あるもの探しの旅

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2015/05/24

神通力ふたたび!? 鶴岡 後編

東京八丁堀・てんぷら小野@山形 鶴岡・井上農場

「神通力ふたたび!? 鶴岡 前編」より続き

 
「それにしても凄いタイミングで姿を現すね~。
 これから志村さんが、ここで天麩羅を揚げてくれるから、一緒にどう?

 鶴岡市街から北上して酒田を目指したはずが、突如気が変わって車を乗り付けた「井上農場」。小松菜を栽培するビニールハウス前に建つ交流施設「i 庵銘田(アイアンメイデン)」を掃除中だったご主人、井上馨さんの言葉通り、それはまさに千載一遇の機会だったのです。

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【Photo】収穫したトマトを手に交流施設「i 庵銘田」に集った井上ファミリー(全員にはあらず)。安全で美味しく健やかな未来を託す心強い担い手の皆さん

 井上農場をノーアポで訪れる場合、ご自宅を経由することなくビニールハウスに向かうことは、田植えや稲刈りの時季を除けば、まずありません。ところが、この日に限っては農場へ直行。するとそこで八丁堀「てんぷら小野」2代目、志村幸一郎さんが、井上家の皆さんのために天麩羅を揚げるというではありませんかっ!!!

 諸状況の変化により、震災後は鶴岡を訪れる頻度がめっきり減っている庄イタではありますが、志村さんの天麩羅を井上農場で頂いた経験は、過去にもありました。

Inoue_tenpura2012.7.jpg【Photo】2011年7月。井上農場で催されたガーデン天ぷらパーティのひとこま。仙台から両親と共に参加した中学生を相手に、堪能な英語を駆使してHow to cook delicious TEMPRAの極意をレクチャーする「てんぷら小野」2代目志村幸一郎さん

 最初は2011年(平成23)7月末。同年3月の震災発生で混乱を極め、その年初めて鶴岡を訪れる契機を作って下さったのが、井上さんでした。井上農場に志村さんをお招きして催すガーデン天ぷらパーティに誘っていただいたのです。

 それは井上さんが実践してきた〝顔の見える関係作り〟のための農業生産者と都市生活者の交流を目的に2013年4月に完成した交流施設の建設に向けて動き出していた頃のこと。会場は現在16棟あるビニールハウスの一角に資材やトラクターを置いているスペース。そこで志村さんが天麩羅を揚げるという趣向でした。

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【Photo】2011年7月。井上農場で催されたガーデン天ぷらパーティ用に持参した岩ガキを身剥きするヤマガタサンダンデロの土田学シェフ(上左写真)。 今も思い出すだにヨダレがジワ~っと滲み出すのは、志村さんがサックリ&ジューシーに揚げたこの岩ガキの天ぷら((上右写真) 八丁堀「てんぷら小野」では、細やかな気遣いの行き届いた天ぷらコースを堪能できる(下右写真)

shimura-hachobori_ono.jpg  日盛りの熱気が残る中、サクサク揚げたての熱々に舌鼓を打ったのは、鶴岡に帰省中だった「ヤマガタサンダンデロ」土田学シェフが剥き身にした旬の岩ガキ、井上農場の圃場を流れる農業用水路で捕獲し、汁物としてもこの日登場した活ドジョウ、生命力漲る庄内の夏野菜などなど。

 かねがね井上さんから噂には聞いていた八丁堀のお店にもその後お邪魔し、対面式カウンター席で頂く志村さんの細やかな気遣いが行き届いた天麩羅コースを堪能した翌年夏。再びお声掛け頂いた井上さんには早々に参加表明をし、勇んで鶴岡へと赴きました。

 会場となった井上農場のライスセンターに揃った顔ぶれは、鯉川酒造の佐藤一良代表、青嵐舎の篠清久さん育さん夫妻〈拙稿:2010.10「豊穣なる山の恵み」参照〉、雑誌クロワッサンで2007年から翌年にかけて28回の庄内の食にまつわる連載を担当した編集者の斎藤理子さんら。ところが、その中に肝心の志村幸一郎さんの姿はありません。

tempra_fes2012inoue.jpg【Photo】2012年8月。井上農場のライスセンターで開催された2回目。会の趣旨は〝天ぷらまつり@井上農場supported by Tempra Ono〟だったはずが、よもやの熱中症の発症により2代目は不在。そこで「Oh,No!」と叫ばずとも済んだのは、ヤマガタサンダンデロ 土田シェフ、東京駅グランスタ Yudero191 小林シェフらが急遽登板したがゆえ

 ひとりいらした奥様の志村茜さん(上写真右から2人目)によれば、鶴岡を訪れる前日、あろうことかご主人が熱中症を発症。大事には至らなかったものの、2代目の天麩羅はお預けとなる想定外の展開となったのです。そこで強力なピンチヒッターとして土田シェフが再び登場。人間万事塞翁が馬。

1-tomato3.jpg【Photo】井上農場の夏は樹熟トマトの旬。中玉トマトの収穫を行う代表井上馨さん、奥様の悦さん、長女佳奈子さん(写真左より)

