汁3杯を食し、ドンもガラも 身も心も満たされて会場を後にしました。

 冬来たりなば春遠からじ。国内有数の渡り鳥の越冬地である宮城県北の伊豆沼周辺では、例年より1週間早くオオハクチョウやマガンの北帰行が始まりました。最上川河口周辺でも、間もなくハクチョウたちがシベリアに向けて旅立つことでしょう。

 明日から弥生3月。西回り航路の表玄関だった江戸期の繁栄ぶりを窺わせる壮麗な時代雛が、庄内で独自の発展を遂げた雛菓子とともに出迎えてくれる「日本海ひな街道」が、先行した酒田に続き、鶴岡ほか各地で始まります。


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