あるもの探しの旅

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2016/11/28

Bianco e Nero ~ Capitolo Nero ~

【黒編】クラシックな黒漆喰の内蔵(うちぐら)

奥ゆかしくも豪奢な内蔵めぐり
@秋田県横手市増田

 秋田県横手市十文字町から岩手県奥州市に通じる小安街道(現R397)と、宮城県大崎市鬼首に抜ける手倉街道(R398)が交差し、藩制時代より人馬と物資が行き交う要衝の地であった横手市増田地区。

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【Photo】戦国時代より増田の中心部を東西に流れる用水路「下夕堰」(下画像)に架かる中町橋のたもとに位置する「山吉肥料店」。町並みを南北に貫く中七日町通りに面した主屋の建造は明治中期

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 373年前より佐竹藩公認の定期市が立つ増田には、18世紀に開山した吉乃鉱山で活況を呈した明治から昭和初期にかけて、表通りに面して建築様式の異なる切妻屋根の商家が建ち並ぶ家並みが形成されました。

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【Photo】白壁と黒梁のコントラストが美しい「日の丸醸造所」は「まんさくの花」銘柄を醸す増田で唯一現存する酒蔵。現在の主屋は明治期の建造。(国登録有形文化財)

 目抜き通りの「中七日町通り」沿いには、5間から7間(9m~12.6m)の間口に対し、裏通りまで通じる奥行きが50間から最大100間(90~180m)もの細長~い敷地を有する商家が並びます。これは通りに面した間口の大きさに応じて租税額が定められた時代の名残。

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【Photo】代々の地主であった「佐藤與五兵衛家」の主屋は、明治後期から大正期の重厚な造り。秋田本店の北都銀行の前身にあたる増田銀行発足時は監査役を務めた家柄。(蛇足ながら、前世イタリア人的感覚からすれば、無粋なコンクリートむき出しの電柱が、景観を破壊している日本の現状をつくづく勿体ないと感じる一事例)

 いくつかの主屋は、妻側に白壁と梁組みや梁首が組み合わされ、下屋庇(げやひさし)を備え、町屋建築特有の通路「通り土間(トオリ)」が家の中を貫きます。敷地を抜けた裏通りには掘割が引かれ、今も一部が残る黒塀と門構えの落ち着いた佇まいを見せていたのだといいます。

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【Photo】造り酒屋「石理酒造」を営んでいた石田家が迎賓用に吟味した秋田杉やヒノキ、台湾産のタイサンボクなどの部材を取り寄せて建てた「旧石田理吉家」主屋は昭和12年竣工。茅葺の低層住宅が主流であった当時としては珍しかった木造3階建て(横手市指定文化財)

 2013年(平成25)、国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けた景観を構成する店舗兼住宅のほとんどが土蔵を有しています。4,100棟が現存する蔵とラーメンのまちとして名高い福島県喜多方と同様、商家は現役として現在も使われています。

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【Photo】山吉肥料店の主屋を東西に抜ける「通り土間(トオリ)」。表通りに面した左手には店舗兼事務所・神棚仏壇がある次の間・座敷・居室と続き、右手に水場、最奥部が内蔵。裏口を抜けた先は堀沿いの洗濯場、外蔵、来客用の別宅、裏門という配置になっている

 その最大の特徴は、商家の構造。表通りをそぞろ歩きしても存在が窺い知れない土蔵は、鞘(さや)と称される建屋の内部に造られています。土壁の蔵は水気を嫌うため、「内蔵(うちぐら)」と呼ばれており、これは豪雪地帯なるがゆえの工夫が生んだ産物でもあります。

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【Photo】明治前期に竣工した「佐藤又六家」の主屋内部と文庫蔵(国登録有形文化財)

 加えて土蔵は白黒のナマコ壁上部は漆喰の白壁が定番ですが、増田の内蔵は事情が異なります。漆喰仕上げでも難易度が高く、その技術の粋を極め、贅を尽くした黒漆喰磨き仕上げの壁や、観音開きの扉には組み木による亀甲文様などの鞘飾りを施した明治から昭和初期にかけての壮麗な蔵が数多く残ります。

