新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。「ステイホーム」の要請が行われる中、自宅などで仕事をする「テレワーク」( telework )が広がっています。

 そんな中、今年9月に発足した菅義偉政権は、役所に行かなくても手続きができる行政のデジタル化を掲げました。河野太郎行政改革相の並々ならぬ意気込みにより、行政手続きの99%から押印を廃止する方針が決定。「脱ハンコ」社会の幕開けです。

 ハンコ(判子)の歴史・由来について探ってみました。「印」というと思い出すのは歴史の授業で習った「漢委奴国王印」。弥生時代に福岡平野を統治した奴国の王が、当時の中国皇帝から贈られたものと考えられています。どうやら判子は中国から伝わったもののようです。

 ここでさまざまな疑問が浮かんできます。ハンコの代わりに欧米ではもっぱら「サイン」が使われている...この違いはどこから来ているのか?

 日本にも「サイン」があります。大名たちがこぞって使った「花押」。これがなぜ一般庶民に行き渡らなかったのか、日本人にはサインが馴染(なじ)まなかったのはなぜか...これは比較文化論といった大きなテーマに発展しかねませんね。

 ここからはこのコラムのテーマである「いんぐりっしゅ」の話に。

 ハンコにあたる英語は stamp もしくは seal です。一方「サイン」はちょっと複雑。「ここにサインを」は" Sign here, please. "ですが、名詞「サイン(=署名)」は signature(シグナチャー)と言います。

 つまり、sign は動詞では「署名する」ですが、名詞では「記号」「合図」「標識」などの意味になるのです。

大津幸一さん(大津 イングリッシュ・スタジオ主宰)

【石母田星人 選】

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枯葦のそのまま赦す大河かな   多賀城市八幡/佐藤久嘉

【評】岩手県北部の山に源を発して、追波湾に注ぐ全長249キロの流れ。豊かな土地を形成して、母なる川と親しまれている。下五の「大河」はこの北上川をさす。小さな流れとは全く違う悠久の大河だからこそ枯葦の存在を赦(ゆる)すことができるのだ。枯葦というと寒々とした情景が浮かぶ。だがこの句は一面の枯葦が大河の懐に包まれているようで温かい。

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一夜にて裸となるや大銀杏   石巻市桃生町/高橋冠

【評】神社や寺院、学校などにある銀杏だろうか。「大」とあるので歴史ある巨木なのだろう。それまで徐々に散っていた金色の葉が、霜の降った朝に一気に散り尽くした。辺りには金のじゅうたん。見上げると枝ばかりになった巨木。切字「や」には驚きも乗る。