 その後リベンジを果たすべく、八丁堀のお店に2度ほど伺ったのですが、i庵銘田のお披露目会など、井上農場で志村さんの天麩羅を頂く機会には、都合が折り合わず参加できずにいました。そこに巡ってきた願ってもない機会。日帰りで仙台に戻る予定は即刻変更。急きょお仲間に加えて頂き、会場となる交流施設に一泊することにしました。

 一宿一飯の恩義をお返しするためにも、これまでも幾度となくViaggio al Mondo-あるもん探しの旅でご紹介してきた井上農場について、改めてご紹介しましょう。

 〝家族に食べさせたい安全な農作物〟を理念に掲げる井上さん。月山3合目に源流を発し、修験者が水垢離をする祓川が、京田川と呼び名が変わってもなお生活排水の影響を受けない上流域の養分豊富な雪解け水を農業用水として使用します。土作りのために鹿児島から取り寄せるのが、JAS有機認証基準に沿った抗生物質を不投与の発酵鶏糞や有機肥料。

1-oyako.jpg【Photo】庄内平野が黄金色に染まる秋。井上農場では新米の収穫に忙しい季節。井上馨さんを挟んで、長男貴利さんと奥様

 慣行栽培の1/4以下に使用を抑えた除草剤などの農薬を極力使用せず、サトウキビの糖蜜や自然由来の有機肥料を葉面に散布するなど、〝食べた人が幸せを感じる〟ための手間を惜しみません。安全でおいしい農産物の生産に取り組んできた井上さんは、2011年に農林水産大臣賞を授与され、同年の山形県ベストアグリ賞にも輝いています。

1-kakouhin.jpg【Photo】〝家族に食べさせたい〟をコンセプトに作られる井上農場のお米と農産加工品の一部(上写真)。樹上で完熟してから収穫するトマトは大玉・中玉・ミニトマト各種を栽培(下写真は凝縮した酸味と甘味のバランスがよい品種ハニーエンジェル)。旬の美味しさをそのまま密封したレトルトパックやドライトマトにも加工する

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 そうして丹精込めて育てられる井上農場のお米は、(コシヒカリの数値を基準とする食味計や味度計で足切りを行うため、受賞銘柄がコシヒカリに偏在する傾向が顕著なコメ食味コンクールが、お米の美味しさの絶対評価だとは微塵も思わないことを前置きした上で)これまで「お米日本一コンテストinしずおか」や「東京〝粋な〟ごはんグランプリ」などで数々の栄誉に浴しています。

 こうしたコンテスト受賞米の多くは、精米5キロで5,000円以上の価格設定がなされます。井上農場のお米と出合った2003年(平成15)以降、価格は変動せず、我が家の定番となった「はえぬき」や「ひとめぼれ」は5キロ2,500円、「つや姫」や「コシヒカリ」でも3,000円台。昨今の消費低迷とコメ余りのスパイラルにより、生産者米価が低迷しています。いかなる時代にあっても、命を支える食料を作る人と食べる人が互いに支え合い、ともに顔が見える信頼に裏打ちされた関係性に勝る絆はありません。

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【Photo】昨年8月半ば、お米を購入するため井上さん宅へ伺うと、「ハイ、お土産❤」と佳奈子さんからお米と一緒に手渡されたのが、イチゴ箱入り樹熟トマト3種てんこ盛り詰め合わせ。ミニトマト「ラブリー藍」、薄皮で食べやすい「ピンキー」、生食でも極めて美味なれど、加熱すると甘味が増すため、オリーブオイルや少量のニンニクとともにソースにもなる「シシリアンルージュ」。... いつもスミマセン(^0^;

 生産調整(減反)対策で植え付けを始めた飼料用米を含むお米と並ぶ井上農場の屋台骨を支えるのが園芸作物。鶴岡市への合併前、藤島町時代から町を挙げて特産化に取り組んだのが完熟トマトです。井上農場の「樹熟トマト」は、「たかくんの茶豆」名で出荷される枝豆と共に夏の主力となります。前編で触れた小松菜は1年を通して生産しますが、とりわけ肉厚&ジューシーで美味しく感じるのは、ハウスの外が白銀と化す真冬です。

 現在の親子2代による生産体制が固まったのは、庄内農業高校を卒業してすぐの長男・貴利さんが就農した2000年(平成12年)。教師を志すも先代が病に倒れたため、若くして家業を継いだ馨さんが受け継いだ3haの水田を12haに拡大。併せて遠赤外線乾燥機を備えたライスセンターを建設。順次拡大した耕作地は現在30haにまで広がっています。

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【Photo】収穫後すぐに湯むきした樹熟トマトにグラニュー糖と微量のレモン果汁を加え、素材の味を活かしたトマトジャム。8年前に鶴岡旬菓処「福田屋」の協力のもと加工品第一弾として製品化(旧パッケージ・左写真) 昨年から庄内町の鯉川酒造に醸造を委託している井上農場産の特別栽培米つや姫を全量使用した純米吟醸「別嬪(Beppin)うすにごり」(右写真)