100views_edo_shirokiya.jpg【Photo】歌川広重筆「名所江戸百景」第44景「日本橋通一丁目略図」

 江戸黒と呼ばれた黒漆喰の土蔵は、歌川広重が幕末期の江戸の街並みを描いた連作浮世絵「名所江戸百景」の日本橋志ろ木屋(後に東急百貨店日本橋店・現在のコレド日本橋)や、埼玉県川越市の明治末期の街並みにも見ることができます。

 なかでも増田の内蔵は、NHK大河ドラマ「真田丸」のタイトルを製作した(公社)日本左官会議の議長を務める挾土秀平氏ら専門家が、国内で最も優れた事例であると太鼓判を押しており、漆喰磨き土蔵建築の粋を極めた遺構と言って過言ではありません。

 一般公開される商家の中で、国登録有形文化財として登録されるのは9件。黒光りする黒漆喰は、1世紀以上は輝きを失わないといわれます。これは松を不完全燃焼させた際に出る煤(すす)「松煙(しょうえん)」や黒雲母の粉末を漆喰に混ぜ、ムラが出ないよう石灰を主成分とする下地の表面へ均等にコテで塗り、丹念に木綿・絹・素手の順に磨き上げた地元の職人の卓越した技巧によるもの。

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【Photo】コンクリートの登場により、昭和初期に終焉を迎えた増田の土蔵文化を築き上げた職人技の集大成となった「山吉肥料店」の内蔵正面。もともとは貴重品を収蔵し、防火目的で造られた土蔵。財力と壁の厚さを物語る五層重ねで密閉性(=防火性能)も高い扉には白縁取りがなされ、ネズミ除けの白蛇装飾も施されるなど、装飾性も極めて高い

 川連漆器の秀品を展示即売する川連漆器伝統工芸館から移動して増田へと移動、「日の丸醸造」の次に訪れた「佐藤多三郎家」の明治後期に建てられた座敷蔵の黒光りする壁を前に「これは黒漆仕上げですか?」と、ご説明頂いた奥様に質問したほど。

 現存する内蔵は48棟。この日伺った中では、明治後期~大正にかけての建造と推定される店蔵を構える「旧村田薬局」の明治初期~中期に建てられた内蔵を高齢者の居室として使っています。基本的な構造として1階が蔵座敷(初期においては板張りの1室構造、時代を追うにつれて畳敷きの座敷との組み合わせも登場)、2階が収納庫となっています。

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【Photo】佐藤多三郎家の内蔵は明治後期に建造。深みのある輝きを放つ黒漆喰壁と繊細な鞘飾りが見事で、増田に贅を尽くした蔵が建ち始めた頃の遺構としても貴重な存在。基礎部分には、銀を採掘した湯沢市院内(いんない)地域で産出する凝灰岩「院内石」が用いられている(横手市指定文化財)

 最盛期にどれほどの数の内蔵が増田にはあったのか、興味が湧いたので横手市歴史まちづくり課に問い合わせてみました。(公社)文化財協会による初調査が2003年(平成15)だったように、類い稀な文化的な価値が認識されたのはここ数年に過ぎません。長きにわたって他人の目に触れることがなかったがゆえ、増田の内蔵に関する信頼できる過去の統計が存在しないとのこと。

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【Photo】現在は観光物産センター蔵の駅として稼働している明治中期の「旧石平金物店」内蔵は、後に登場する蔵と比べれば、比較的に簡素な造りとなっている

 二階の梁の材質や太さ、本数にごだわり、家紋を掲げる妻壁側の観音開きとなる扉に施された防火上の機能が美的配慮までに昇華した「重ね」の数や白い縁取り、ネズミ除けのヘビをかたどった装飾など、基本的な蔵の構造は共通していても、それぞれの細部に個性が見て取れます。

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【Photo】太物商から医院に転じた佐藤家。明治後期の「佐藤多三郎家」内蔵二階部分。梁は栗の巨木、柱には秋田杉をともに漆をかけて使用(横手市指定文化財)

