あるもの探しの旅

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正真正銘、これぞトリュフチョコレート!!

アルバの薫り高きトリュフ入りトリュフチョコ


 2010年10月にオープンした旧店舗近くにこの春移転し、装いを一新した福島市「Osteria delle Gioie オステリア・デッレ・ジョイエ」。

 信仰するバッカス神との対面をウフィツィ美術館以来、久方ぶりに果たした「カラヴァッジョ展」、異才ぶりに圧倒された「若冲展」と続いたGW期間中の東西美術展巡り。その締めくくりとして、福島県立美術館で開催された「フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち 」を鑑賞がてら、1カ月半ぶりに店を訪れました。

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Osteria-Gioie.jpg【Photo】移転前のダークグリーンの外壁とオレンジ色の扉から、黒を基調としたシックな外装に生まれ変わったファサードとエントランス(右)。 外扉を開けると、ワインボトルをかたどった内扉が出迎えてくれる(左)。 旧店舗より広くなった店内はカウンタ-席をセンターに配し、明るく開放的な雰囲気

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sugopo-modoro@gioie.jpg【Photo】昨年11月、旧店舗で食したランチコース「Degustazione 」のプリモピアット「自然放牧豚の自家製サルシッチャと自家製サンマルツァーノトマトソース・ペコリーノ風味リガトーニ」(上写真)の味に魅了され、帰り際に購入した「Sugo al pomodoro fresco con San Marzano フレッシュサンマルツァーノトマトのソース 我が家風」(左写真)。イタリアの家庭と同じく夏の収穫期にまとめて製造、瓶詰めする

 サンマルツァーノトマトの自家製ソースしかり、ラグーしかりの滋味あふれる味付けで、いつに変わらぬ身も心も満たされるコストパフォーマンスの高いランチコース「Degustazione デグスタッツィオーネ」(税込2,940円)を頂きました。

 会計を済ませたところに厨房から出ていらした梅田勝実シェフとご挨拶を交わし、5月25日に開催する生産者交流イベント「自由で自然な仲間のマルシェ ナチュラ・フクシマ」について教えていただいた折のこと。

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【Photo】(3月中旬から5月初旬にかけてのDegustazione コースより。左上から順に)イタリア種の黄色いニンジンポタージュ、アンティパスティ・ミスティ(奥州いわいどりレバーのブルスケッタ、プロシュット、白いんげん豆、赤ダイコンとヘーゼルナッツ、イタリア風卵焼き、カポナータ、ニンジンのマリネ)、熊本産アサリのポモドーロソース・レモンの香りスパゲティ(⇒ 絶品!)、ふるや農園自然放牧豚肩ロースのグリッア、ピスタチオのジェラート・ブラッドオレンジのソルベ、SIMONELLI で淹れるLAVAZZA

 横目でレジカウンターのガラスケースの中に鎮座する「トリュフ入りチョコレート(下写真)の存在を見逃さないトリュフ犬顔負けの庄イタなのでした。

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 シニョーラ梅田から「お味見にどうぞ」と渡されたトリュフチョコからは、庄イタの嗅覚細胞に深く染みついた特徴的な白トリュフに通じる芳香が包み越しに立ち昇ってきます。

 人間の五感において記憶の最も奥底に刻まれるのは嗅覚。ある香りを嗅いだ途端に、遠い過去のシーンが突如として蘇った経験をお持ちの方は、少なくないかと。

 めくるめく香りに誘われるように、5粒入りパッケージ(税込1,260円)を所望。その時イメージしたのは、定番のNebbiolo ネッビオーロ、それも極めつけの作り手との組み合わせ(下写真)

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 熟成によって現れる妖艶なトリュフ香が顕著なバローロを醸すのが、「Giuseppe Rinaldi ジュゼッペ・リナルディ」。

 獣医の資格を有する 5代目当主のBeppe ベッペことジュゼッペ・リナルディ氏は、地元バローロでは、郷土史家としても知られる舌鋒鋭いキャラの濃い人物。申請手続きをすれば容易に取得できるはずの認証機関による有機認定には全く無頓着。

 2人の娘との共同作業で祖父の代から受け継ぐ4カ所のブドウ畑8haから、土着品種の良さを認識させてくれる「Freisaフレイザ」、「Ruché ルケ」ほか、「Dolchettoドルチェット」、「Barberaバルベーラ」などの黒ブドウから年産平均3.8万本のヴィーノ・ロッソを生産します。

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 単一畑Le Coste レ・コステ産ネッビオーロ15%に、同Brunate ブルナーテ産のネッビオーロをブレンドする「Brunate ブルナーテ」、単一畑Cannubi San Lorenzo カンヌビ・サン・ロレンツォ, 同Ravera ラヴェーラ, レ・コステの3つを瓶詰め前にブレンドする「Tre tine トレ・ティーネ」のクリュ・バローロ2種が、生産量全体の半数を占めます。