 収穫したコメの乾燥には、摂氏60度以上の熱風を循環させるタイプがかつては一般的でした。安心で美味しい農産物を心がける井上さんは、太陽光に含まれる遠赤外線で天日乾燥に近いコメの変質を防ぐ摂氏30度前後で最適な水分量に調整する機能を備えた乾燥機を導入。耕作地の拡大に対応すべく、2011年には、収穫後も品質を損なうことなく玄米を貯蔵できる低温保管施設を建設しました。

 惜し気もなく大吟醸酒を使用する贅沢極まりない「醤油の実」〈2011.6拙稿「銀しゃりには醤油の実のみ」参照〉やトマトジャムなどの加工品は、自家消費と一部顧客向けに出していました。長女の佳奈子さんが家業を本格的に手伝うようになった最近では、チョコレートをコーティングしたつや姫のポン菓子、ドライトマト(⇒イタリアで言うところのPomodori Secchiポモドーリセッキ)、ドライ小松菜、トマトのレトルトパック、甘酒など、六次化による新境地も開拓。

i-an-tempra1.jpg【Photo】井上農場の未来を担う元気いっぱいの子どもたちが見つめる中、i庵銘田で仕事を始めたてんぷら小野の志村幸一郎さんは、国際会議など海外での活動歴が少なくない。いかなる状況下でも見事に仕事を成し遂げることを実証する之図 その1

 そして酒販免許を取得し、昨年から取り組んだのが、仕込みに井上農場産つや姫を使用し、鯉川酒造に醸造を委託した純米吟醸うすにごり別嬪(Beppin)。鯉川酒造には、「スローフードジャパン燗酒コンテスト2014」お値打ち燗酒・熱燗部門で最高金賞受賞に輝いたコストパフォーマンスの高い「純米別嬪」があります。

 蔵元が得意とするぬる燗から常温で旨味が際立たせるコンセプトはそのままに、麹米が山田錦、もろみとなる掛米は雪化粧で精米歩合65%の別嬪とは異なり、Beppinの仕込みには井上農場産つや姫を使用し、うす濁りに仕上げられています。精米歩合50%の吟醸酒ですが、ぬる燗でもイケるのは、大吟醸古酒をフルボディの赤ワインの代役に仕立ててしまう鯉川さんらしいところ。

i-an-tempra2.jpg【Photo】今年の春リニューアルした致道博物館の食事処「汁けっちぁーの」を任された海藤道子さん(写真右)らも途中参加。国際派のMr.Koichiro Shimuraは、いかなる状況下でも見事に仕事を成し遂げることを実証する之図 その2

 ふとした気まぐれで井上農場に立ち寄ったその日、井上馨さんのご好意で同席させて頂いた宴には、Beppinが2本一升瓶で用意されていました。そこにお腹を空かせて勢揃いしたのが、農場の将来を担う内孫6人。中でもこの日を指折り楽しみにしていたのが、年長のここみちゃんでした。

 2年前の春、諸事情により平日の昼に開催されたため、庄イタは参加できなかったi庵銘田のお披露目会に駆けつけた志村夫妻。井上農場の子どもたちに食べてもらう天ぷらを別皿に確保したはずが、参加メンバーの胃袋にいつの間にか収まっていました。

i-an-tempra3.jpg【Photo】すぐ目の前で志村さんが揚げた天ぷらを、勢揃いした井上家の内孫6人が一心不乱に口に運ぶ。この日をとりわけ楽しみにしていたのが、前編で悦さんの近くを離れずにいた頃が懐かしい年長のここみちゃん(写真中央)

 学校から帰宅し、天ぷらがないことを知ったここみちゃんの落胆した表情が忘れられず、別件で鶴岡を訪れることになっていた志村さんが、子どもたちにお腹いっぱい天ぷらを食べてもらうため、この日が実現したのだそう。

 そんな心優しい志村さんが、手際良く天ぷらを揚げる様子を歓声を上げながら興味深そうに見守る子どもたち。大家族ならではの賑やかな宴は、こうして始まりました。ビールで口を潤してからBeppinで乾杯。そうこうするうち次々と揚がってきたのが、志村夫妻が鶴岡で見立てたフキノトウ、タラノメ、アイコといった山の幸。さらには、フグ、スルメイカ、ホタテなどの海の幸。

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【Photo】志村さんがi庵銘田で揚げて下さった天麩羅。ほろ苦くも香味のすがすがしさが口いっぱいに広がるフキノトウ(左写真) タラノメと烏賊(右写真) 

 1本目のBeppinが結構な早さで空こうとする頃、井上家の台所から鍋ごと届いたのが、奥様の悦さんが作って下さった鶴岡の郷土料理「孟宗汁」でした。井上家の孟宗汁を頂くのは、この日が初めて。庄イタが狂喜したことは申すまでもありません。孟宗筍を口にしてこそ、初めて春の訪れを実感するのが庄内人たる所以。