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古書市を横歩きして十二月   東松島市矢本/紺野透光

【評】本好きにはたまらない古書市。ゆっくり立ち止まりながら手にとって眺めたいところだが、気ぜわしい。季語「十二月」の雰囲気に寄り掛かった一句。

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枝伐りて陽光広く冬構   石巻市丸井戸/水上孝子

【評】冬ごもりの一環として枝を払ったのだろう。庭木の枝を伐ることは陽光を得るとともに、空の形を整えることでもある。新たな空の表情を楽しめそう。

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白鳥の到来待つや沼静か   仙台市青葉区/狩野好子

熊除けの電柵を張る定義道   石巻市相野谷/山崎正子

霜月の果ての活況さんまかな   石巻市広渕/鹿野勝幸

色変へぬ松に天女の忘れもの   石巻市中里/川下光子

子を思ひ眠れぬ風の浮寝鳥   石巻市蛇田/石の森市朗

炬燵の児海豚と遊ぶ夢の中   石巻市小船越/芳賀正利

初雪やライトアップの五大堂   東松島市矢本/雫石昭一

寒牡丹鳴子こけしの絵付けして   東松島市新東名/板垣美樹

凩に向って駆ける少年団   石巻市吉野町/伊藤春夫

喉奥に濃茶の香り小春かな   石巻市桃生町/佐々木以功子

気嵐に見送りされし船出かな   石巻市門脇/佐々木一夫

冬の波湾をせばめて筏浮く   石巻市南中里/中山文

青空を我が物顔や冬烏   石巻市北上町/佐藤嘉信

己が囲はつひに十字架冬の蜘蛛   石巻市開北/星ゆき

野の星を数えて帰る農納め   東松島市矢本/菅原れい子

黄菊抱き海向く津波地蔵かな   石巻市渡波町/小林照子

【水戸一志 選/評】

 ◎コロナ禍でやるせないだけの暮れに、ボーナスの笑顔とは意表を突かれた。現役か、昔の思い出かは不明だが、年金生活が多い川柳読者を一瞬、古き良き時代に誘う一句である。ボーナスには温かさがあった。せめて今夜は、コロナを忘れよう。

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◎ ボーナスに希望をもらうありがたさ   石巻市垂水町/かとれあ

  GoToへ迷路ばかりの笛が鳴る   石巻市開北/よしのやまももゑ

  第3波首長県議に隙があり   石巻市桃生町/高橋冠

  渡り鳥ウイルスみやげいらないよ   石巻市蛇田/鈴木醉蝶

  リモコンが老いの一日よく見てる   仙台市青葉区/鈴木邦雄

  おめでとうが白々しいか年賀状   石巻市築山/飯田駄骨

  片方の耳から逃すきき上手   東松島市矢本/菅原れい子

  医療者に感謝感謝でニュース見る   石巻市不動町/新沼勝夫

 「大津君、いいものを見せよう」

 50年ほど前、大学の先輩Aさんが自室の書棚から取り出したのは薄いプラスチック・ケースに入った小さな「円盤」。「LPレコードより便利で、音質も格段いいよ」

 これが私とCD( compact disc )の出合いでした。折しもコンピュータ時代の幕開け。このディスクは、レコードに代わる音源として永遠に続くように思われました。

 ところが、最近、若い世代のあいだで「CD離れ」が進んでいるとの報道に接し、いささか驚いています。実際どうなのかと、親しい大学生たちに尋ねてみたところ、次のような言葉が返ってきました。

 「『簡単、便利、速い』が今どきの若者が求めるコンセプトと言えるかも」

 「お金をかけてCDを買わなくとも、ケータイがあれば、いつでもどこでも好きな音楽が楽しめるんですよ。たとえばユーチューブなんかで」

 ユーチューブ( YouTube )の存在は知っていたし、時折、アメリカの社会風刺番組の一つであるSNL( Saturday Night Live )などを楽しんできました。しかし、音楽となるとCDには及びません。

 でも、最近、あるギタリストの曲をユーチューブで聴いて「発見」しました。音色を楽しめるだけではなく、演奏する姿、指使い、表情がくまなく映し出されるのです。CDにないその「情報」はうれしいものでした。

 10代、20代の若者たちにとっては、アイドルの歌だけでなくパフォーマンス( performance )そのものが楽しめるわけですね、しかも無料で。

 CDが無くなることはないとしても、ネット時代の影響を少なからず受けつつあるのも事実です。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)

【水戸一志 選/評】

 ◎クリスマスシーズンを迎え、子どもたちがサンタクロースの感染を心配している。コロナのせいで来なかったら大変だ。ヨーロッパ各国では、首相らが「その心配はない」とツイッターで応答しているという。石巻のサンタも抜かりはあるまい。

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◎ サンタさんマスク必ずしてきてね   石巻市開北/安住和利