 内蔵を見て回るうち、増田の旦那衆が互いに張り合うよう意匠を凝らし、吉乃鉱山や商いがもたらす富を、豪奢な内蔵にひたすら注ぎ込んでいたことがわかります。

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【Photo】安価に施工できるコンクリート建築が増えていった昭和初期に建てられた山吉肥料店の内蔵。増田の蔵文化の集大成。職人技の極致ともいえる技巧が随所に駆使されている(上画像)。ネズミ除けの白ヘビが踊る扉や窓には白縁で強調された5段の「重ね」(下右)、白壁と漆塗りの鞘飾りとの境界を視覚的に引き締める黒漆喰の「見切り」は、とりわけ凝った造作がなされている(下左)

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 紀元前のギリシャ・ローマからビザンティン、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、新古典主義まで近世に至る各時代様式で建造された聖堂や建築物に囲まれて過ごした前世で目が肥えたせいか、機能性を追求したバウハウスなどのモダニズムが登場する以前の建物にも関心が高い庄イタ。

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【Photo】1689年(元禄2)創業の「日の丸醸造所」内蔵は、明治41年築。黒漆喰で覆われた外壁を、漆磨き仕上げの亀甲文様鞘飾りが引き立てる(上画像)。蔵座敷内部(下画像)は漆仕上げを施した5寸5分(16.665cm)角の青森ヒバを通し柱として一尺(30.3cm)間隔で配した白壁とのコントラストが見事(国登録有形文化財)

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mansakunohana.jpg【Photo】「日の丸醸造所」の内蔵を自由見学後、直売所で購入したのが、内蔵の佇まいがラベルに描かれた蔵元限定の純米吟醸「日の丸(蔵ラベル)」(720mℓ/1500円)

 前回詳報した「佐藤養助 総本店」の稲庭うどん、淡麗系の魚介スープが旨い「丸竹食堂」の十文字ラーメン、そして現時点では秋田県内唯一の「真のナポリピッツァ協会」認定店「COSI COSI コジコジ秋田山王店」ほどのレベルではありませんが、店名通りソコソコのナポリピッツァを食することができる「同十文字本店」など、持ち前の嗅覚を働かせ、食欲を満たすだけでは物足りません。

 紅葉や桜が武家屋敷通りに彩りを添える時季、多くの観光客で賑わう角館(かくのだて)の知名度は全国区ですが、知る人ぞ知る横手市増田の贅を尽くした内蔵は一見の価値ありです。

【Movie】通常は非公開の山吉肥料店内蔵の内部を撮影した貴重な映像を含む横手市製作による増田の紹介映像

 10月初旬に開催され、今年で11回目を迎えた「蔵の日」には、一般公開していない内蔵を含む歴史的建造物がお披露目されます。

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【Photo】横手市増田を訪れた庄イタ流腹ごしらえ〈その1〉。同市十文字町「丸竹食堂」の透き通るような魚介系スープの上品なコクと旨味に相性が良い細麺の組み合わせにはファンが多い。中華そば(上・450円)チャーシューメン(下・600円)と価格も良心的〈住:横手市十文字町本町7-1 Phone: 0182-42-1056)

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 通常は、観光協会が運営する観光案内所「蔵の駅(旧石平金物店)」や、漆蔵資料館となっている「佐藤養助商店」、主屋を修復中の「旧佐藤予與五兵衛家・佐忠商店」など7件は無料公開。

 昭和初期の薬局そのままのお宝も見逃せない「旧村田薬局」、三階建ての木造建築「旧石田理吉家」など12件は、維持管理費として一人200円~300円の有料で見学できます。

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【Photo】横手市増田を訪れた庄イタ流腹ごしらえ〈その2〉。秋田県内では数少ない賞味に値するナポリピッツアを食することができる「コジコジ十文字本店」のイタリア中部地震チャリティ期間限定メニュー「ピッツア・アマトリチャーナ」(上)、定番のポルケッタ(下)〈住:横手市十文字町西上45-3 Phone: 0182-23-5454)

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 先祖が残した内蔵を店舗や住居の一部として大切に使っている所有者の手が空いていれば、建物について説明を受けることもOK(一部要予約)。

