カタカナ語考(中) コロナ騒ぎの中で

 前回紹介させていただいた拙著「カタカナ語 目からうろこ」に、「オシャレ効果」というのがあります。例えば「コンパニオン」。ラテン語の com-(共に)+panis(パン)に由来する英語の companion で、「共にパンを食べる仲間」から「同伴者」「道連れ」などと訳されています。今日、宴席に付き添う女性たちを「コンパさん」などとも呼んでいますが、「同伴者」よりずっとオシャレですね。

 さて今回はコロナ騒動で知られるようになった「ロックダウン」を取り上げましょう。

 メディアでは「都市封鎖」という和訳を添えていますが、英和辞典などにはあまり載っていないようです。そこで、大学時代からの親友で、NHKラジオの人気番組「遠山顕の英会話楽習」の講師・遠山顕氏に尋ねたところ、次のような回答を得ました。

 lockdown という言葉は刑務所がスタートのようで、ネイティブたちのイメージも同様です。また、権威ある辞典の一つとされる「ウェブスター英語辞典」には、第一の意味に「保安上の対策として囚人たちを長時間にわたり房に閉じ込めること」とあります。
 というわけで、lockdown にはただならぬ響きがあり、ここでの down は「根元まで、ガシッと、しっかり」といったイメージです。「嵐など危険から身を守るためじっと(しゃがんで)耐える・我慢する」を hunker down と言いますが、この down を想起させるかなと個人的には感じています。

 日本で「都市封鎖」を「ロックダウン」としたのは、漢字4文字の重々しい響きを和らげたつもりでしょう。このような場合について、私は「オブラート効果」と名付けましたが、「ロックダウン」では肝心な意味が伝わりにくくなったかもしれませんね。