 ザク切りやいちょう切りにした朝採りの孟宗、厚揚げ(庄内では「油揚げ」と呼ぶ)、生椎茸の基本具材3点は外さず、白味噌仕立てにする孟宗汁。豚肉・酒粕の有無など家庭ごとの味が存在します。浅田真央さん流に言えば、メンタリティにおいてイタリアと庄内のハーフハーフである庄イタ宅でも、10年以上作り続けている孟宗汁には、我が家の味が確立しています。 

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【Photo】悦さんが鍋ごと届けて下さった井上家の孟宗汁(右写真)悪魔祓いを意味するScacciadiavoliは、1884年創業のモンテファルコ最古参の醸造所。伝統の地ブドウ「Sagrantinoサグランティーノ」で造られるモンテファルコ・サグランティーノは、知る人ぞ知る高い熟成能力を秘めた逸品(左写真) この夜、偶然の巡りあわせで、お流れを頂く幸運に恵まれたモンテファルコ・ロッソ2012(右写真)

 庄イタにとって棚からボタ餅のご馳走は、志村さんの天麩羅、Beppin、そして井上家の孟宗汁だけではありません。Beppinの横には「Montefalco Rossoモンテファルコ・ロッソ」とエチケッタに記されたヴィーノ・ロッソが鎮座していたのです。産地はイタリア・ウンブリア州ペルージャ県の名醸地モンテファルコゆえ、出元の察しはついていましたが、作り手は初めて目にする日本未上陸の「Colle Mora コッレ・モッラ」。

montefalco-sagrantino.jpg【Photo】長期熟成能力を備えたウンブリアの地ブドウ品種サグランティーノ。「悪魔祓い」を意味するScacciadiavoliのモンテファルコ・サグランティーノ2004は、飲み頃を迎えるまでセラーで熟成中

 井上さんに確認した出元は、カゴの鳥状態の庄イタに「いつでも泊まりに来て」と言ってくれているペルージャ在住のKishieThomasPlacidi夫妻。それはプラチディ夫妻のもとを訪れた共通の知人Fさんに託された井上さんへのお土産でした。モンテファルコにある醸造所では最古参のスカッチャディアヴォリの旗艦Montefalco Sagrantinoモンテファルコ・サグランティーノ2004をトーマスからプレゼントされた経験を持つ庄イタには願ってもない1本です。


 こうして期せずしてイタリアの緑の心臓と呼ばれるウンブリア州にあって、「Torgianoトルジャーノ」と並び称される名醸地のヴィーノ・ロッソのお流れにもありつけるという、4つ目の棚ボタにまで預かった次第。Volere è potere.まさに意志あるところに道は開ける。もはやこの引きの強さを神通力と呼ばずして、何と解釈すればよいのでしょう。

1-DSCF5483-002.jpg いつの間にか志村さんは、長男貴利さんの末娘ひなちゃんを肩車をして、名だたる究極のパフォーマー軍団のステージで登場しても喝采を浴びそうな立ち姿で天ぷらを揚げています(笑)。

 念願がかなってお腹いっぱい天ぷらを食べることができたここみちゃん達が自宅に戻ってからは、悦さんや地区の会合から戻った貴利さんもi庵銘田に合流。互いに信頼を寄せる大人たちの語らいの時は、いつ果てるでもなく夜は更けてゆくのでした。

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井上農場
住:鶴岡市渡前字白山前14
交流施設・ライスセンター所在地:鶴岡市渡前字山道東91
Phone / Fax : 0235-64-2805 (9:00~18:00)
URL:http://www11.ocn.ne.jp/~inoue-fm/
e-mail: order@inoue.farm
i 庵銘田には冷蔵庫や調理設備が一通り揃う。折り畳み式のシングルベッドがあるので、庄イタが震災以降実践しているように車に積み込んだ寝袋があれば、難なく宿泊も可能。(事前に申し出れば貸布団の手配も可)日帰り入浴施設「やまぶし温泉ゆぽか」と庄イタも入浴回数券を持っている「ぽっぽの湯」は、それぞれ車で10分以内の距離。
 何より魅力的なのは立地。i庵銘田は圃場のど真ん中に建つため、夏には生命力に満ちたトマトや畑の野菜を食することが可能。「朝はパン食~♪」なんていう野暮はやめて、井上農場のご飯を食したい。安息日を除いて毎朝行われるスタッフミーティングが行われる現場で味わう食事と時間に、真の豊かさを見い出すはず。なお、宿泊代は馨さんへの心づけとして一升瓶を持参(←庄イタの場合)

てんぷら小野
住:東京都中央区八丁堀2-15-5 第5三神ビル3F
Phone:03-3552-4600  土日祝定休
営:月曜 17:30~21:00L.O.
  火曜~金曜 昼11:30~14:00L.O.  夜17:30~21:00L.O.
URL:http://tempura-ono.com/?lang=ja


