あるもの探しの旅

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イタリア瓶属 大移動  

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 20世紀が生んだ天才物理学者アインシュタイン(1879‐1955)が唱えた相対性理論は、庄イタごときの頭脳では全くもって理解不能です。

elektrodynamik-bewegter.jpg【Photo】偉大な物理学者の業績に触れる知的冒険を目論んで購入するも、今のところ睡眠導入剤としての活用法しか見出していないアインシュタイン最初の論文「Zur Elektrodynamik bewegter Körper (動いている物体の電気力学)」の邦訳と解説からなる岩波文庫「相対性理論」内山龍雄訳・解説(1988年刊)

 1905年、ドイツの学術誌に発表された画期的な論文の概略をかいつまんで言えば、人間や物体が超高速で移動すると、時間の経過にズレが生じ、時計の進みが遅くなり、物体の長さが縮み、重量が増すと提起。前世紀までのニュートン力学から大転換を果たした学説(...のようです)。

 容易には理解しがたい相対性理論を庄イタが咀嚼(そしゃく)しうるか否かは置いておくとして、そういわれてみれば、身長自体が縮む変化は認められずとも、不慣れな新任地では常に物腰は低く低姿勢。食い倒れの街へと赴任して以来、ロードバイク通勤を封印しており、体重が微増傾向にあります。

 時間の経過が遅れる現象に関しては、居心地の良いリストランテで、美味しい料理とヴィーノ、さらにステキな女性が隣にいれば、時計の針が止まったかのように時間が過ぎるのを忘れてしまうことぐらいでしょうか。経験則からしてイメージ可能なのは、せいぜいこのレベル。トホホ...。

 ついでに白状すると、大阪から4回シリーズでお届けした「土佐日記風 会津日記」は、昨年12月23日~25日の連休に会津を訪れた内容。そしてお題が〝皆殺し〟と皆さまも中学校の歴史授業で暗記したはずの西暦375年に始まったゲルマン民族大移動を想起させる今回は、今年3月の出来事です。

Quanten-AlbertEinstein.jpg【Photo】ドイツ南部の都市ウルム出身の物理学者アルベルト・アインシュタインによる相対性理論発表から100年目を記念し、2005年に故国で発行された切手

 かくもViaggio al Mondoにおける時計の進みは遅れています。仙台空港から大阪・伊丹空港までの移動が、時間のズレが生じるほどの毎秒30万kmに迫る光速飛行であった感覚はないのですが。

(いや、待てよ。1時間20分を要したフライトの間、ANAの敏腕パイロット氏は、1周するのに4万kmを要する地球を14億4千万周したのやもしれぬ。ムムム...)

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 と、いうわけで話の舞台は再び仙台へ。

 かつては購入価格やヴィンテージの優劣を色分けしたExcelのワインリスト (下表・部分) を作成。飲み頃を迎えたワインを管理していたのも今は昔。凝り性でも大雑把なO型性格が災いし、ここ数年、リストの更新は停止し、ほぼ放置状態です。

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〝ワインとの出合いは、人の出会いと同じ。一期一会〟と自己弁護をしつつ衝動買いを重ねた結果、消費≦補給となった自宅セラーの在庫は最大時で400本ほどに達していました。

 ゆえに異動の内示を受け、身柄と共に関西へ移動させる家財の中で、ワインの棚卸し&梱包こそが、転勤にあたって最大の難関なのでした。

 セラー3台の在庫である合計約280本、階段下収納にストックしていた専用段ボールに入っていたワイン約150本の棚卸しに着手する前段として、まずは移動に耐える梱包材の確保が急務。春まだ浅い3月ゆえ、仙台では気温上昇による熱劣化の懸念はありませんが、破損のリスクを考えると梱包はしっかりとせねばなりません。

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【Photo】アンモニア気化熱で冷却するため、コンプレッサー方式のような作動音や熟成の妨げとなる振動が発生しないワインセラー3号(庄イタが親しみを込めて名付けたニックネームは、酒神バッカスと結ばれし女神「Ariadnē アリアドーネ」)。端正なルックスの身の丈は庄イタの身長と同一。ワインフルボトルを最大206本も受け入れてくれる包容力が魅力

