あるもの探しの旅

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Io sono il feticismo di cuoio capitolo 3】

私、革フェチなんです 【第3幕】

クセに なりそう なってます。
肌に吸いつく魅惑のナッパレザー


 従前よりViaggio al Mondo をご愛読いただいている皆様は、庄イタが「革フェチ」であることを、先刻ご存知のことと思います。念のため申しておきますと、制服フェチの芸人が先日逮捕されて世間を騒がせましたが、革フェチには反社会性はございません。

 「革フェチ散財記」(2013.7拙稿参照)において、革を格子状に組み合わせる技法「イントレチャート」への偏愛ぶりを語ったのが BOTTEGA VENETAボッテガ・ヴェネッタ。そしてコインケースや名刺入れを「Io sono il feticismo di cuoio 私、革フェチなんです。(2010.12拙稿参照)で取り上げたPeroni ペローニなど、MADE in ITALY のハンドメードによる魅惑的な皮革製品が、庄イタの身の回りには少なくありません。

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【Photo】美の殿堂のようなフィレンツェで培われた皮革加工の伝統技術の結晶がPeroni ペローニの皮小物。その茶色のコインケースは、仙台銘菓「玉澤総本店 黒砂糖まんじゅう」と重なって見えてしまいます。それを実証した〝革フェチまんじゅう〟(2010.11拙稿参照)の元ネタとして取り上げた前回5年前から代替わりしながら使い続けているのがPeroni のコインケースと名刺入れ。縫い目がない一枚皮仕上げによる滑らかな曲線で構成されたフォルム。革フェチの動かぬ物証その1&2

 丹念な手作業による仕上げの良さ、使うたびに手で触れ、肌で感じる心地良さ。そしてイタリアンデザインならではの美しいフォルム。職人の手仕事フェティシズムに火がついてしまうと、容易にはその魔力から離れられなくなってしまいます。それが直接身につける靴や手袋などとなれば、なおさらのこと。

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【Photo】履き心地の良さとフォルムの良さを兼ね備えたイタリア靴コレクションより。革フェチの動かぬ物証その3&4&5。(左より順に)美食とポルティーコと斜塔と靴の街、ボローニャで1958年に創業したGianfranco Pini ジャンフランコ・ピーニ製メダイヨン装飾ウイングチップ。GUCCI グッチのビットモカシンは、黒を履き継いだこれが3代目。セットアップのジャケットスタイル用に一昨年購入したロングノーズのスリッポン・ローファー。靴好き垂涎の某「● erulutti」とデザインがほぼ共通のイタリア製

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【Photo】革フェチの動かぬ物証その6alfa Brera の革シートは、オプション設定だったイタリアを代表する家具ブランドPoltrona Frau ポルトローナ・フラウ製を指名。暖房機能付きで真冬のドライブでも優しく背後から暖かく包み込む官能的な触感は、まるで女性の滑らかな肌のようだった...。と、今はもう手放したクルマと別れた女性に思いを馳せ、革フェチならではの妄想と感傷に浸ってみる(笑)

 革フェチぶりの披歴ついでに、物証その7の前段となる参考品としてお示しするのが、茄子紺のハーフコート(下写真)。前々回「Principe di Salinaサリーナ侯爵」で、画像とともにご紹介したPiacenza のピュアカシミアは、濃紺のロングコートでした。残るもう一着のピュアカシミアコートがコチラ。

 ドレッシーな印象となる濃紺のロングコートはダークスーツと好相性。一方でこのハーフコートは、スーツやジャケット&パンツは無論のこと、休日の比較的カジュアルなスタイルで、素材感が近いウールのボトムスとの着回しにも対応可能です。

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 オンタイムユースの脇役には、馬蹄をかたどったアルファベットの〝A〟がアイコンとなる「AIGNERアイグナー」のA3サイズより若干小さめのカーフレザーバッグ(下写真)を使っています。

 ミュンヘン発祥のアイグナーは、ドイツ語で〝Chianti-Rot(キアンティの赤)〟と呼ばれるエンジ色がイメージカラー。カーフレザーの皮革製品で定評あるブランドです。濃紺にしろ、茄子紺にしろ、コートとの色の相性が良いので重宝しています。