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2015/05/10

神通力ふたたび!? 鶴岡 前編

Road to 八丁堀・てんぷら小野@鶴岡

「神通力ふたたび!? 酒田編」より続き

 自動車に革命をもたらすとされ、Googleや内外の各メーカーが開発にしのぎを削る自動運転機能車。その実用化を待つまでもなく、目隠しのままで到着できるなどと大風呂敷は広げません。少なくとも断言できるのが、地図にもカーナビにも頼らずとも、庄内地方には辿り着き、欲するがまま駆け巡れるということです。

 雪解け水で笹濁りの赤川を遡上する「雪代鱒(ゆきしろます)」の別名を持つのがサクラマス。抱卵期ならではのプリプリ&トロトロな練乳さながらの岩ガキや、口細ガレイ、スルメイカが旬を迎えるのは夏の盛り。月光川や洗沢川などに母川回帰し、産卵を終えた鮭が一生を終える頃、最上川河口にはオオハクチョウが越冬のため飛来します。こうして季節が巡るごと、心もお腹も満たされる庄内へと心馳せる庄イタ。

shonaiheiya3751.jpg【Photo】宿坊が門前に並ぶ鶴岡市羽黒町手向(とうげ)付近。狩川方面の東田川から最上川を挟んで飽海(あくみ)の美田、さらに出羽富士の異名をもつ鳥海山まで広がる庄内平野を八咫烏(やたがらす)の目線で。彼の地へ惹かれる庄イタの衝動は、禁断症状が重症化する一方のイタリアに対する希求と同じく、もはや帰巣本能化している

 四季の表情が豊かで懐が深い食の都・庄内を巡るには、〝縦軸からの横展開〟が常道です。仙台から車をいつも利用する庄イタが推奨するこのセオリーは、「おいしい庄内空港」というドンピシャな愛称が昨年決まった庄内空港から庄内入りし、レンタカーで聖地巡礼をする方にも参考になるかと。行き先と目的によって、移動ルートは当然のこと使い分けるのが得策です。

 新庄から最上川左岸に沿って延びるのが国道47号。仙台から酒田以北を距離的に最短で結ぶのは、来年から待望の通年通行が可能となる国道347号鍋越峠を経由するこのルートです。現在の新庄市と戸沢村の境となる本合海(もとあいかい)から最上川を舟で下った松尾芭蕉が、羽黒山に詣でんがために上陸した立谷沢川との合流地点・清川に至ると、前方の視界が一気に開けてきます。

matsuyama-spa-kannonyu.jpg【Photo】最上峡から一気に視界が開けるのが清川から。清川橋を最上川右岸に渡ってすぐの高台にある一軒宿「松山温泉観音湯」からの庄内平野の眺望。強烈な局地風「清川だし」を逆手に取り、日本の風力発電の先駆けとなった大型風車が勢いよく回る。地平の果てに陽が暮れてゆく

 その地平こそ、藩制時代は米沢藩・新庄藩・上山藩・山形藩など、四方を山に囲まれた諸藩に分かれていた内陸部(最上・村山・置賜の三地域)とは、文化も、言葉も、気質も、全く異なる(⇒仕事で山形県内全市町村をくまなく回った経験則に基づく実感)藤沢周平の時代小説に登場する海坂藩のモデルとなった庄内地方への入口です。

 清川橋で最上川右岸に渡り、国道345号を北上するのは、作り手のたゆまぬ努力が、風土とあいまって素晴らしい味を生み出す平田赤葱や刈屋梨などの産地を目指す場合。

6075yuza-R345takase.jpg【Photo】田植えを終えて間もない水鏡に逆さ鳥海の姿が映る。国道345号線の遊佐町丸子付近。拙稿「香り米」(2009.8)冒頭にも登場した鳥海山のビューポイント

 対して最上左岸の国道47号を酒田まで直進するのは、新庄盆地から庄内平野に向かって最上峡から吹き出す局地風「清川だし」に背後から煽られるからではなく(笑)、現在の主要銘柄米の系図を遡ると源流にあたる品種「亀ノ尾」を選抜・育種した阿部亀治の遺徳に触れ、貴重な和辛子の原料となるカラシ菜の産地である庄内町の跡地区を通らんがため。

 鶴岡と酒田を行き来する場合、両市街地で信号機が多い国道7号を避ける傾向にある庄イタ。イタリア人だけでなく日本を訪れた外国人の多くが指摘するように、日本の道路には、やたらと信号機が設置されています。合理性を重んじる欧州人にとって、日本の都市部の道路は苦痛以外の何物でもありません〈※注〉

brera-hamanaca.jpg【Photo】遊佐町吹浦と鶴岡市湯野浜34kmの間に広がるクロマツ林は、冬の猛烈な北西風のため斜めに生育する。江戸中期以降の先人が、幾多の苦難を乗り越え、営々として植林を続けてきた努力の賜物。湿度が高い環境下において、山形内陸では頻発したエンジントラブルが、庄内では全く異常をきたさなかった〈2009.3拙稿「場の空気に関する一考察」参照〉alfa Breraを駆るにはもってこいの信号レスな国道112号。酒田市浜中にて