  永田町サクラの花がまだ散らぬ   石巻市桃生町/西條和江

  お買いもの見わたす限りメモを手に   石巻市中里/津田つね子

  高台に海の匂いが遠すぎる   東松島市矢本/畑山講也

  コロナ対策政府の投網目があらい   石巻市向陽町/佐藤功

  第3波遠くの知事が次々と   東松島市赤井/佐々木スヅ子

  来年の今日が不安なカレンダー   東松島市あおい/添田潤

  ぐち言えばきいてくれるか満月よ   石巻市渡波町/小林照子

 英語を習いたての頃、何でも英訳したい気持ちに駆られました。

 手始めに自分の苗字「大津」を。「大」は Big あるいは Large でいいのですが、「津」が訳せません。というより、そもそも「津」という漢字の意味が分からなかったのです。「英語読みの日本語知らずになるなかれ」という教えがありますが、まさにそれ。若輩ながら、とても恥ずかしい気持ちになりました。辞書を見たら「津」は「船舶の碇泊する所」「港」を意味するとのこと(広辞苑第7版)。なるほど地名に「焼津」「唐津」などがある。「港」を表す英語は主に二つ。harbor と port。「大津」は Big Harbor もしくは Big Port...後者の方が簡潔なので、Big Port にしました。名前の「幸一」は Happy One とし、自分の英語名を Big Port Happy One と「命名」したしだいです(今では、Happy One が自他ともに認めるニックネームになっていますが)。

 私はかねがね授業で「英語を学ぶことは日本語を振り返ること」と説いてきましたが、この考えの原点はまさに上記の苦い経験にあります。

 さて、英語の苗字には面白い起源のものがあります。いくつか紹介しましょう。

Brown:顔や髪の色が茶色の人
 
Carter:運び屋

Clark:聖職者、書記

Cooper:桶やバケツを売っていた人

Green:緑の多い村や草地に住んでいた

Hill:丘の上に住んでいた

Lee:森の中の開けた場所に住んでいた

Parker:狩場(park)で番人をしていた

Stewart:建物や不動産の執事

Turner(ターナー):革を使った仕事をする人

White:肌や髪の色が薄い人。

 職業や住んでいた場所に由来するとは面白いですね。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)

Six Unlimited Concert Tour 
シックス アンリミテッド コンサートツアー
~オールスターズの企て~

6人のトップ・アーティストが放つ奇跡のコンサート

シックス アンリミテッド サステナブルでアーティスティックな、大人の悪戯
それぞれの道で頂点を極め、型破りな音楽センスで時代を牽引し続ける6人の男たち。呼び名の通りハンパなく無限大(アンリミテッド)な奇跡の音楽バンド「Six Unlimited」が始動する。 限界知らずの奇才たちがサステナブル(持続可能、恒久不滅)で、アーティスティック(ゲージュツ的)なコンサートを企てる。エンターテイメント性溢れるパフォーマンスが炸裂、皆様を魅了すること間違いなし。どうぞ、ご期待あれ!

メンバーはそれぞれのジャンルの頂点を極め、型破りな音楽センスで時代を牽引し続ける奇才な男たち。
悠久の音楽と独自の世界感を融合させ唯一無二の音色を生み出す東儀秀樹(雅楽)。ベルリン・フィルからも一目置かれる演奏、ダンディな色香漂う古澤 巖(ヴァイオリン)。作曲家としても才能を放ち、変幻自在の芸術的テクニックで奏でる塩谷 哲(ピアノ・音楽監督)。 ジャンルの枠を越え、世界で活躍する小沼ようすけ(ギター)。圧倒的なリズム感で世界のグルーヴを感じさせる大儀見 元(パーカッション)。サウンドの屋台骨として奥深く情熱的な音色を響かす井上陽介(ベース)。まさにオールスター勢揃い!

【石母田星人 選】

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乳児期の歯ブラシ丸し冬木の芽   東松島市新東名/板垣美樹

【評】生後半年ほどで乳歯が生え始める子もいる。最初は親が磨く。自分で歯ブラシを持ちたがるようになると、この句に詠まれているような柄が短くて丸いブラシの出番となる。ひとりで歯を磨く赤ん坊は実に頼もしい。下五の季語「冬木の芽」もまた頼もしい。じっと動かないイメージだが、この季語には春を待つ躍動感が秘められている。乳児の歯磨きと冬木の芽。そのたくましさの中に輝く未来が見える。

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トラックへ銀鱗放つ秋刀魚船   東松島市あおい/大江和子

【評】全国で記録的不漁が続いていた秋刀魚だが、ここにきて女川魚市場が大健闘。水揚げ量、金額とも昨年を上回っている。「銀鱗放つ」という勢いのある表現で、遅れてやってきた水揚げの熱気を伝える。