 会社が指定する引っ越し業者から支給された梱包材は、段ボール箱と大きなバウムクーヘン状の緩衝エアセルマット(通称:プチプチ)。

 1本づつエアセルマットで梱包し、段ボール箱にワインを詰め込むだけでは、破損のリスクが高いことは明らか。試しに1箱分だけ梱包したところ、エアセルマットを適当な大きさに切り取って350本以上を梱包するのは、気が遠くなるような手間を必要とする作業であることを痛感したのです。

 そんな非効率極まりない荷造りでは、梱包作業の合間にエアセルマットをプチプチと指先で潰したくらいでは、蓄積し続ける膨大なストレスの発散には到底なり得ません。

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【Photo】引っ越し業者支給の緩衝エアセルマットで1本ごとワインを梱包、箱詰めを試みる之図(手前)。作業効率の悪さからこの方法は早々に断念した。荷造りが容易な中仕切りがあるモンテ物産のオリジナル段ボール箱(写真上部)ほか、断熱性が高い発泡スチロール製容器が6本分内蔵されたPECK Milanoなど、おもに通販で購入したワインが入ってきた箱には、長期保存に適したセラーに入りきらない在庫150本ほどを収容。室温変動が少ない階段下にストックしていた

 そこで方針転換。宮城県塩竃市が発祥で、酒販店では国内最大手のチェーン店舗をいくつか見てみましたが、ここ数年のイタリアワインの品揃えと同様、目ぼしい段ボールは皆無。

 次に某ワイン専門店から取り寄せたボトルが入っていた緑色の段ボール箱を実費で譲ってもらえないか、時折立ち寄っていた仙台店に出向きましたが、取り付く島もない対応なのでした。Mamma mia!

 それならばと電話したのが、明治屋仙台ストアで購入したワインが入っていた12本入り段ボールに社名が記載されていたイタリア食材の専門商社「モンテ物産」でデスク業務を担当するSさん。

trattoria-alpha2001.2.jpg【Photo】alpha情報館シリーズ企画「もっと知りたい!イタリアン Trattoria alpha」掲載例(2001年2月号)。モンテ物産さま協力のもと毎回一つのイタリア食材を掘り下げてご紹介。庄イタの趣味のページといわれていた

 モンテ物産㈱仙台支店さまには、仙台圏で発行していた月刊誌「alpha情報館」で長期連載したイタリア食材の紹介企画でお世話になったことがあります(上画像)

 サン・ミケーレ・アッピアーノで醸造責任者を務めるハンス・テルツァー氏が業務店向け講習会を仙台で行った際、当時のO仙台支店長からお誘いいただき、講習会にプレス特別枠で参加。〈2013.8 拙稿「ビアンキスタ、面目躍如」参照〉

 震災直後にイタリア在住のワインジャーナリスト中川原まゆみさんから被災店舗への義援金の申し出を頂いた折にも仲立ちの労をS同支店長にお願いしたことも。〈2011.6 拙稿「Colletta per Giappone (イタリアから届いた義援金)」参照〉

 そうした折々に窓口となって下さったのが、20年来の知り合いであるSさんでした。電話口で差し迫った事情をお話しし、資材費と送料を当方負担で段ボールを譲っていただけないか切々とお願いしたところ、配送部署に交渉してみますとのこと。

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【Photo】一度は隘路に陥ったワインの荷造り。事態打開の決め手となった救世主・モンテ物産さまから専用段ボール箱と中仕切り材20セットが届いた。最大36本を収容するセラー1号(ニックネーム「Romolo ロモロ」ラテン語読みでロムルス)と2号(ニックネーム:「Remoレモ」ラテン語読みでレムス。ともに永遠の都・ローマ建国伝説に登場する双生児)にストックしていた72本は、難なく6箱に収容。めでたし、めでたし

 その時、庄イタがストックする同社取り扱いのイタリアワイン、Bertani Amarone della Valpollicella classico'90 やら、Avignonesi Vin Santo'92 やら、La Spinetta Barbaresco vigneto Starderi'97など、移動対象のお宝ワイン名を挙げ、同社に対する個人的な貢献をアピールするのも忘れないのでした。

 そんな交渉術が奏功したか、12本(1ケース)用段ボール箱を中仕切り材と共に送料負担だけで配送センターから20セットを拙宅あてに直送しますとのありがたいお返事をいただいたのです。Complimentiiiiii!!!!!!!!

