あるもの探しの旅

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モヤモヤ さまぁ~ 2019

夏のモヤモヤあれこれ


 テレビ東京系では日曜日のゴールデンタイムに放送中の「モヤモヤさまぁ~ず2」的な今回のタイトル。

 通称「モヤさま」は2007年に深夜帯で放送が始まった当初から、低予算を逆手に取った何もなさそうな地味な街に眠る地上の星を発掘すべく、三村・大竹のボケ&突っ込みを受けつつアシスタント役の女性アナの3人が面白おかしく街歩きをする内容です。

moyamoya-summers.jpg 2010年、ゴールデンタイムに進出。時間を30分拡大した翌年の2014年には初の欧州ロケでローマに遠征。順風満帆なモヤさまと同じ2007年に立ち上がったViaggio al Mondo~あるもん探しの旅は、ローマ弾丸ツアーすら果たせずにいます。

〝無いものねだりではなく、足元のあるものに光を当てる〟という、モヤさまと相通じるViaggio al Mondoの基本コンセプトは今後もブレずに参ります。

【photo】DVD「もやもやさま~ず2 世界ブラブラシリーズ 第1巻 ローマ編」2,800円(税別)©2018 TV TOKYO

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 残暑お見舞い申し上げます。

 二十四節気で厳しい暑さがひと段落する頃を指す「処暑」を過ぎ、夜の帳(とばり)が下りると秋の虫の囁きが聴かれるようになったとはいえ、日中は暑い日が続きます。1日中エアコンに頼らざるを得ない朝の最低気温が29℃、日盛りに体温はおろか40℃を越えてボディブローのように体力を消耗させた酷暑も先週からはひと段落の気配。

 8月上旬をピークとして、不順な天候となった先週をもってようやく鳴りを潜めたのがクマゼミの大合唱。つい先日まで玄関の扉を開けると耳に飛び込んできた夙川公園の松並木から響く「死ね 死ね 死ね...」と聞き取れる呪詛のごとき耳障りな鳴き声で不快指数は一気に上昇します。

※再生時に音が出ます

 熱帯夜明けの出勤を前に朝からゲンナリすること夥(おびただ)しい我が夏の天敵は、他のセミを駆逐し跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する西日本から10年ほどで南関東~北陸まで生息域を拡げています。

 ブナの原生林に輪唱がこだまするエゾハルゼミや哀感漂うアリアを詠唱するヒグラシほか、アブラゼミ、ミンミンゼミなど、いずれ劣らぬ美声の持ち主が共存する東北地方。情緒など微塵も感じないダミ声のクマゼミ軍団が東北を浸食せぬよう、早急に手を打たねばなりません。

 太平洋側「勿来の関」(福島県いわき市)から内陸の要衝「白河の関」(同白河市)を経て日本海側「鼠ヶ関」(山形県鶴岡市)までの奥羽越防衛線にメスが発するフェロモンでオスをおびき寄せる「クマゼミホイホイ」を大量設置し、クマゼミ浸入を食い止める大捕獲作戦に打って出なくては、と真剣に危惧している今日この頃。

※再生時に音が出ます

 クマゼミと同様、人間も環境に順応する生き物ゆえ、クマゼミと共生してきた大阪ネイティブの方に言わせれば、庄イタの耳にはただ耳障りなだけのクマゼミの蛮声も季節の風物詩にしか感じないと口を揃えます。

 災害級とさえいわれた昨夏を乗り切り、関西の蒸し暑さニモマケヌ〝心頭を滅却すれば火もまた涼し〟の極意は体得するも、〝心頭を滅却すれどクマゼミはただ鬱陶し〟の域から脱せていない令和最初の夏なのです。

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 日本のみならずアルプス以北の欧州でも40℃を超す熱波に襲われ、猛暑による犠牲者が出たこの夏。男女問わず小麦色に焼けた肌を自慢し合うイタリア人の目からすれば、過剰反応としか映らないであろう日傘を差す男性を少なからず大阪では目撃しました。

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【photo】不要不急の外出を控えるよう呼びかけがなされた7月某日、梅田地下街から地上に出た大阪市北区堂島。前方を歩く男性が強烈な大阪の日差しを避けるべく日傘を手に歩みを進める。昨年までは残っていた日傘男子の奇異感は薄れつつある中、東京都は2020東京五輪に向けて頭に被るタイプの日傘を発表。いっそ男性は日本伝統のフルフェイス虚無僧笠や時代劇に登場する浪人笠(京都「東映太秦映画村」のお土産で入手可)、女性はベトナム風編み笠+ボヘミアン調レースの涼しげなシースルーのアオザイに挑戦するのは攻めすぎだろうか