 山形自動車道と接続する日本海沿岸東北自動車道(略称:日沿道)の現在の終点は「酒田みなとIC」。仙台から高速を利用するこの時間的な最速ルートは、神泉の水や胴腹滝といった吹浦(ふくら)周辺の湧水スポットや、岩ガキを食するために秋田県境を越えて象潟(きさかた)を目指す場合に限られます。それほど沿道各地は、素通りするには勿体ない魅力に溢れています。

 日沿道が「あつみ温泉IC」まで延伸し、時間的に近くなった鼠ヶ関から、新潟県境を越えて国道345号沿いの景勝地「笹川流れ」まで足を延ばすのも一興かと。変化に富む海岸美と、澄みきった海水を薪火で煮詰めて作る珠玉の海水塩が待っています。

9406iwagachi.jpg【Photo】遊佐町吹浦から象潟(にかほ)にかけての岩礁のプランクトンが集まる滋養豊富な鳥海山の伏流水が海中に湧き出す周辺に群生する天然岩ガキ。事情通は豊かな森林に覆われた山が背後に迫る鼠ヶ関産が旨い、いや由良産も負けていないと熱く語る。いずれにしても産卵前のぷっくりとした剥きたてを頬張ると、至福の時を堪能できる

 世界一のクラゲ展示で人気の「加茂水族館」から湯野浜温泉を経てクロマツ林の中を行く国道112号の沿道に砂丘メロンの直売所が出る夏。酒田以北は道路事情が良い国道7号が海沿いの縦軸ルート。気温上昇とともに男鹿から遠征してくる「ババヘラ」<拙稿「トロける夏の誘惑 庄内編」(2009.8)参照>や、天候と時間帯によっては、西の空を染めて太陽が日本海の水平線に沈むドラマチックな光景と出合えます。

9327MuseoKenDomon.jpg【Photo】ライフワークの古寺巡礼やヒロシマなど、仏教の深い精神性とリアリズムを追求した酒田出身の世界的な写真家・土門拳の業績を展示する「土門拳記念館」(記念館内部は撮影不可。当画像の出典は山形県広報ライブラリーより)

 土門拳記念館がある酒田・飯盛山地区から出羽大橋を渡り、山居倉庫前の道をひたすら吹浦まで直進する県道353号「吹浦酒田線」も幾分道幅は狭いですが、海沿いのサブルートとして有効です。

 庄内平野の穀倉地帯を南北に貫く庄内東部広域農道(通称:庄内こばえちゃライン)は、月山と鳥海山がランドマークとなり眺望も良好。海側・山側いずれにも展開しやすくストップ・アンド・ゴーが少ない点は、JR陸羽西線狩川駅または清川駅付近から最上川右岸に移行して遊佐町吹浦まで北上するR345と並んで、庄内内陸部の縦軸としてお薦めします。

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【Photo】国道112号線「産直あぐり」の先、鶴岡市西荒屋の交差点を金峰山・青龍寺方向に左折。同市大宝寺から大鳥を経由し、「朝日スーパーライン」を越えて新潟県村上市に至る東日本で最も長い県道349号に。藤沢周平生誕之地と刻まれた石碑が残る高坂地区を挟んで母狩山・金峰山北側の谷定と滝沢地区から湯田川にかけては、孟宗筍の名産地。その旬に訪れた滝沢からは月山が一望のもと

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【Photo】国道112号線「産直あさひグー」がある鶴岡市落合交差点から、国指定重要無形民俗文化財黒川能で知られる黒川と、獅子踊りの里・藤島を経て酒田・遊佐方面へと延びる庄内東部広域農道(通称:庄内こばえちゃライン)。うららかな春風に菜の花が吹かれて揺れる春爛漫の陽気のもと、鳥海山を望む


 さて、前々回ご披露した神通力を酒田で発揮する前日。JR鶴岡駅にほど近く、仙台・山形間を往来するバスが発着する庄内交通バスターミナルに隣接する商業施設「S-MALLエスモール」に久方ぶりに寄りました。知らぬ間に立体駐車場が解体されていたこと以上に色めき立ったのが、販売元である精肉店クックミートマルヤマの店頭から消えて久しい「庄内カレー」が、食彩館に一袋だけあったこと。

 「おっ、いよいよ製造再開か!?」と庄イタが思ったのも無理からぬこと。3種類あった庄内カレーのうち、だだちゃ豆をはじめとする庄内産野菜と羽黒緬羊の旨味が響き合うキーマカレーは、まさに忘れ得ぬ味。

2015shonai-curry.jpg【Photo】2代目の奥さま絢子さんに「もう在庫はないので、残っているのなら私も欲しい」と言わしめた最後の1パックと思しき「山伏ポークこだわりトマトカレー」には、井上農場の樹熟トマトを使用(左)。以前にクックミートマルヤマで購入するも、勿体なくて食べられぬまま、今も庄イタ宅にあるキーマカレー(右)

 真相を確かめようと、このカレーを企画・製品化したクックミートマルヤマ2代目、丸山浩孝さんに電話しました。すると委託先の事情による製造再開の見通しは立っておらず、おそらく最終出荷分の残りではないか?とのこと。最後の1パックかもしれない7月末が賞味期限の庄内カレーは、こうして庄イタのものとなりました。〝残り物には福がある〟を地でゆく展開が、直後に待っていようとは露知らず。

