河北新報

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2008年3月 1日

【ネット活用】

地域SNSフォーラム

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 全国の地域SNSの運営者らが集う「第2回地域SNS全国フォーラム」が2月28、29の両日、横浜市で開かれました。初日午後のパネルディスカッションで、河北新報社の地域SNS「ふらっと」について報告する機会を得ました。ちょっとドキドキの「デビュー」でした。フォーラムでは事務局が考え抜いたテーマごとに各会場で熱心な報告や意見交換が続きました。「どこかで見た光景だなあ」。既視感?感度の悪いことに我ながらあきれますが、2日目午後の発表を聞きながらやっと思い当たりました。「地方の時代」と言われるようになった1970年代以降、盛んに開かれてきた地域おこしや街づくりのフォーラム、全国交流会の雰囲気とよく似ているのでした。

 地域SNSを構想し運営に携わる人たちは自分が住む地域を少しでもよくするための「場」や「プラットホーム」としてSNSを考えます。大手のSNS事業者が全国規模の尺度を持ち、その中に細分化されたテーマとして「地域」が設定されるのとは逆です。まず自分の地域ありきで、地域運営の手法としてSNSを考え、その活用策を模索しているのだから、その活動報告や意見交換の場がかつての地域おこしフォーラムや全国交流集会と似るのは当然です。

 そこであらためて気になったのは、これまで地域おこしを熱く語ってきた人たちはインターネット活用の流れにうまく乗り切れているだろうかという点です。仕事やプライベートで知り合ったあの人、あの顔が浮かんでは消えました。SNSをばりばりと使いこなせるほど、ネットは得意じゃないんじゃないかなあ・・。各地の地域SNSの参加者数は一部の例外を除けば多くても数千人規模でしょうか。地域SNSなのだからその地域や狙いに即したスケールでいいとしても、いわゆる「デジタル格差」がハードルになるのはまずい。地域SNSが新しい「デジタル格差」を生むのではお話にもなりません。

 ブログやSNSが日本でも爆発的に普及したといわれています。それでも、実際に地域に根差したSNSを運営してみると、SNSをどう使ったらいいか分からない人たちがまだまだ多いのを痛感します。若い世代を中心にうかがえるウェブからケータイへの移行の流れもなかなか厄介です。「地域SNS」の運営ノウハウやシステムはデジタル格差や今後発生する新しい問題をしっかり受け止めることができるでしょうか。

 2日目の夕方から開かれた「市民活動とICT【注】の利活用-地域SNSの可能性」の議論で、地域SNSを支えるサポート体制の必要性が強調されていました。2009年6月に横浜開港150周年を迎える横浜市は、地域SNS「ハマっち!」を活用して、市民の創意や実践が生まれる場づくりを目指しています。SNSを使えない、ITが得意でない市民へのサポート体制が必須というわけです。

 都市を支えるさまざまな仕組みが重層的に存在する横浜の事例が他の地域SNS運営の参考になるかどうかは分かりません。しかしSNSを活用しながら地域の活性化や住民参加の推進を本気で考える以上、地域の人々がSNSを十分に使いこなせるような環境づくりを、地域全体で実現する必要があります。地域の情報化に関心のある市民やNPO、行政、企業などとの連携がうまくいくかどうか。ポイントはそこにあります。

【注】「ICT」は「Information & Communication Technology」の略。情報&コミュニケーション技術。

投稿者 yoyu : 2008年3月 1日 00:15