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 こうして届いた梱包材で作業効率は飛躍的に向上。ストックしていたことを忘れていた猿酒のごとき掘り出し物がセラーの奥底から出てくる中、トントン拍子で作業は捗ったのでした。

 とはいうものの、夜中まで続く膨大な量の荷造りで、段ボールとの摩擦により指先の指紋は消え、皮は剥けて荒れ放題に。ハンドクリームが手放せなくなり、寝不足が続く3月14日のホワイトデーには、Sさんに感謝の意を込めてピスタチオ風味のイタリア菓子「Waferini ワッフェリーニ」をお届けした義理堅い庄イタなのでした。

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 そして話の舞台は仙台から関西へ。

 モンテ物産さまのおかげで1本たりとも破損することなく、ワインたちは西宮の新居に無事到着。家一軒分の家財の荷ほどきとの並行作業で、新居から至近の桜の名所・夙川(しゅくがわ)沿いに咲き揃った桜が散ってしまった4月25日過ぎまでには、同じ造り手や産地を固めるなど、整然と体系だててセラーに収容しました。

casa-shukugawa.jpg

 当然のこと、そこには階段下収納にあったワイン150本が存在しているわけです(上画像)Ariadnēへの移し替えの際、誤ってボトルを割ってしまったことが悔やまれるArnaldo Caprai Montefalco Sagrantino 25 Anni '06はやむなしとして、関西では観測史上最も暑いことが予想される今年の夏を乗り切るには、なるべく早期に手持ち分を飲み切った方が得策。

 たとえ熱帯夜でも、まだ空けるには勿体ない'97vinなど、さらに熟成可能なヴィーノ・ロッソを抜栓しなくてはなりません。

 はなはだ不本意ながら、そうした扱いとなっている例が、Quorum クオルム'99(下画像)Braida, Michele Chiarlo, Coppo, Prunotto, Vietti,そして珠玉のグラッパを世に送り続けてきたBertaが手を携え、地ブドウであるバルベーラから至高のヴィーノ・ロッソを造る目的で立ち上げたコンソーシアムは、アスティ地域の古い呼称「Hastae ハスタエ」と名付けられます。

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 著名なワイン評論家、ロバート・パーカーをして、自身のキャリアにおける最良のバルベーラと言わしめた素晴らしい出来となったデビュー作、Barbera d'Asti Quorum '97を3本購入する幸運に恵まれるも、'05vinを最後に、売り上げを後進の育成に寄贈したコンソーシアムは解散。日本国内ではもはや流通していないと思っていた超レアもの '99vin(上画像)を昨年5月に2本確保して以降、ヴィーノ・ロッソの購入を極力控えていました。

 これはひとえに過剰在庫を減らすためですが、'93年にPet Shop Boysがカバーした Go West が頭の中でリフレイン。現状を上回る在庫を抱えた状況で西へと向かうことは避けるべきという、虫の知らせもあった気がします。

 在庫削減の例外として、イタリアワイン好きならば、ご存知の方が少なくないであろう「にしのよしたか」を運営する西野嘉高氏が店主を務める大阪市生野区「西野酒店」を再訪、ブルゴーニュに引けを取らない最高峰のシャルドネVie di Romans Chardonnay '15を購入がてら、セラー収容作業で割ってしまったArnaldo Caprai の代替とはならずとも、メルロ&カベルネソーヴィニョンを混醸したレアもののOutsider 2010で早逝した大器の穴埋めをしたのでした。

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 大阪着任後、支社から最寄の地下鉄淀屋橋駅に向かってわずか200mほどの土佐堀通り沿いに「Picco ピッコ」という店があるのに気づきました。