 盆地ゆえに暑さが頭一つ抜きん出る京都やフィレンツェの夏の猛烈な暑さを経験している庄イタ。関西で迎える3度目の夏は、昨年と比べればまだ過ごしやすく感じています。

 日中戦争から太平洋戦争における日本人だけで310万人に上った犠牲者を悼み、不戦の誓いを新たにする8月15日は、聖母マリアが帰天した聖母被昇天の祝日「Ferragostoフェッラゴスト」でカトリック国のイタリアでは祝日となります。日没が早まるこの頃を境に朝晩は秋の気配を少しづつ感じるようになるのが通例なのですが、今年はどうなのでしょうか。

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 ただでさえ高止まりする不快指数をより一層上昇させる出来事が、この夏2件ほどありました。

 まずは直接の実害があった話から。20年稼働した206本収納可能なワインセラーが耐用年数を超え、アンモニア熱吸収式の冷却機能が正常に働かなくなっていることに気付いたのが、6月16日の夜。14℃に設定していた庫内温度が実際には24℃ほどだったのです。

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【photo】記録的な猛暑となった昨年夏は3台のワインセラーがフル稼働。冷却ユニットに負荷がかかったためか、最も収容本数が多いセラー、名付けて「Ariadnē アリアドーネ」ちゃんに不具合が発生。設置してある部屋にはエアコンがないため、引っ越しで大活躍した後は保管していたモンテ物産の段ボール箱16箱に約200本を移し替えてエアコンのある部屋に移動《2017.7拙稿「イタリア瓶属大移動 神様 仏様 モンテ物産様」参照》。修理が完了し、設定温度に下がるの確認してから再び15mの距離を往復した。セラーに収まりきらない過剰²在庫は、中が発泡スチロールで断熱性が高いPeckの6本入ケースに収容。そうした2軍扱いは新規購入を抑えているため4箱分までに減った

 6月中旬の入梅前とはいえ最高気温が28℃に達する日もあり、時価総額にしてそれなりの額になるワインの熱劣化が懸念される非常事態でした。そこで翌日メーカーに急ぎの出張修理を依頼。背面の冷却ユニットと庫内のコントローラーを交換してもらいました。

 修理を待つ数日の間、庫内のワインは全て取り出して引っ越し時に大活躍した段ボール箱へと移し替え、24時間エアコンを稼働させた部屋に移動。睡眠不足を招いた真夜中の棚卸し作業により、過剰在庫の再確認ができたのは怪我の功名と言うべきでしょうか。

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 そうして冷却機能が復旧した後、中に入っていたBarolo'64やSolaia'97などを抜栓しました。いずれも状態は素晴らしく、'60年代ヴィンテージ以降の優良年をかき集め、熟成したお宝が劣化する最悪の展開は避けられたようです。

 それでも、修理クルーお2人による出張修理費用と部品交換代として、当然のこと出費として想定していなかった大枚が泡と消えたのです。

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(なぜか家電の不具合は重なるもので、現在は賃貸で人様にお住まい頂いている仙台の拙宅2階のエアコンまでが同時期に故障(TT)。ええぃ、こうなりゃ平成初期に購入した1階リビングのエアコンも増税前にまとめて消費電力が少ない最新型に買い替えだっ!!! こうして三重苦となった出費の憂さ晴らしのため、寝耳に水だった故障発覚から修理完了までの皆様にとってはどうでもいいであろう事の顛末は追って詳報。.....するかも)

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 そして2つ目が佐川宣寿(のぶひさ)元近畿財務局理財局長らが関与した森友学園への国有地売却にからむ財務省近畿財務局による背任や有印公文書変造・同行使に関し、嫌疑不十分だとして大阪地検特捜部が再び不起訴とした一件。

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【photo】学校法人森友学園に払い下げられた国有地に建設が進んでいた小学校「瑞穂の國記念小學院」(撮影:2019年8月)。不透明な国有地売却の経緯にまつわる疑惑が明るみとなった2017年2月から4月の開校を目前に校舎建設はストップ。工事代金の支払いや大阪府からの補助金返還を求められ16.5億の負債を抱えた森友学園は民事再生法による自主再建を目指す。財務省は原状復帰での土地の返還を学園に求めているが...
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 現政権がモリカケ問題の幕引きに躍起だったのは誰の目にも明らか。財務省関係者らが文書改ざんに手を染めた経緯が明らかにされるべき司法の場で、いわく付きの国有地だったにせよ国民共有の財産が8億2千万円も値引きされ、首相夫人が名誉校長を務めていた小学校「瑞穂の國記念小學院」の開校を準備していた森友学園側へ2016年6月に売却されました。その経緯をつまびらかにする機会を検察自らが放棄したのです。

