あるもの探しの旅

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カレー + 味噌 + 牛乳 +バター

青森発。華麗なる四位一体ラーメン

 イタリアンへの偏食傾向が著しい食生活をベースとする当Viaggio al Mondo ~あるもん探しの旅 ~。初めてメインテーマとして、日本の国民食として確固とした地位を確立しているラーメンを取り上げます。

 皆さまにとっては、取るに足らぬ些細な事ですが、庄イタにとって、これはちょっとした事件です(笑)。

 これまでラーメンが脇役としてでもViaggio al Mondoに登場したのは、わずか2回だけであることに今更ながら気が付きました。

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【Photo】青森市内で味噌カレー牛乳ラーメンを提供する5つのラーメン店が加盟する協同組合「青森味噌カレー牛乳ラーメン普及会」が監修し、青森県平川市の「高砂食品」が製造する半生めんタイプの「味噌カレー牛乳らぁめん」(2食入り・税込864円)

 一度目は、浜辺で鳥海山の水循環を目撃できる釜磯海水浴場をご紹介した際、追記で取り上げた「サンセット十六羅漢」。アオサノリがトッピングされる「夕日ラーメン」は、トビウオ出汁の魚介系スープ+酒田ラーメンの流れをくむ自家製細ちぢれ麺。日本海に沈む夕陽の光景までがご馳走となります。〈2007.8 拙稿「海に湧く山の水~大自然の水循環を目撃する海辺@遊佐町釜磯」参照〉

 二度目が、ネパール料理とカレーの店「Yetiイエティ」@気仙沼を取り上げた折のこと。〝どーせドライブインでしょ?〟などと侮るなかれ、濃厚系とは一線を画す野菜の旨味たっぷりな味噌スープと細目のちぢれ麺とが、絶妙な組み合わせとなる「南三陸ドライブイン ひかど食堂」の名品「味噌ラーメン」。〈2012.9拙稿「Yeti イエティ @気仙沼」参照〉

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【Photo】創始者の義弟・小田島敏也氏が味を受け継ぐ「札幌館」を訪れ、食事がてら購入した箱入り「味噌カレー牛乳らぁめん」。レンゲ一杯分の温めた牛乳とバター10gをトッピング。イタリア本国と同様にショートパスタとブロードの組み合わせによるPasta in zuppa(スープパスタ)が食卓にしばしば上るTaverna Carloにて本場の味の再現を試みる之図

 リゾット感覚で頂けるコメ状のパスタ「Seme di cicoria セメチコリア」や星状の「Stelline ステリーネ」などのショートパスタ+ブロードの組み合わせによるスープパスタならば、食す機会が少なくはない庄イタ。ブログ開設以来、9年を経た今回、初めて主役として登場するラーメンが、この夏に青森で出合った「味噌カレー牛乳ラーメン」です。

 青森市は中華麺の年間購入額が全国の県庁所在地の中では第2位(総務省2007年統計)。インスタント麺の購入数量が9年連続全国一(総務省2015年統計)という土地柄。

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【Photo】青森味噌カレー牛乳らーめん普及会の監修により、青森県内で限定販売されるカップ麺、東洋水産「青森味噌カレーミルクラーメン」(税別240円)

 仕事やプライベートで青森各地に足を運ぶ機会はこれまで幾度もあり、未食の津軽煮干しラーメンのほか、味噌カレー牛乳ラーメンの存在自体は知っていました。

 本州最北までの遠征を厭(いと)わせない魅力的なイタリア料理店が、南部・津軽両地域に揃う青森。ゆえに例えば三沢では必ずナポリピッツアを食するのが常となります。<2013.8拙稿「庄内系イタリア人的青森・前編」参照>

 そんな嗜好の結果、(青森に限らず)庄イタがラーメンを口にする機会は、おのずと限られるのです。今年7月中旬に開催されたあおもりマルシェで、アムさんメロンの秀品をゲットすべく、マルシェ前日に青森市入りしました。