 前編でご紹介した目的で酒田・本間家旧本邸に向かわんとS-MALLから酒田に移動するには、三川バイパスと国道7号線が距離的には最短ルートです。マニュアル車を乗り継いできた庄イタは、前述の通り混雑を避ける傾向にあります。16時30分の本間家旧本邸の最終入邸時刻までは余裕があったこともあり、日沿道ではなく、国道345号藤島バイパスと庄内こばえちゃラインを通るべく、三川橋で赤川を渡りました。

Inoue_farm20090125.jpg【Photo】鶴岡が大雪となった2009年1月末。降りやまぬ雪の中を訪れた井上農場のビニールハウスで、一年中で最も美味しい季節を迎えた小松菜の収穫を行っていた馨さん悦さんの井上夫妻を陣中見舞い(上)。作業中は石油ストーブで暖をとれるハウスの中で小松菜の収穫を行う馨さん(下左)。同年3月末、もはや大松菜と化した小松菜を手におどけてみせる悦さん(下右)

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 このルートを通ることが多いのは、庄イタ家では年間を通して定番となった「はえぬき」特別栽培米のほか、小松菜、トマト、商標権を有するJA鶴岡のエリア外ゆえ、だだちゃ豆とは名乗れないものの、品種は「白山」にほかならない「たかくんの茶豆」などの農産物をお世話になっている鶴岡市渡前「井上農場」があるがゆえ。

Inouefarm_2006.jpg【Photo】小松菜は春先にアブラナ科特有の黄色い花が咲く

 さらに現在、鶴岡では訪れる価値を見出せる唯一のイタリアン「穂波街道 緑のイスキア」〈2009.6拙稿参照〉が沿道にあるからでもあります。

 鶴岡ICから丙申堂への移動前、みどり町のクックミートマルヤマにも寄っていました。天下無敵の豚しゃぶ不動の主役「山伏ポーク」〈2014年7月拙稿参照〉のバラ肉を 、もとい脇を固めるのは、十三浜の肉厚ワカメ、平田赤葱、井上農場の小松菜。これはバイエルンのビール純粋令と同様の庄イタ家の絶対的な家訓です。

 平田赤葱は根付きのままで一冬分を酒田市飛鳥の後藤博さんのもとを訪れて購入するのが毎年の恒例。庭で冬を越した赤葱は、次第に固くなり始めていました。同様に寒中は肉厚で瑞々しさが際立つ井上さんの小松菜も、春の訪れとともに丈が伸びて薹(とう)が立ち、黄色い花を咲かせます。そんな旬を過ぎた小松菜を、井上さんは「大松菜」と呼びます。

 この日はクックミートの店頭で、しゃぶ用にスライスして頂くバラ肉を買い求めませんでした。何故なら春の訪れが早い今年は、肉以外の具材が旬を過ぎている可能性があったので。そのため赤川を越えて穂波街道を過ぎる頃までは酒田へ直行するつもりでいたのです。スタンレー鶴岡製作所の先に井上農場のビニールハウスが視界に入ってくるまでは。

alche-_zuppa-verde-komatsuna.jpg【Photo】井上農場の小松菜グリーンスープ。サザエまたはアサリでとったブロードで1cm大にザク切りした小松菜をさっと煮沸し、ミキサーに。濾した緑のスープに残りの小松菜を加え、煮立たぬよう加熱すると、目にも鮮やかな小松菜のスープの出来上がり(ロケ地:アル・ケッチァーノ2008年8月)

 庭の赤葱の状態からして、冷しゃぶ以外の具材で山伏しゃぶを食せるのはラストチャンスと思われました。ならば自ら確かめるのが確実。夜10時まで営業しているクックミートには酒田から仙台に戻る途中で再び立ち寄ればOK。大抵の場合、井上さんには事前に電話を入れて欲しい産品と数量をお伝えし、ご自宅か納屋あるいは自前の精米施設を備えたライスセンターのいずれか指定された場所に伺います。

 なれどこの日はノーアポ。目的は小松菜の状態の確認でした。勝手知ったる栽培用ビニールハウスに直行しようと農場に車を乗り付けると、一昨年完成した交流施設「i 庵銘田(→アイアンメイデン(^0^)」にご主人・井上馨さんの姿がありました。その刹那、思い起こしたのが12年前の初夏のこと。

alche-peperoncino_verde.jpg【Photo】これはサラダにあらず。「井上農場の小松菜ほか山伏豚ベーコンのペペロンチーネ」。パスタ料理を任されていた土田シェフに夏バテ予防にとリクエストしたのが、この井上農場の小松菜と青トマトを含め、何種類入っているのか察しもつかない特盛り夏野菜の食感を活かした特別仕様ペペロンチーノ(ロケ地:アル・ケッチァーノ2008年8月)