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【Photo】革フェチの動かぬ物証その7。ドイツのブランドながら、本拠地のミュンヘンはイタリアとも近く、革製品は人材と技術の蓄積があるフィレンツェで製造するケースが少なくないというAIGNERのレザーバッグ。大切に使えば、新品時とそう変わらない高いクオリティが損なわれることはない

 生後6か月以内の仔牛の皮は表面が滑らかで、空拭きや栄養クリームなどの手入れをしておけば、色つやが褪せることはありません。ドイツブランドらしい飽きのこないオーセンティックな定番デザインと、型崩れしない堅牢な作りは定評あるところ。実際のところ、四半世紀に及ぶ庄イタの使用に耐え、ご覧の通りの高い質感を今なお保っているのですから、大したものです。

 なれど、デザインの美しさを重んじるイタリア人の感覚からすると、ドイツ製品は質実剛健ですが、今ひとつ〝華〟がない印象があります。そのため現在では、2着のピュアカシミアコートとの組み合わせ限定で、冬場だけ活躍してくれています。

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 革製品といっても、使用する素材と鞣(なめ)しの良し悪しによってクオリティは千差万別。皮革用として一般に加工される素材の中で、最も柔軟性に富むのが羊革です。キメ細やかでソフトなその感触は、まるで赤ちゃんの肌のよう。

 ピュアカシミアとの組み合わせにおいて、相性が最もよいと目されるのが、羊革でも最もキメ細やかで柔らかいラムスキンを加工したナッパレザーです。上質な鞣しを施したナッパ革は、セミマットな表情で、肌に吸い付くような触感があり、手の微妙な動きを損なわないため、手袋には理想的な素材となります。

 Piacenza の茄子紺のコートの襟元には「L'anima d'Italiaイタリア魂」(2015.9拙稿参照)の冒頭に登場したErmenegildo Zegna エルメネジルド・ゼニアのスカーフを、袖口にはこの極めて質感が高いラムナッパレザーの手袋を組み合わせています(下写真)

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【Photo】革フェチの動かぬ物証その8。細身のフォルムで、とろけるように柔らかく、しっとりとしたデリケートな触感のラムナッパレザーを用いた「Correalegloves コレアーレグローブス」の革手袋。心地良い革の感触を確かめるべく、意味もなく手袋のまま頬をスリスリすることが増えたかも

 柔軟なナッパレザーは、革素材の中でも、とりわけ伸縮性に優れています。そのため、手袋の使用後には縦方向に引っ張ると、多少の型崩れは元に戻ります。それでも10年以上使ってきた「Sermoneta Gloves セルモネータ・グローブス」の手袋には、ここ最近ヘタりが出てきました。

 昨年から後継となる革手袋を探してきた今シーズン。「阪急メンズ」の店頭で質感の素晴らしさに〝ビビ・・っ〟ときて即買いしたのが、ナポリで1986年に法人として創業した「Correalegloves コレアーレグローブス」のナッパレザー製手袋。PRADAほか世界のハイエンドブランドから手袋製造を委託される逸品中の逸品たる素材と仕立ての違いは、表裏一体の仕上げが施されたカシミアの裏地に手に通してすぐにわかりました。

correalegloves-2.jpg【Photo】Correalegloves 製手袋の裏地にはカシミアを使用。手首に馴染むよう半円形にカットされ、ギャザーの入ったが袖口が寒気の入り込みを阻む。シルエットの美しさと縫製の良さが光る

correalegloves-logo.jpg クラシコ・イタリアの聖地ナポリ発の手袋ブランドというと、1870年創業の老舗「Merola メローラ」が有名です。ほぼ同価格帯となるCorrealegoves の出発点は、小さな工房からスタートした1960年代のはじめ。素材選びとハンドメード技術の確かさに裏打ちされた仕立ての良さは、使うたびに実感できます。

 暖冬気味で、年の瀬を迎えた実感が伴わない2015年も残すところわずか。寒さ本番を迎えるこれからの季節、ハートまで暖めてくれる官能的なラムレザーの逸品を取り上げ、ヒツジ年のViaggio al Mondoを締めくくることにします。

 どうぞ皆さま良い年をお迎えください。
 Buon Natale e Felice anno nuovo!
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