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【Photo】東洋水産「青森味噌カレーミルクラーメン」。粉ミルクを使用し、バター風味のキューブをトッピング。専門店の味に迫ろうとしている

 直前まで週末のスケジュール調整がつかなかったため、今回も予約ができずご無沙汰している弘前市の某イタリアンではなく、東日本大震災の前日に出張した青森市長島で出逢って以来、贔屓にしている「Al Centro アル・チェントロ」〈2012.5拙稿「1年ぶりの青森美味巡礼-花の命は短くて...。2012春」参照〉を夜に予約済みだったその日。

 毛色の違った昼食にしようと訪れたのが「札幌館(下画像)。こちらは一見アクロバティックな組み合わせによる味噌カレー牛乳ラーメンを考案した故・佐藤清氏の義弟が営む店です。

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 1975年(昭和50)当時、青森市の中高生の間では、ゲーム感覚でマヨネーズやコーラなど、さまざまな食材を組み合わせてラーメンを食するトッピングミックスなる現象が流行したのだといいます。

 そんな好奇心旺盛な中高生の求めに応じ、札幌・ススキノのラーメン横丁で研鑽を積んだ佐藤氏が1968年(昭和43)に独立して開いた「味の札幌」の裏メニューとして考案したのが、味噌カレー牛乳ラーメンでした。

 意外な組み合わせの美味しさは口コミで広がります。インパクト十分な組み合わせが奏功、現在では青森市のB級グルメとして名声を得るに至りました。

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〝味噌ベーススープ+カレー+牛乳+バター+中華麺〟という前衛的な組み合わせがもたらす味は、どうにも頭では想像がつきません。百聞は一食に如かず。まずは体感しないことには謎の実態は解明されないのでした。

 意外とハマった「生姜味噌風味おでん」同様、冬が厳しい青森の風土が育んだ珍味(?)の誘惑には勝てません。
 
 こうして訪れた札幌館で、期待と不安が入り混じる庄イタの前に湯気を立てて登場した味噌カレー牛乳ラーメン(上・下画像・700円)。

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 カレー粉が香る合わせ味噌ベースのスープには、相性が良いケースが多い発酵食品同士の組み合わせとなるバターの風味が加わります。バターがコクをもたらし、その原料となる牛乳が調和とまろやかさを生み出します。

 意表を突いた組み合わせの妙を確認し、探求心のスイッチが入った庄イタ。次なる青森訪問の機会となった今年の青森ねぶた祭りの折、味の札幌創業時から佐藤清氏の片腕として味を支えた大西文雄氏の店「味の札幌 大西」を訪れました。

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 青森駅のほか、のっけ丼で知られる古川市場、地階が魅力的なアウガなどからほど近い好立地にある味の札幌 大西。開店して間もないにもかかわらず、すぐ満席になった店内には若い女性観光客の姿もちらほら。

 注文したのが、一番人気だという「味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り / 830円)」(下画像)。本家筋としての札幌館、暖簾分けを許された味の札幌 大西の食べ比べが、こうして実現しました。

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 トッピングされる具にワカメの有る無しが最大の違いですが、まろやかでスパイシーな味噌味のスープと相性が良い太目でのど越しの良い縮れ麺は、両店とも相通じるものがあります。

 実食した感想としては、意表を突いたこの組み合わせ。大いに゛アリ〟です。訪れた両店の繁盛ぶりが、話題性を越えた独自の味が秘めた普遍性を物語ります。

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 お好みの付け合わせには、札幌館がおろしニンニク、 味の札幌 大西には梅干しが用意されます。 〝そこにしかない味〟という点では、折り紙付きの個性的な味噌カレー牛乳ラーメン。

 底冷えするこれからの季節、まだ訪れていない普及会の会員店「味の札幌分店 浅利」「札幌ラーメン蔵」「かわら」のいずれかで味わってみたいものです。

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札幌館
 住:青森市石江字岡部56-3
 Phone:017-782-1765
 営:11:00~21:20 不定休

味の札幌 大西
 住:青森市古川一丁目15-6
 Phone:017-723-1036
 営:11:00~21:30 年末年始休

 
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