 第二次安倍政権は「内閣府人事局」を2014年に新設。検察庁を含む官公庁の幹部職員人事に時の政権の意向が反映する弊害を危惧する声が聞かれます。日本国憲法15条2項には〝公務員はすべて国民全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない〟とあります。人事権者への忖度が働いたとしか思えない大阪地検は、法の番人としての存在意義を問われているのです。

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 2017年2月の衆院予算委員会に参考人招致された佐川氏は「交渉記録は全て廃棄した」と答弁。泥を一身にかぶった格好の佐川氏は、内閣府人事局のとりなしで財務官僚トップの事務次官に次ぐポストとされる国税庁長官に就任するも8カ月後に依願退官に追い込まれます。昨年3月、同氏は国会証人喚問の席上、刑事訴追の恐れがあることを理由に55回も質問への証言を拒んでいます。

 不起訴が確定し、訴追される可能性が消えた今だからこそ、近畿財務局の担当職員が自死に追い込まれ、それが労災だったと国が認定したほどの深い闇を抱えた重大な事案の経緯と真相を改めて国会の場で明らかにすべきだと考えます。

 良識ある国会議員諸氏(←とはいうものの、欠陥の多い小選挙区比例代表制の恩恵に胡坐をかく政権与党内は「魔の三回生議員」は言うに及ばず、大政翼賛会ばりの有象無象ばかり。確固たる対立軸の登場を期待するも、7月の参院選では組織票が有利となる相も変らぬ低投票率のもと、支離滅裂なN国党がまさかの議席を獲得。永田町では今や絶滅危惧種か?)、そして見識の高い有権者の皆さま、いかがでしょうか。

【Movie】森友学園前理事長、籠池泰典と諄子夫妻による補助金不正受給に関する裁判の第3回公判が8月26日に行われる大阪地裁。クマゼミが発する「死ね死ね...」と聞こえる呪詛の声には耳を貸さないであろう巨悪に屈した大阪地検は刑事被告人を追求する資格があるのだろうか

 3期までと定められている自民党総裁任期の延長を党の幹事長が公言してはばからない日本とは対照的にイタリアでは昨年6月に発足した連立政権を率いるコンテ首相が8月20日に辞任を表明しました。

 南部に支持基盤を有する反エスタブリッシュメント(既存勢力)政党の「五つ星運動」と北部が基盤となる右派「同盟」のハイブリッド型の大衆迎合連立政権は、成立当初から危うさを指摘されていましたが1年足らずで懸念が現実となった格好です。

※再生時に音が出ます

【Movie】反移民・反イスラム・反同性婚など保守的な主張を掲げ、北イタリア地域を中心に支持を広げてきた極右政党「同盟」。ルイージ・ディマイオ副首相率いる反既成勢力政党「五つ星運動」との連立によるジュゼッペ・コンテ内閣のもとで副首相兼内相に就任したマッテオ・サルヴィーニ同盟党首は、さらなる党勢拡大を目論み8月8日に内閣不信任案を提出。これを受けてコンテ首相は20日の上院議会で辞任を表明。不安定なイタリアの政局が一気に流動化した

 G7の中ではイタリア同様に日本も首相が頻繁に入れ替わっていた時期がありました。権限拡大に奔走する習近平率いる中国やプーチン体制のロシア両国の専制独裁は言うに及ばず、昨年9月の自民党総裁選で対抗馬となった石破茂氏が領袖の石破派所属議員への冷遇ぶりからも明らかな通り、権力の座に長く居座る政治にはマイナスの側面が少なからず出てくるもの。

 参院選で安倍首相が札幌で行った街頭演説に対してヤジを飛ばした複数の聴衆を警察権力が現場から排除したかと思えば、名古屋では政治がらみのデリケートな題材だけに賛否両論渦巻いた作品が含まれていたにせよ)政治が芸術に検閲という形で介入した戦前の日本やナチスドイツ時代を想起させる出来事も。そうして令和初の夏は終わろうとしています。

 日本は立憲主義に基づく国民主権を掲げる民主国家であるはず。法のもとで正義が貫かれ、多様な声が封殺されず、せめて言いたいことが言える風通しの良い世の中であってほしいものです。

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 世間では胡散臭い鬱陶しい出来事が目についた夏でしたが、次回「地球温暖化はメッシュ生地で乗り切るべし」では、限りなく不透明に近いグレーな闇と立ち込めたままのモヤモヤを吹き払うべく、真っ白でシースルーな話題に切り替えます。 

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