あるもの探しの旅

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シン・ゴジラ出現@田舎館村

 前回「陸奥湊で朝食を」冒頭で登場した名作「ティファニーで朝食を」に続き、今回はこの夏公開され話題となった超・巨大な相手に立ち向かう人間の奮闘を描いた映画最新作にちなんだ話題を3回シリーズでお届けします。

最新VFXを越える田んぼアートのリアリティ

 VFXVisual Effects ビジュアル・エフェクツ)や3Dを駆使したデジタル視覚効果技術と、音響を含めた劇場設備の進歩により、映画の虚構世界をリアルに体感することが可能となりました。

 7月1日にオープンした仙台PARCO2には、床面から天井・正面の壁すべてが大きなスクリーンとなる最新鋭のIMAX®デジタルシアターを含む9つのスクリーンを備えたシネマコンプレックス「TOHOシネマズ仙台」が6~9Fにキーテナントとして入居しています。

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©2016 Toho co.,ltd.      

 まず俎上に乗せるのは、〝現実(ニッポン) 対 虚構(ゴジラ)〟をキャッチフレーズとする東宝作品「シン・ゴジラ」IMAX®版。

 羽田沖に突如出現し、大田区へと上陸した謎の巨大不明生物(ゴジラ)。予想だにしない緊急事態に右往左往し、機能不全に陥り被害を拡大させる日本政府。東日本大震災と原発事故の折の対応を想起させる政権中枢の優柔不断ぶりが、シニカルかつリアルに描かれます。

godilla_1.jpg【Photo】鎌倉に出現したゴジラは、シリーズ29作目にして過去最大の大きさに巨大化。映画「シン・ゴジラ」より ©2016 Toho co.,ltd.

 体内での核融合がエネルギー源となる巨大不明生物は、血流による体の冷却では追い付かず、突如として東京湾の海中へと姿を消します。鎌倉への再上陸時には、118.5 mまで体長が巨大化。

 ゴジラは横浜・川崎を移動して北上を続けます。戦後初の防衛出動を決断した内閣総理大臣の指示で、一斉攻撃に臨む自衛隊。しかし日本が保有する通常兵器では全く歯が立たず、ゴジラは防衛線を楽々と突破。東京都心へと移動します。

godzilla_2.jpg【Photo】首都防衛の生命線となる多摩川付近で、自衛隊は陸と空からの一斉攻撃に臨むが...。映画「シン・ゴジラ」より ©2016 Toho co.,ltd.

 日米安保条約に基づく出動要請を受けた米軍の地中貫通爆弾による攻撃で、致命傷を負ったかに思えたゴジラは、状況に応じて驚異的な進化を遂げる究極の生命体へと進化していました。国連安保理は中露が主導し、自国への被害拡大が懸念されるゴジラ殲滅(せんめつ)のため、東京での核兵器使用を決議します。

 各省庁の異端児たちの混成チームを主導する内閣官房副長官・矢口蘭堂は、日本に対する3度目の核兵器使用を回避すべく、血液凝固剤の経口投与によるゴジラの活動停止を画策。チームワークで立ち向かいます。

【Movie】映画「シン・ゴジラ」予告編 ©2016 Toho co.,ltd.

 次回取り上げるローランド・エメリッヒ監督最新作「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」でも共通して描かれるのが、絶体絶命の事態打開に向けたプロセス。日米それぞれの国情や国民性の違いが如実に表れているように感じました。

 もはやこれ以上のタネ明かしは野暮というもの。正確な金額は非公表ながら、東宝としては異例の総額20億円以上といわれる製作費を投じた超大作の結末は、どうぞ劇場で見届けて下さい。

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 この夏、最新VFXを駆使した映画の虚構世界を凌駕する現実と出合ったのが、夏祭り期間に訪れた青森でのこと。

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【Photo】田んぼアート発祥の地・青森県南津軽郡田舎館村の「道の駅いなかだて『弥生の里』」。360°の視界が開ける第2会場展望所からは、津軽平野と岩木山が一望のもと

 今回ご紹介するのは、1993年(平成5)から回を重ね、今年で24年目を迎えた田んぼアート開催真っ最中の青森県南津軽郡田舎館村(いなかだてむら)

 各地で同様の取り組みがなされる田んぼアート発祥の地・田舎館で庄イタが訪れたのは、NHK大河ドラマ「真田丸」をテーマとする第1会場ではなく、色の異なる7色9種類の水稲でシン・ゴジラを表現した第2会場でした。

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【Photo】田舎館村田んぼアート第2会場。背中から放射状に光線を発しながら国会議事堂を襲撃せんとする巨大スケールのシン・ゴジラは今にも動き出しそう。左右分割でのご紹介となったのは、18-55mmズームレンズではフレームアウトしてしまうゆえ、ご容赦のほど

