河北新報

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2012年4月 9日

【ソーシャル, 新聞&ネット】

大震災と「つむぐ」/キュレーションメディアへ

tsumugu02.jpg 河北新報社が始めたフェイスブックページ「つむぐ 震災を超えて」を紹介します。東日本大震災に関するオンラインの情報を、集約し、ご覧いただくために考えたサイトです。 「つむぐ」はもちろん「紡ぐ」です。東日本大震災によってもたらされた現実を反映した取り組みや、そこから伝わってくる多様な声を集め、風化することのないメッセージの流れと人の結びつきを編んでいこうと考えました。URLはhttps://www.facebook.com/tsumugu.tohokuです。ぜひ一度おいでください。

 震災から1年以上が過ぎました。被災地の風景はだいぶ変わったように見えるかもしれませんが、被災者を取り巻く環境は以前として過酷です。そんな中で、震災からの再生に向けた動きも多様に進んでいます。「つむぐ」では第1段階として、河北新報社の編集局デジタル編集部の記者たちがこれはと思うオンライン上の情報を毎日、紹介しています。最近、はやりの「キュレーション」をちょっとだけ意識しています。3月末で発展的に解散したメディア局で、SNS「ふらっと」やTwitter、Facebookの運用を担当してきた記者たちです。

 担当者の視界の広がりには差があるし、オンラインの世界へのアンテナの張り方にも個人差があります。被災地にいるとはいえ、新聞社の内側にいて見えることの限界もあるはずです。最近、いろいろに使われている「キュレーション」する人「キュレーター(curator)」のもともとの意味は「学芸員」です。美術館や博物館で専門的知識を生かしながら作品を紹介したり、解説したりする人たちです。

 今、主にオンラインの世界で使われている「キュレーション」には、あらかじめ決まった教科書があるわけでもありません。言うは易くです。簡単にできるとは思えませんが、被災地に向き合う地域メディアとして、あまり制約を設けずに新しい仕事領域を開拓するつもりでちょうどいいでしょう。

 「つむぐ」の本番環境は第2段階に設定してあります。趣旨に賛同するオンラインの使い手のみなさんとの共同作業の場にしたいのです。新聞社の内側にいてキャッチできる情報は高が知れています。オンラインの特性を生かして外に向かって自分たちの仕事を開いていく必要がある。外部の人とのコミュニケーションを通じて仕事レベルを引き上げていく-。河北新報の地域SNS「ふらっと」を立ち上げたときと同様の問題意識です。

 日々の暮らしの中で震災に向き合ってきた人々との共同作業が必要です。それを通じて地域発の「キュレーションメディア」とでも言うべきものを作れないか。地域で震災に向き合う多くの人たちに「紡ぎ人」になってもらい、地域に深い関心を持つマスメディアとしても、その得意技を生かす場面を模索する。「河北新報社」の文字が「つむぐ」のイメージカットに入っていない理由です。

投稿者 yoyu : 2012年4月 9日 15:49