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鶏の居ぬ鶏舎の奥の小春の陽   石巻市小船越/三浦ときわ

【評】「鶏の居ぬ鶏舎」に注目。この表現で読者にたくさんの鶏がいた頃の光景を想像させている。そのイメージのおかげで「小春の陽」にも動きが加わる。

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大いなる水の地球に冬立ちぬ   石巻市小船越/芳賀正利

【評】立冬の朝に、近くの川か海を前にしての一句だろう。「きょうからいよいよ冬だ」という緊張感がいつもの風景を新鮮なものと感じさせてくれた。

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月とただ一直線にある震禍   多賀城市八幡/佐藤久嘉

海鳴の聞ゆる岬石蕗の花   東松島市矢本/雫石昭一

新走ならぶ神殿祝詞かな   仙台市青葉区/狩野好子

一葉忌ひらひら育つ月日かな   東松島市矢本/紺野透光

鬼房の句碑に小春の日が溜る   石巻市桃生町/西條弘子

牡蠣肥えし森の想ひの深きこと   石巻市丸井戸/水上孝子

勝者より敗者山ほど濁り酒   石巻市開北/星ゆき

菊人形討つも討たるも美しき   石巻市吉野町/伊藤春夫

いわし雲外国船が着岸す   石巻市蛇田/石の森市朗

事務室の薬缶真ん中木の実雨   石巻市中里/川下光子

白が映ゆ浄土ケ浜の小春かな   石巻市広渕/鹿野勝幸

姫神山を撮る冬空の青を背に   石巻市南中里/中山文

雲海を乗せてゴンドラ紅葉狩り   石巻市門脇/佐々木一夫

セーターのトンネル抜けて今朝の顔   石巻市中里/上野空

店頭に焼藷を置く道の駅   石巻市蛇田/高橋牛歩

初霜や庭の花々息絶えて   石巻市桃生町/高橋冠

【水戸一志 選/評】

 ◎コロナの一年を振り返るのにふさわしい句力を感じる。順風、逆風を繰り返す人生の波は今気付いたわけではないが、閉塞状態が長引き、気分転換というギアが必要になった。空気を入れ換えるとせず、裏返すという独創が力強い。

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◎ 生きて行く空気ときどき裏返す   石巻市あゆみ野/日野信吾

  危機管理受講し直せ県議会   東松島市赤井/片岡シュウジー

  きかん坊白旗あげず駄々こねる   石巻市蛇田/菅野勇

  五十肩初孫抱けば治療薬   東松島市赤井/まんだきほ

  もったいない青々とした大根葉   東松島市赤井/くどうさきこ

  うまいけど誤嚥が怖い八十路餅   石巻市蛇田/鈴木醉蝶

  高校書道にじむ希望が果てしない   石巻市垂水町/かとれあ

  美容院帰ればそっと褒め言葉   多賀城市八幡/佐藤久嘉

指揮者なしのベートーヴェンの奇跡

人気実力派ピアニスト・小菅 優が初共演!
不朽の交響曲「運命」とピアノ協奏曲、さらに大バッハの代表曲など珠玉のプログラムをお届けします。

プログラム(予定)
◆J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067
(フルート独奏/ビルギット・ラムスル-ガール)
◆ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
(ピアノ独奏/小菅 優)
◆J.S.バッハ:オーボエとヴァイオリンのための協奏曲ニ短調BWV1060
(オーボエ独奏/ベルンハルト・ハインリヒス、ヴァイオリン独奏/フォルクハルト・シュトイデ)
◆ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」Op.67

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トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン
ウィーン・フィルとウィーン国立歌劇場のメンバーを中心に、トップアーティストにより本公演のためだけに特別に編成された、世界最高峰のオーケストラです。ウィーン・フィルのコンサートマスターであるフォルクハルト・シュトイデ芸術監督のもと、指揮者なしだからこそ奏でられる絶妙なアンサンブルと自由な音楽性、さらに全員が精鋭メンバーゆえのダイナミックな演奏が特長です。