 当時は本業以外に割く時間が、まだ少なかったアル・ケッチァーノ奥田シェフのもとで、井上さんの長女佳奈子さんがパティシェとして働いていました。(感覚と独自の理論が交錯するオーナーシェフの指導を直接仰いだ弟子は、知る限りにおいて実はそう多くはない) 佳奈子さんが愛車FIAT Panda141で出勤がてら毎朝届ける井上農場の樹熟トマトや小松菜は、2003年当時も店の欠かせない看板の一つでした。

 素材の生産現場を見てみたいと庄イタが言い出したある日のこと。夜の素材調達と仕込みとを優先した奥田シェフから、おおよその場所だけを聞き、ライスセンターの看板を目印に、初めて井上農場を訪れました。

 夏の庄内特有の強烈な日差しのもと、むせかえるような温度のハウスの中で、汗だくになって一人働いていたのが馨さん。汗を拭きながら仕事の手を休め、お話を伺ったのが井上さんとの初対面でした。その場所にこそ、現在i 庵銘田がまさに建っているのです。

kokomi_inoue200712.jpg【Photo】2007年12月。小松菜のハウスで、悦さんのそばを離れないのが、専業農家として農場を支える長男の貴利さんの娘ここみちゃん。鶴岡市藤島の産直「楽々(らら)」で、甲斐甲斐しく納品の手伝いをしていたのもこの頃。〝地方消滅〟など無縁。年を追うごとに家族が増え、一男二女の馨さん悦さん夫妻の孫は、今や10人!!

  小松菜の様子を見るために伺ったことを告げた庄イタに「今日はこの後どうするの?」と、井上さんは箒で部屋の掃除をしながら尋ねます。

 「酒田に行くつもりですが、特に予定は決めずに来ました」と応じる庄イタの返事を聞いた井上さん曰く「それにしても凄いタイミングで姿を現すね~。実はこれから、東京八丁堀『天ぷら小野』の志村さんがね...。」

 あの時、国道345号を移動しながら〝井上農場の畑に寄らなければっ!〟と、急に考えが変わったのは、どうやら神がかり的な庄イタの嗅覚と、井上農場のトマトを使った、やはり残り物には福があった庄内カレーのなせる奇跡だったようです。

「神通力ふたたび!? 鶴岡後編」に続く。
to be continued.

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 ※ 【脚注】 ロンドン・ピカデリーサーカスや、パリ・シャルルドゴール広場に英仏初のラウンドアバウトが登場する遥か1500年あまり前。ディオクレティアヌス帝(在位284~305年)が造った古代ローマ最大規模の浴場前に、欧州最古のラウンドアバウトが設置された。造営から1,800年の時を経て当時の石畳はアスファルトに変わり、現在はナイアディの泉を囲む「Piazza della Repubblica(共和国広場)」と呼ばれ、現役のロータリー式交差点として役割を果たしている。(下写真)

piazza-reppbrica-roma.jpg 規則に縛られることを是とする律儀な日本人と、(信号はあっても無きに等しいナポリのように)混沌とした無秩序の中にも暗黙のルールが存在するイタリア。化石燃料を動力とする限り、ストップ・アンド・ゴーの繰り返しは、加速時にCO2排出量を増やし、燃費を悪化させ、地球温暖化の一因にほかなりません。旧態然としたお堅い発想からの転換を、関係筋に切望するものであります。


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2015/05/02

日本海ひな街道 2015 reprise

お雛様の画像を追加しました!

 酒田雛街道2015スタンプラリー当選者発表にある通り、庄イタと思われる〝宮城県仙台市の木村様〟が当選した招福の縁起物である傘福。

 発表から半月を経過した今のところ、手元には届いておらず、悶々とした日々を送っております(- x -〃)。

 誕生が待たれる英国王室ウィリアム王子とキャサリン妃の第2子が、女児か男児かと同様、傘福が晴れて庄イタにもとに届くかどうか。William Hill(ウイリアム・ヒル)など、大手ブックメーカーで賭け事の対象になっているか否かは存じ上げません。

aioisama-honmake.jpg【Photo】江戸後期に京都で作られ、酒田・本間家に手で代々受け継がれてきた百歳雛「相生様(あいおいさま)」〈画像提供:本間家旧本邸〉

 さて、今回ご紹介している本間家旧本邸が所蔵する「相生様」のほか、前回「神通力ふたたび!? 酒田編」で、当初は掲出できなかった風間家・白崎家の雛段飾り、雛道具、犬筥(いぬばこ)、さらに別カットの相生様の合計5点の画像を関係各位のご厚意により、掲載のご許可を頂戴しました。

 まったくもって自画自賛ですが、追加前と比べて見応えが遥かに増したように思います。来春の「日本海ひな街道」に向けたイメージトレーニングを兼ね、よろしければ再訪下さい。

(今度こそ)「神通力ふたたび!? 鶴岡前編」に続く。
to be continued.

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reprise :このほど日本武道館で49年ぶりの凱旋公演を果たした著名な英国の音楽家が所属した偉大なバンドの名盤Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band。タイトルチューンとは別バージョンの曲名で使用した「繰り返し」を意味する言葉


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