 水神様をまつる小正月行事「かまくら」(下画像)に代表される冬の横手は純白の季節。そんな時季に訪れるシックな黒漆喰による蔵のクラシックな造作の見事さに、きっと目を白黒させることでしょう。

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 Bianco e Neroというタイトルのオチがついたところで、お後がよろしいようで。

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◆内蔵の公開予定は増田町観光協会サイトでチェック 
 http://masudakanko.com/

◆最新の公開状況に関する問い合わせは下記案内所まで
 増田の町並み案内所「ほたる」Phone:0182-23-6331
 ・増田観光物産センター「蔵の駅」Phone:0182-45-5311 

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2016/11/19

Bianco e Nero ~ Capitolo Bianco ~

【白編】たおやかなり、稲庭うどん

湯沢市稲庭はグラニャーノだった
@秋田県湯沢市稲庭町

 白黒を意味するお題のゆえんは、前・後編を読み進むうちに白黒がはっきりするでしょう。

 国内外を問わず、いわゆる〝三大●●〟は、あまた存在しています。

 世界三大料理は中華・フランス・トルコ。珍味ならば、世界ではキャビア・フォアグラ・トリュフ。日本にあっては、塩ウニ・このわた・からすみ。

 食べ物以外に目を転じ、真っ先に頭に浮かんだのが三大美女(笑)。三人揃ってお目にかかりたいものの、全て物故者であることが残念なクレオパトラ・楊貴妃・小野小町。

matsushima-tamonzan.jpg【Photo】日本三景松島を代表する景観が見られる「松島四大観」の一つ、宮城県七ヶ浜町「多聞山」。眼下に鹽竈神社のご神馬が余生を過ごした馬放島(まはなしじま)と、灯台がある地蔵島が横たわる松島湾南部の美景。彼方には大高森と金華山を望む

 絶景においては、松島・天橋立・宮島の日本三景。滝は、華厳・那智の両名瀑に伍せんと名乗りを上げる茨城・袋田 vs 仙台・秋保大滝。

 ガッカリ系の観光地なら、マーライオン・人魚姫像・小便小僧。日本では、札幌時計台・高知はりまや橋・長崎オランダ坂。そして女性の容姿に関するネガティブな評価として噂が流布する仙台・水戸・名古屋など、不名誉な三大●●も存在します。

 こうした三大●●には、言った者勝ちの側目も少なからずあるかと。

inaniwa-udon2.jpg【Photo】雪国秋田の風土が生んだ稲庭うどん

 前回取り上げたラーメンでは、札幌・喜多方・博多。長崎五島・名古屋きしめん・富山氷見・群馬水沢などが〝我こそは〟と手を挙げるであろう「日本三大うどん」。

うどん県〟こと香川「讃岐うどん」が西の横綱とすれば、東の横綱は秋田「稲庭うどん」であることに異論を挟む余地はないかと思います。

 二者択一で、うどんか蕎麦かと問われれば、蕎麦が優勢な東日本・東北地方にあって、例外的にひときわ輝く存在感を放つのが稲庭うどんです。

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 稲庭うどんが生産される秋田県南の内陸部に位置する湯沢・雄勝地域の生まれだとされる小野小町や、秋田市出身のタレント佐々木希のような、たおやかな秋田美人の透き通る肌のようにキメ細やかで色白、絹のごとく滑らかな喉越し、スリムな細麺ながら強靭なコシ。

yosuke-sato-factory.jpg【Photo】佐藤養助 総本店では、製麺の工程をガラス越しに見学可能。塩水を加え、空気を加えるよう練り、ビニールで覆って踏みつけ、延べ棒で一定の厚さに伸ばした生地を包丁で裁断(右)、角をとるように手で丸める「小巻」(左)

nai_yosuke.jpg tsubushi_yosuke.jpg【Photo】佐藤養助 総本店における製造工程より。小巻した生地を2本の棒によりをかけながら均等な太さにあや掛けする「綯(ぬ)い」(左)、あや掛けした生地を平らにする「つぶし」(右)