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 足を踏み入れた店内には、見覚えのあるイタリアワインがズラリと並んでいます。なんと!! そこは東京と大阪に1店舗ずつしかないモンテ物産の直営アンテナショップなのでした。広い広い大阪の街にあって、なんという巡りあわせでしょう。

 店頭価格から常時2割引(誕生月は3割引)となる会員証の発行を済ませ、日本では最も入手しやすいナポリスタイルのカッフェ、KIMBO エスプレッソ・ナポレターノとマルサラ酒の優秀な作り手Florioが、西方70kmの沖合にチュニジアを望み、シチリアから100kmの大西洋上の孤島パンテレッリア島で造る酒精強化デザートワインMorci di Luce '11 を購入(下画像)

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 強烈な太陽と強風に晒される過酷な条件下、パンテレッリア島では、2014年に世界無形文化遺産に登録された独特なブドウ栽培法vite ad alberello を伝統的に行っています。「Muscat of Alexandria (マスカット・オブ・アレキサンドリア)」という英語名が示す通り、古代ローマ帝国領だったエジプト原産のブドウ「Zibibbo ジビッボ」を収穫後、4週間日干しして水分を蒸発させ、エキスが凝縮したデザートワインが作られます。

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 その一つ、Marco de Bartoli が手掛ける重層的で甘美な長い余韻を残すBUKKURAM(上記Quorum'99の左)は、食事を締めくくる至高の一杯となるでしょう。

 Piccoには仕事帰りに時おり立ち寄っていますが、購入を手控えているヴィーノ・ロッソではなく、クマゼミの鳴き声が体感温度をヒートアップさせる大阪の夏に飲みたいフランチャコルタやヴィーノ・ビアンコ(下画像)だけを調達していました。

 同社扱いのイタリア食材やヴィーノが30%OFFのお買い得価格となる半期に一度のセールが先週21日(金)に行われました。パスタの聖地グラニャーノ産シャラテッリ〈2010.7拙稿「珠玉のパスタ、Gragnano グラニャーノ」参照〉KIMBO エスプレッソ・ナポレターノ3パック、フランチャコルタ1本、ヴィーノ・ビアンコ2本をゲット。

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 自らに課してきた〝産地を訪れた年のワインは入手すべし〟という鉄則に基づき、手を伸ばした禁断の果実が、限定特価7,000円+税で出ていたE. Pira e Figli Barolo Connubi'06

 銘醸地バローロでも、とりわけ素晴らしいワインを生む畑カンヌビ。仙台から持ってきたストック分では、明治屋仙台店で2本購入したグレートヴィンテージ'96vinのうちの1本が、今もセラー2号Remoの中で抜栓される日を待っています。

 前述の通り、更新停止状態のワインリストを紐解くと、2022年頃まで熟成を続ける偉大なこのヴィーノ・ロッソを、当時としてのセール価格4,500円で入手していたようです。

 ユーロ導入以降、銘醸地トスカーナやピエモンテ産で顕著なイタリアワインの高騰傾向から、現行ヴィンテージの実勢価格は10,000円前後。

cannubi06.jpg

 それは伊達家家臣の末裔という設定で宮城県の観光PR動画に登場した「お蜜」こと壇蜜さんが、夏でも涼しいと囁いた仙台でさえ、この時季には食指が伸びなかったフルボディのヴィーノ・ロッソです。

 ですが、'96vin ほどの特値ではないにせよ、間違いなくこれはお買い得。逡巡したものの、再び禁制の品に手を出してしまいました。

 関西へ移動した段ボール内の精鋭たちが、体温に等しい36℃に迫る暑さで375(皆殺し)となっては元も子もありません。かといってエアコンを終日つけっぱなしにするのも抵抗があります。

 いよいよ夏本番。待ったなしの在庫削減の取り組みは、こうして一進一退を繰り返しているのです。

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Italian shop Picco イタリアンショップ ピッコ

 ・住:大阪市中央区北浜3丁目1-18 島ビル1階
 ・Phone e Fax:06-6209-0522
 ・営:11:00 ~ 18:00 土日祝休み
 ・URLhttp://www.montebussan.co.jp
 ・Mailpicco-osk@montebussan.co.jp

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