あるもの探しの旅

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La Fontane di Roma a casa mia

出現、ローマの噴水 @我が家

 良く言えば臨機応変。率直に申せばユル~い国民性ゆえの、イタリアでは往々にしてある「エェーっ!?」という予想だにしない展開。かかる事態への(前世)イタリア人流対処法と、そんな時に冷静さを取り戻すため、想起した曲について今回は語ります。

 先行きが見通せない今の時代ではありますが、ご紹介する事例が極端なレアケースのため、ほとんど役に立たないであろうことをお含みの上、お付き合いください。

showerhead2.jpg 2011年3月11日に発生した東日本大震災で、庄イタが暮らす仙台市青葉区は震度6弱の揺れに見舞われました。

 5分近く続いた強烈な揺れに耐えた自宅は、幸いにも基礎から躯体に至るまでビクともしていません。

 とはいえ築14年が経過した拙宅では、耐用年数が経過した住宅設備機器まわりで、ちょっとした不具合が発生するようになってきました。

 12月16日の夜、トラブルは何の予兆もなく発生しました。それは14回目の冬を迎えたリビングルームの温水ルームヒーターが故障したのと奇しくも同じ日のこと。

 皆さんも家電品や住設機器の故障って、不思議とタイミングが重なったりしませんか? テルマエ(バスルーム)壁面のフックからシャワーヘッドを取り外そうと手をかけた瞬間、予期せぬ事態が発生したのです。

shower-head.jpg なんと、ホースとの接続箇所で、樹脂製のシャワーヘッドが根元からポキッと折れてしまったではありませんか。

 ボディの外装部品がポロっと外れたり、雨が降るたびにエンジンが不調をきたす故障が頻発したAlfa Brera(通称:イタ車≒痛車)で懲りている庄イタ。「この壊れ方はイタリア製か?」と一瞬疑いましたが、シャワーはれっきとした日本製でした。

【Photo】床に落下させるなど、激しい衝撃が加えたわけでもないのに、根本から折れてしまったのが、14年間使い続けたシャワーヘッド(右写真)。まともにシャワーが使えない状況をいつまでも放置できないため、節水機能付きのシャワーヘッド(上写真)を新たに購入し、DIYで装着

 事態をすぐには飲み込めず、シャワーヘッドだけでなく心まで折れそうになりましたが、なにはともあれ頭を洗わなくてはなりません。

 そこで慌てず騒がず、壁面のフックに取り残された接続箇所に残った付け根のネジ部分の残骸を取り出しました。そしてフックに戻したシャワーヘッドが無いホースの先端から、モノは試しにお湯を出してみると・・・(下写真)。 

fontana-mia-casa.jpg

 当然といえば当然ですが、ホースの先端からは、青森・酸ヶ湯温泉の名物「千人風呂」の打たせ湯「湯瀧」さながらに、お湯が弧を描いて噴出するという自宅のテルマエでは14年目にして初めて目にする新鮮な光景が出現したのです。^ ● ^;

 そのありさまから頭に浮かんだのが、オットリーノ・レスピーギ(1879-1936)が作曲し、1917年3月11日にローマで初演された交響詩「La Fontane di Roma (ローマの噴水)」冒頭〝La fontana di Valle Giulia all'alba 夜明けのジュリア谷の噴水〟の旋律。

fontana-di-villa-medici.jpg【Photo】ローマの街並みを一望するスペイン階段を上った先の高台にあるヴィッラ・メディチの庭園にある噴水を描いた19世紀の絵画。レスピーギは、夕闇迫る黄昏時が最もふさわしい噴水として、交響詩「ローマの噴水」第4楽章で取り上げた

 「ローマ三部作」と呼ばれる「ローマの松」、「ローマの祭り」の中では、最も早い時期に作曲された交響詩がローマの噴水。レスピーギは、ローマに実在した4カ所の噴水を、それぞれ最も周囲の風景と調和する1日の時間の移り変わりごとに取り上げています。

 第1楽章〝夜明け〟はジュリア谷の噴水。第2楽章〝朝〟がバルベリーニ広場にあるトリトーネの噴水(2015.9拙稿:「L'anima d'Italia イタリア魂」参照)。第3楽章〝真昼〟は1年半に及んだ修復を先月初旬に終えたばかりのトレヴィの泉(下写真)。第4楽章〝黄昏時〟がボルゲーゼ公園の南隣りにあるヴィッラ・メディチ庭園の噴水(上写真)

primo-fontana-trevi.jpg【Photo】今から〇年前、観光客でごった返すトレヴィの泉にて。恐らく世界で最も有名なこの噴水を庄イタが初めて訪れたのは、5月の真昼の出来事だったことを思い起こさせる1枚

 第2楽章以降の3か所は題材となった噴水の特定が容易です。唯一はっきりしないのが、冒頭に登場するジュリア谷の噴水。ローマ北部の高級住宅地パリオリからボルゲーゼ公園北側にかけての「Galleria Nazionale di Arte Moderna 国立近代美術館」がある一帯を指す古い地名であるValle Giulia 。そのいずれの噴水が題材となったのかは特定できないのだといいます。

【Movie】朝もやに包まれた牧歌的な風景が目に浮かぶ木管楽器による情景表現が見事な交響詩「ローマの噴水」第1楽章「夜明けのジュリア谷の噴水」。1917年のローマにおける初演は失敗したものの、名匠トスカニーニによる再演が成功。作曲家としてレスピーギが歴史に名を残すきっかけとなった

 創作活動の傍ら、16世紀に創設されたサンタ・チェチーリア音楽院で教鞭をとるなど、ローマで活躍したレスピーギが、この曲を完成させた1916年から来年で100年が経過します。2000年前に敷設された上水道を今も水源とする噴水に限らず、いたるところに悠久の時を刻む歴史の痕跡を残す永遠の都ローマ。

Villa_Borghese_Fontane_Oscure.jpg【Photo】「ローマの噴水」第1楽章のモチーフとなったジュリア谷付近。国立近代美術館(中央)と境を接するボルゲーゼ公園北端の噴水。これがレスピーギが題材とした噴水かどうかは定かではない

 そこではとりわけ早起きをして、ボルゲーゼ公園の北側とされるジュリア谷で夜明けの噴水についての謎解きをするのも一興です。そんな夢想へと誘ってくれた即席ローマの噴水@我が家。湯量と角度によっては、意外と難なく頭を洗うことができるという新たな発見がありました。

 とはいえ普通にシャワーを使えない状況を年明けまで放置するわけにもゆきません。はなはだ名残惜しいのですが、この週末に二代目シャワーヘッドへと代替わりし、我が家のテルマエ噴水は、あっけなく消えてしまったとさ。

 おしまい。

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