 栗駒山系の清冽な伏流水・塩・小麦粉だけを原材料とする生地作りから製麺・乾燥まで、丸3日を要する手作業による練り・小巻・綯(ぬ)い・つぶし・延ばし・乾燥・選別と工程を重ねる中で、麺の内部に多数生じる筒状の気泡が、生めんにはない持続性を持つ無類のコシの強さを生むのだといいます。

sato-yosuke-factory2.jpg【Photo】茹で上りが均一になるよう、目と手で一本づつ選別を行う。最終工程を担当するのはすべて女性。およそ人間技とは思えぬ速さと正確さが要求される

  何かにつけイタリアナイズされた庄イタゆえ、外食を含む麺類消費のダントツ首位はパスタです。2番手の蕎麦に続き、うどんはラーメンと周回遅れで3番手争いをする位置づけでしょうか。

 それでも軽めに食事を済ませたい時などに重宝するのが、稲庭うどんです。食欲の秋を迎えたとある休日。県境を越え、秋田県南の内陸部湯沢市稲庭町の「佐藤養助 総本店(下画像)を訪れました。

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 乾麺ゆえ、茹で時間さえ誤らなければ、稲庭うどん本来の美味しさは家庭でも味わうことは可能です。ですが、熟練の職人の手作業による製造の様子をつぶさに見学することができる佐藤養助 総本店で食する稲庭うどんは、一味違うのです。

 長崎・島原や奈良・三輪といった手延べ素麺が、量産のため機械化された一方、1665年(寛文5)まで遡る創始以来の伝統製法を今に伝える稲庭うどん。

ppastificio-yosuke_sato.jpg【Photo】稲庭干饂飩の宗家・佐藤吉右衛門の四男、二代目佐藤養助が創業した1860年(寛文5)から数えて150年目の2008年(平成18)に竣工した佐藤養助総本店の見学コーナーに展示される創業者が小巻された生地を綯う様子を再現した人形

 稲庭うどん作りの現場に触れ、思い起こしたのが、乾燥パスタの聖地グラニャーノ〈2010.7拙稿「珠玉のパスタ、Gragnano グラニャーノ」参照〉。栗駒山系の清冽な水とラッターリ山系の良質な硬度の低い伏流水を用い、寒暖差の大きい内陸に位置する両者には、うどんとパスタの違いはあれど、一味違う麺の産地としての共通項を見いだせます。

 うどん発祥の地とされる福岡「天神店」ほか、東京「銀座 佐藤養助」ほか「日比谷店」、「赤坂店」などの直営店があります。

yosuke-sato2016.9.jpg【Photo】佐藤養助直営店共通メニュー「天せいろ醤油」(1,500円)は、稲庭うどん本来のコシの強さを堪能できる。胡麻味噌だれ(1,560円)も選択できる。薩摩地鶏・名古屋コーチンと並ぶ日本三大地鶏、比内地鶏を温かいつけだれで頂ける「あったか比内地鶏つけうどん」(1,450円・冬季限定)もお薦め

 産地の湯沢は、雪国秋田でもとりわけ雪深い特別豪雪地帯に指定される地。冬の足音が迫りくるこれからの季節「雪道はちょっと...」と二の足を踏む方でも、こうした直営店で稲庭うどんの魅力を体感することが可能です。

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 現場を訪れることで見えてくるディテールから本質を見極めんとする庄イタと同様、稲庭うどんの里・湯沢市稲庭町を訪れるなら、その普段使いの器ともなる同市川連町の伝統工芸品「川連(かわつら)漆器」を展示する「川連漆器伝統工芸館」に立ち寄った後、ぜひ足を延ばしたいのが、横手盆地の南東部にあたる隣町の横手市増田地区。

 次回Bianco e Nero ~ Capitolo Nero ~編「【黒編】クラシックな黒漆喰の内蔵(うちぐら)~奥ゆかしくも豪奢な内蔵めぐり~」を乞うご期待

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佐藤養助 総本店
 ・住:秋田県湯沢市稲庭町稲庭80
 ・Phone:0183-43-2911
 ・営:見学 9:00 ~ 16:00 販売 9:00 ~ 17:00 食事 11:00 ~ 17:00
    無休(年末年始休み)
 ・URL:https://www.sato-yoske.co.jp/shop/head-shop.html

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