コラム:意志あれば...

 菅新首相が座右の銘としているのが「意志あれば道あり」とのこと。

 " Where there's a will, there's a way. "

 よく知られた英語の名言ですが、第16代アメリカ合衆国大統領のリンカーンの言葉という説もあります。要するに「やる気」があるかどうかということでしょう。「コロナ禍」をはじめとする多難な時代、菅首相の率いる内閣が公僕( public servant )として国民のためにテキパキと仕事をこなしていけるかに注目したいと思います。

 さて、菅氏についてメディアが私的なことも含めてさまざまに報じていますが、その中のいくつかの言葉について「いんぐりっしゅ」との関係で探ってみましょう。

 まず、政治家には珍しく「下戸」とのこと。「下戸」の「戸」とは古(いにしえ)の「律令制において婚礼の際の酒量を決めたことに由来し、酒をよく飲む人を「上戸」と言うのはご承知の通りです。英語で「下戸」は普通 no-drinker と表します。

 菅氏の場合、海外でのレセプションで乾杯程度は飲むでしょうが、先方には「甘党」というのが伝わっていて、テーブルには秋田産のイチゴが乗った「パンケーキ」が置いてあるかも。この「パンケーキ」、子どもの頃、わが家ではもっぱら「ホットケーキ」でした。「パンケーキ」は「パン( pan =底の平らな鍋)で焼いたケーキ」で、ホットケーキはパンケーキの一種とのこと。

 また、菅氏について「たたき上げの人」と報じられていますが、辞書などには self-made man とあります。「自ら自己をつくり上げた人」ということですが、鍛冶屋で熱せられた鉄をハンマーで鍛えるような「たたき」という語感が伝わってきません。とはいえ、どう表したらいいか。今のところ名案が浮かびません。

 東北出身の同世代として親しみを覚える菅さんですが、今後の「意志あれば...」精神に期待したいところです。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)

俳句(9/27掲載)

【石母田星人 選】

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スクラムの熱き血滾る実葛   石巻市丸井戸/水上孝子

【評】ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会が繰り広げられていたのは昨年の今頃。釜石鵜住居復興スタジアムでの、フィジー対ウルグアイ戦は胸を熱くしてくれた。この句の中七「熱き血滾る」はスクラムにも実葛(さねかずら)にもかかっている。実葛の実は艶のある赤い小さな粒の集合体。その形状がラグビーのスクラムのようだと感じた作者。ユニークな発想が生きた。

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雁渡し夕日はいつもななめなる   東松島市矢本/紺野透光

【評】雁渡しは、雁が渡ってくる頃の北風を言う。初秋から仲秋にかけて吹く。この句の下五は「ななめなる」と連体形止め。終止形「なり」でしっかり止めないのは、中七以下に捉えた感動を、上五の雁渡しにやわらかく循環させようとしているからだ。

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コンバイン秋風連れて進みをり   石巻市蛇田/高橋牛歩

【評】コンバインで稲刈り作業。どなたに聞いても「収穫するときの喜びは何物にも代え難い」と話してくれる。「秋風連れて」の表現にその喜びが見える。

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秋風の足跡続く渚かな   東松島市矢本/雫石昭一

【評】くっきりと続く足跡。飛んでばかりではなく歩く秋風もいるのだ。上五中七は風紋の意だろうが、自由に読めば現象を超えて空想に浸ることもできる。

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虫の秋ダンスフロアの傷多し   東松島市新東名/板垣美樹