 世に名高い名醸地を1980年代から2000年代初頭にかけて席巻したモダニズムの嵐など、5代目にとってはどこ吹く風。先人が培った伝統に敬意を払い、1カ月を要する一次発酵には足踏み破砕の名残りとなる上部開放式の木製樽「Tini ティーニ」を、発酵後の熟成には、ファシズム期に普及したクロアチア東部・Slavonija スラヴォニア地方産オーク材を使った2,000ℓクラスの大樽「Botte ボッテ」を用います。(下写真)

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no-barrique-no-bel.jpg 225ℓ 容量のオーク樽(通称 Barrique バリック)は、ワインとの接触面積が多い分、木質由来の甘いバニラ香がワインに反映され、土地や作り手の個性が薄れる側面も。よって近年では地元では「Fustoフスト」と呼ばれる500~600ℓ容量のオーク樽やボッテの良さが見直され、地域性と伝統への回帰が顕著となっています。

 なるほど熟成庫の壁には、親戚筋にあたるバローロ村の伝説的な作り手「Bartolo Mascarello バルトロ・マスカレッロ」の先代が手書きした秀逸なマニフェスト「No Barrique No Berlusconi」(=反バリック樽, 反ベルルスコーニ)の有名なエチケッタ(ラベル)が掲げられています(右写真)

 バローロ5大クリュでは最北のLa Mora ラ・モーラ村は、優美で比較的早くからアプローチしやすいタイプのバローロとなります。深みのある偉大なバローロへと変貌してゆく単一畑ブルナーテで収穫されたブドウの発酵には、1世紀以上に渡って使われてきた栗材とオーク材を組み合わせた黒光りするひと際大きな専用樽を使用します。(上動画の1分20秒過ぎから登場)

 DOCGバローロに関しては、イタリアワイン法が規定する法定熟成期間36カ月を上回る樽熟42カ月が、ジュゼッペ・リナルディにおけるスタンダード。

 バローロ村の北東15kmと至近のピエモンテ州クーネオ県Alba アルバの街では、トリュフシーズンの秋に「Fiera Internazionale del Tartufo Bianco d'Alba(白トリュフ祭り)」が毎年開催され、黒トリュフでは到底代えがきかない魅惑的な香りに魅了された人々が世界中から集います。

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 アルバ市街地の北を流れるタナロ川を挟んで川向かいにあたるPiobesi d'Alba ピオベシ・ダルバには、グラッパの蒸留元として、またグラッパ入りチョコでも名高い「Sibona シボーナ」があります。

 そのグラッパとも相性が良かろうサマートリュフを練り込んだ正真正銘のトリュフチョコ製造元「TartufLanghe タルトゥフランゲ」もまた、ピオベシ・ダルバに製造所を構え、パスタやペースト類など、トリュフを使った加工食品を世に送り出してきました。

 タルトゥフランゲの自信作、フリーズドライ加工した夏トリュフ入りのトリュフホワイトチョコ「Dulcis Tuber Plalina con Tartufo(下写真)には、熟成してこそ真価を発揮するバローロではなく、早飲みが可能なDOCLanghe Nebbiolo ランゲ・ネッビオーロ2011」を合わせてみました。

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 醸造所の前に広がる3haのクリュ「ラヴェーラ」の樹齢が若いブドウを用いるDOC ランゲ・ネッビオーロは、大樽による熟成期間18カ月。平均年産はわずか5,500本。熱烈な信者が多いバローロよりも希少性は高いかもしれません。

 完璧な仕上がりとなった前年ほどではないにせよ、夏の猛暑と収穫期の好天で優良な2011年ヴィンテージは、ネッビオーロの特性といえる強靭なタンニンが意外なほどソフト。若飲みできるワインは、ともすると抜栓後のヘタリも早いのですが、大樽で時を重ねたヴィーノは、そんなことはありません。時間をかけて変化してゆくさまをじっくりと味わえます。

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 樹齢が高いネッビオーロ、特にバローロほどの高貴な複雑味はないにせよ、出汁がきいた旨味をたっぷりと堪能でき、エレガントな血筋の良さは十分に感じられます。インパクト重視でグイグイ押しまくるのではなく、ジ~ンワリ心に沁みる寄り添い型ヴィーノ・ロッソ。

 重量ベースでは0.3%の含有量ながら、芳醇で濃厚な香りが特徴の夏トリュフ(Tuber Aestivum Vitt.)がしっかりと存在感を示し、ピエモンテ産ヘーゼルナッツの風味が、かすかな塩味を伴ったホワイトチョコと相まって、予想通りランゲ・ネッビオーロ2011との良好なカップリングが成立します。

 国家財政は火の車で、公務員の仕事ぶりはいい加減でも、人生を謳歌する名人たるイタリア人の仕事って、何故にこうも味わい深いのでしょうね。

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logo_gioie.jpgOsteria delle Gioie オステリア・デッレ・ジョイエ
 ・住:福島市鳥谷野字二ツ石12-3
 ・Phone:024-529-6656
 ・営:11:30-14:00 L.O. 18:30-20:30 L.O.
 ・水曜日・第二火曜日定休 Pあり カード可 禁煙
 ・URL:https://www.facebook.com/OsteriaDelleGioie/?fref=ts


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