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 道の駅いなかだて「弥生の里」に隣接する田んぼ約1ヘクタールの奥行き70m×幅150mが、田んぼアートのカンバスです。これは庄イタが映画シン・ゴジラを鑑賞したTOHOシネマズ仙台では最大となるシアター6(横31列・全366席)「IMAX®デジタルシアター」を遥かに超えるスケール。

 桁外れの大きさの田んぼアートを鑑賞するためには、道の駅いなかだてに4年前に造られた高さ21mの「弥生の里展望所」(入館料:中学生以上300円・小学生100円)から、鳥の視線を得て眺める必要があります。

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【Photo】自衛隊の火器による攻撃ではビクともしない分厚く強固なゴジラの外皮は、ニガウリ(ゴーヤ)をイメージしたという。風に吹かれてサワサワと揺れる稲が、あたかもゴジラが動いているかのような錯覚を生み、迫真のリアリティをもたらす

 感嘆すべきはその完成度の高さ。測量技術を用い、パースペクティブを考慮して展望所から眺めた際に形状の歪みが出ないよう下絵を基に設計図を作成します。

 今年の新作シン・ゴジラに関しては、田んぼに1万2千か所のポイントをプロットし、地元の方たちが、食用米「つがるロマン」・ 葉が白い観賞用品種「ゆきあそび」・古代米の「黄大国」や「紫大黒」など、色の異なる稲の苗を手植えしたのだといいます。

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【Photo】正しい日本語では「食べられる名作」とあるべきキャッチフレーズ。官製〝ら抜き言葉〟が気になる田舎館村作成による今年の田んぼアートのフライヤー(部分)。表面に採用された図柄は、昨年の第一会場「風と共に去りぬ」

 2013年(平成25)7月、弘前市と黒石市とを結ぶ弘南鉄道弘南線に「田んぼアート駅」が設置され、人口8,000人の村を年間35万人近くが訪れる観光集客の目玉となっています。交流人口増による地域おこしにも寄与した田んぼアートは、年を追って芸術性のレベルが向上。国内外から高い評価を受けています。

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 昨年からは巨大な「石のアート」にも新たに挑戦。〝不器用ですから〟のセリフが記憶に残る高倉健をモノトーンで器用に表現した前年作(上画像)に続く今年の新作は、昭和の大スター石原裕次郎(下画像)。苦み走った裕ちゃんは、きっとこう言っているのでしょう。「♪ 俺は待ってるぜ

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 村では例年9月末に刈り取り体験ツアーを実施します。ご興味があおりの方は、田舎館村企画観光課商工観光係(Phone:0172-58-2111 / 内線242・243)まで。

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 そもそも田舎館村が全国に先駆けて田んぼアートを始める契機となったのが、1981年(昭和56)にR102のバイパス化工事で、弥生時代中期にあたる2,000年前の水田跡が発見された垂柳(たれやなぎ)遺跡の存在でした。

 国内最大級の縄文集落跡「三内丸山遺跡」や、呪術で使われたと推測される異星人のような姿の遮光器土偶が出土した「亀ヶ岡遺跡」など、豊かな縄文文化が本州最北の地で花開いた青森。

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【Photo】田舎館村埋蔵文化財センターは、垂柳遺跡で発見された細かく仕切られた2,000年前の水田跡に建っており、 遺構露出展示室では遺構を間近に見学できる。手前の窪みは水路跡

 稲作を暮らしの基盤とする弥生文化が本州最北部に定着していたことを示す656枚(約8,000平方メートル)の水田跡は、北東北には弥生は存在しなかったというそれまでの定説を覆す発見だったのです。

 洪水により埋没し、打ち捨てられたと推定される小さく区割りされた弥生時代の水田跡で見つかったのが、当時そこで暮らしていた人々の数万にも及ぶ足跡でした。

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【Photo】田舎館村埋蔵文化財センターの入口ホール。年齢が特定された男女数名が遺した足跡をガラス越しに見ることができる

 その大きさと凹みの深さから、おおよその年齢や性別を推定。家族と推定される子どもを含む男女が揃って農作業を行っていたことが分かっています。

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 道の駅いなかだて「弥生の里」と通りを挟んで隣接する垂柳遺跡には、博物館と埋蔵文化財センター(共通入館料:大人300円・中高生200円・小学生100円)が建っています。

 田んぼアートの里を訪れた際は、稲作が北東北に定着し、弥生時代中期の人々の暮らしを支えていた田んぼの遺構もお見逃しなきよう。

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