天の川妻の口より数へ歌   石巻市小船越/芳賀正利

波が波呼んで三陸夏終はる   石巻市蛇田/石の森市朗

身にしむや今日の命とちちろ虫   石巻市渡波町/小林照子

逆らいてまた頷いて吾亦紅   多賀城市八幡/佐藤久嘉

人さらひ来てゐるつるべ落しかな   石巻市中里/川下光子

命火を闇に溶かして恋蛍   石巻市門脇/佐々木一夫

爽やかに堰を抜けゆく水の音   仙台市青葉区/狩野好子

ほんとうは泳げぬ海月白昼夢   石巻市開北/星ゆき

せせらぎのリズムに河鹿声かぎり   東松島市矢本/菅原れい子

ためらはず女三人心太   石巻市向陽町/佐藤真理子

新涼や松が枝うつす池の面   石巻市三ツ股/浮津文好

北上川の水嵩多し厄日かな   石巻市吉野町/伊藤春夫

供花の水お茶も干上がる秋の墓   石巻市広渕/鹿野勝幸

朝摘みとふ茄子の棘の痛さかな   石巻市南中里/中山文

白鷺や水面撫で行く風に乗り   東松島市矢本/奥田和衛

川柳(9/27掲載)

【水戸一志 選/評】

◎2度目の全米オープンを制した大坂なおみ選手のマスクが注目を浴びた。人種差別に抗議するメッセージに加え、宣言通り決勝戦まで7人の犠牲者名による告発を貫いた。ブラックライブズマター。一打一打が彼女の言葉だった。まさに七色の。

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◎ 七色のマスクに光るナオミ節/石巻市あゆみ野 日野信吾

  綱不在戦国続く大相撲   仙台市太白区/金野正郎

  菅総理秋田音頭に追加され   東松島市矢本/川崎淑子

  急ぐほど探して回る駐車場   石巻市中里/津田つね子

  返納し速度気にせずチャリを漕ぎ   東松島市赤井/片岡シュウジー

  そばにいるだけど見えない青い鳥   石巻市三ツ股/浮津文好

  昼は手に夜は喉呼ぶアルコール   石巻市桃生町/忖度放恣

  休肝日守って酒のうまさ知る   東松島市矢本/畑山講也

コラム:橋

 旧北上川に架かる新内海橋が完成しました。まさに震災からの復興の象徴。石巻の未来、明日に向けての橋。市民の一人としてうれしい限りです。

 旧内海橋はさまざまな思い出に満ちています。特に小学生の頃、夜、友達のお父さんに連れられて橋のたもとの岡田劇場(「オガダザ」として親しまれた旧岡田座)で、「月光仮面」や片岡千恵蔵主演の「多羅尾伴内・七つの顔の男だぜ」などを見たことは忘れられません。

 英語で「橋」は bridge ですが、「丸太」を意味する古英語 brycg が語源とのこと。また、ドイツ語では Brücke(ブリュッケ)と言います。中高校生のころ「テアトル東宝」で見た映画「橋」( Die Brücke、1959年、西ドイツ)は衝撃的でした。「戦場にかける橋」( The Bridge on The River Kwai、1957年、英・米合作)にも強烈な印象があります。

 地中海沿岸のラテン語圏では全く違う言葉になり、フランス語では pont(ポン)、スペイン語では puente(プエンテ)、イタリア語では ponte(ポンテ)。フィレンツェの中心部を流れるアルノ川に架かるベッキオ橋( Ponte Vecchio )は観光名所です。

 また、橋については特筆すべき言葉があります。「愛する日本と祖国アメリカの架け橋になりたい」...東日本大震災の津波の犠牲になったアメリカ人ALT(外国語指導助手)テイラー・アンダーソンさんが心から願っていたことです。

 悲しみに打ちひしがれたご両親とご家族。それを乗り越え、テイラーさんの遺志を受け継ごうと「テイラー・アンダーソン記念基金」( Taylor Anderson Memorial Fund)を立ち上げました。学校に「テイラー文庫」を寄贈しているほか、先生の故郷ヴァージニア州と石巻の高校生が夏に交互にホームステイを行うなど多彩な活動を展開しています。

テイラー・アンダーソン記念基金 http://tamf.jp/

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)

短歌(9/20掲載)

【佐藤 成晃 選】

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手花火を家族と囲めば亡き夫の持ちえぬ時間の長さに佇む   石巻市開北/星ゆき

【評】手花火は今も家族で楽しむ夏の風物詩だ。夫の初盆を迎えての手花火は格別なものがあったに違いない。一家に流れるゆったりした時間が見えるようだ。こんなゆったりした時間が夫にはあったのだろうかという想像が一首を詠ませたに違いない。この作品の欠点をあえて探せば「夫の持ちえぬ」か。ここを現在形で読んでしまっているが、過去形で読むべきところではないだろうか。作歌歴の長い作者への老婆心?としてここに書いておきます。

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島に生まれ船子稼業を務め来し夏雲に呼ぶ黒潮の海   石巻市駅前北通り/津田調作

【評】自分の生涯を振り返ってみると、おおよそは船上での漁労に終わったという反省が頭をよぎるのだろうか。けれども後悔しているわけではない。黒潮の船上で見上げた夏雲の様子が思い出されてならない。今も夏雲を見上げるたびに、あの海の雲のさまが思い出されてならないという。雲を見上げて海を思い出すことが、今の、老後の自分を支えているのかも知れない。若いころの漁労の思い出が自分の今の生活を支えているとしたらこれに勝る幸福はないのではないか。しかも、それを五七五七七の形式に流し込んで短歌に仕上げる幸せ。作者は今二重の幸福を手に入れているのだとしたら、これに勝るものはないのではないか。作歌を続けてほしいものだ。

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来年度の「十年日記」の案内を受けしもしばし返事は出来ず   石巻市向陽町/鈴木たゑ子

【評】1月から3月までの間ぐらいだろうか。書店に入るとずらり日記や手帳が並ぶ。仕事をもっている人にとってはどれも必需品だ。さて、「十年日記」の前でためらった思い出がわたしにもある。「これから十年・健康でいられるかな」という自問自答だ。この十年日記も3年目になると面白い。話題の少なくなった老いた夫婦の「話のたね」になるのだ。「去年はこうだった」「一昨年はこうだった」と日記を見ながら話に花が咲くことも多い。安いものではないが、損をするものではない。どちらかというと多くの読者に勧めたいと思っている。

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大和堆(やまとたい)に煌々とイカを釣る日本漁船に日の丸の輝(て)る   石巻市水押/阿部磨

うねうねと腹腔まさぐる内視鏡命の行方たどりて進む   石巻市門脇/佐々木一夫

水を遣り肥料を与えて太らせて今年の夏は自分の世話だけ   東松島市赤井/佐々木スヅ子

母親に似てる私の節くれた手はしっかりと物をつかめる   石巻市大門町/三條順子

じりじりと競い鳴いてるせみの声残暑に負けぬと言わんばかりに   石巻市水押/佐藤洋子

ごくごくと水を飲みます喉でなく心だろうか乾いてゐるのは   石巻市桃生/佐藤国代

神前の榊(さかき)の葉散るハラハラとこの世に何の未練無きごと   石巻市南中里/中山くに子

朝夕の薬は一錠になっただけ一錠に減っても心軽やか   石巻市丸井戸/高橋栄子

早朝のチャイムの下の蟷螂(かまきり)は今も終戦を知らないらしい   石巻市恵み野/木村譲

啄木の句を思いつつ戯れに孫の背にあり三時の茶の間   石巻市蛇田/菅野勇

盟友の面影薄れゆく日々の冥途を思う今日は命日   女川町/阿部重夫

紫蘇巻きと漬け物上手な友が逝く「餅懐石」は行けず仕舞いに   東松島市矢本/菅原京子

見渡せば白一面に蕎麦の花痩せた土とて人の手を得て  多賀城市八幡/佐藤久嘉

絶景に心惹かれてグーグルで荷物を持たぬ旅を続ける   石巻市流留/大槻洋子

川柳(9/20掲載)

【水戸一志 選/評】

 瓢箪から駒が出るというたとえがある。◎新元号「令和」を発表した菅官房長官に、小渕元総理の「平成おじさん」を思い出した人は多いが、まさか、である。安倍総理の突然の辞任表明とコロナで、突風を呼び込んだ。戦国の信長と秀吉を連想する。

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◎ 時の運令和おじさん総裁に   石巻市須江/市川つね子

  食らいつけ上位に戻れわが楽天   石巻市大街道/岩出幹夫

  生きるだけ時代の変化どんとこい   石巻市桃生町/佐藤俊幸

  だれかれに便乗してるノーメイク   石巻市大門町/三條順子

  酷暑越え咲く朝顔に優劣なし   仙台市青葉区/鈴木邦雄

  カマキリがあしたのジョーを真似ている   石巻市鹿妻南/佐々木みどり

  磨き技地元の自慢宇宙まで   石巻市垂水町/かとれあ

  再稼働是非に揺れてる郷土愛   石巻市あゆみ野/日野信吾

コラム:台風

 四季折々の情趣があり、海や山の産物も豊富...日本に生まれて良かったと思うことが度々あります。しかし、相当な覚悟が必要なことも事実。台風、地震などの自然災害。近年、どちらも甚大な被害をもたらしました。過日、相次いで襲ってきた台風9号・10号。特に10号は「戦後史に残る甚大な被害を出した伊勢湾台風に匹敵する特別警報級」と、気象庁が異例の警戒を呼びかけたほどです。

 以前にも記しましたが、台風は英語で typhoon(タイフーン)。ただ、この言葉の起源については定かではありません。中国語で「颱風」「台風」。「タイフン」のように発音することから、中国語に由来するという説が有力なようです。

 さて、台風襲来の折、繰り返し報じられる「気象用語」を英語でどう表すか調べてみました。

(1)ヘクトパスカル hPa = hecto‐pascal
 *ヘクト:単位の上につけて、その100倍を表す。ギリシャ語 hecton=100から。
 *パスカル:圧力の単位 Pa。フランスの物理学者パスカル( Pascal )に由来。
 *標高0mの大気圧の平均は1気圧(=101,300Pa=1,013hPa)
 *1992年、国際単位系にそろえるため「ミリバール(mbar)」が「ヘクトパスカル(hPa)」に切り替わった。

(2)最大瞬間風速:maximum instantaneous wind speed
 *instantaneous:瞬間の

(3)暴風域:storm area

(4)進路予想図:a map of the typhoon's projected course
 *projected:予想される

 アメリカのハリケーンには「ハリケーン・ハービー」など人の名が付けられます。「米国立ハリケーンセンター」(NHC)が命名。短くて特色のある名前を使う方が何かと便利だからとのこと。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)

俳句(9/13掲載)

【石母田星人 選】

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ウイルスの勢ひ増して秋暑し   石巻市広渕/鹿野勝幸

【評】極論すると俳句とは、感情や主観的な思いを極力抑え、心に触れた物に代弁させ、語らせるという形の抒情詩だ。短歌と違って、社会の現象を反射的に詠んでも作品になりにくい。そうは言っても、俳句も時代を写す鏡。表現の制約などがあっても、現状から意識を遠ざけることなく、遭遇した経験を懐深く沈潜させ含蓄させて作っていきたいものだ。この句、季語「秋暑し」の選択が見事。コロナ禍の現状を、厳しい残暑のイメージに重ねた。疲労感・倦怠(けんたい)感も乗る。

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向日葵の中に聞こゆる甲子園   東松島市新東名/板垣美樹

【評】コロナが奪い去ったものは数ある。アルプススタンドの大観衆もその一つ。向日葵の情熱の黄色を眺めていたら、沸き上がるあの歓声が聞こえてきた。

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此の夏の医療従事者余暇皆無   石巻市小船越/芳賀正利

【評】近くに医療従事者がいたらその大変さを訴えたいと思うだろう。報告調の一句だが、漢字の印象をうまく使い、異常な勤務実態を視覚的に訴えている。

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やはらかに朝を背負うて乱れ萩   東松島市矢本/雫石昭一

【評】乱れに風情があるという萩を目前に、「朝を背負うて」と詩情豊かに詠む。「やはらかに」は乱れ萩の状態とともに昨夜の強い風の存在も伝えている。

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大川の子らは海の子日焼の子   石巻市蛇田/石の森市朗

河骨の花の流れや鳥海山   石巻市吉野町/伊藤春夫

湯殿まで木犀匂ふ木賃宿   東松島市矢本/紺野透光

栗駒山に雲置かぬ日の大西日   石巻市桃生町/西條弘子

夕刻の玄関ノブに涼新た   多賀城市八幡/佐藤久嘉

若人のタイムに挑む涼新た   仙台市青葉区/狩野好子

新涼や間引き菜を胡麻和えにして   東松島市矢本/菅原れい子

水打つと風神そつと覗くなり   石巻市丸井戸/水上孝子

戻り鰹沸き立つ港波騒ぐ   石巻市門脇/佐々木一夫

心太おもてうらなく言ふ男   石巻市開北/星ゆき

物干に雨滴並ぶや今朝の秋   石巻市北上町/佐藤嘉信

一畝の鶏頭の影鬱々し   石巻市中里/川下光子

ふるさとや山百合の香のむせるほど   石巻市駅前北通り/小野正雄

高速道眠気覚ましの合歓の花   石巻市桃生町/高橋冠

湧き水をバシャバシャ歩く夏帽子   石巻市流留/大槻洋子

チュンチュンと群れて青紫蘇穴だらけ   石巻市広渕/佐藤由美子

川柳(9/13掲載)

【水戸一志 選/評】

 新聞の川柳欄の歴史は古く、政治との付き合いも長い。
 ◎安倍さんは人気があった方だろう。モリカケ、サクラ、マスクと片仮名数文字で、リーダーの資質が表現出来た。問題と不始末がごっちゃで、味のある川柳に向かない人だった。この句のように。

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◎ 未解決モリカケサクラ拉致コロナ   石巻市三ツ股/浮津文好

  うなぎより高価となるや焼き秋刀魚   石巻市駅前北通り/津田調作

  悪いことだけはコロナのせいにする   東松島市矢本/畑山講也

  気の毒に水道水も熱中症   石巻市蛇田/鈴木醉蝶

  古希はまだボトルキャップを開ける役   多賀城市八幡/佐藤久嘉

  チコちゃんと声が似ている怖い妻   東松島市矢本/奥田和衛

  模様替え一足先に秋感じ   東松島市赤井/斎藤喜久子

  党員票不要不急と執行部   石巻市蛇田/菅野勇

 前回に続いて、今回は対抗馬の民主党に現れたもう一人の女性について。

 大統領候補ジョー・バイデン( Joe Biden )が副大統領候補に指名したのが、カマラ・ハリス( Kamala Harris )上院議員。ジャマイカ出身の父とタミル系インド人の母を持つ移民2世。初の黒人副大統領候補であり、成り行きによっては米国史上初めての非白人系女性大統領になりうる人物として国内外の注目を集めています。

 受諾演説でハリス氏は女手ひとつで自分を育ててくれた母親について、次のようなことを述べました。

 " She raised us to be proud, strong Black women. And she raised us to know and be proud of our Indian heritage. "
 「母は私たち姉妹を誇り高き、たくましい黒人女性に育てました。インドの伝統を、誇りを持って受け継ぐ女性に」

 さらに、

 " And let's be clear -- there is no vaccine for racism. We've gotta do the work. "
 「はっきりさせておきましょう。人種差別に対するワクチンはないことを。私たちが行動するしかありません」

 そしてこう結びました。

 " In this election, we have a chance to change the course of history. We're all in this fight. You, me and Joe -- together. "
 「この選挙で私たちは歴史の流れを変えるチャンスを得たのです。私たち皆がこの戦いに臨むのです。皆さん、私、そしてジョー(バイデン)と...共に」

 共和党のニッキー・ヘイリーと民主党のカマラ・ハリス。それぞれ主張は違っても「アフリカ系アメリカ人」と呼ばれる、いわゆる黒人とは異なる背景を持つ女性が脚光を浴びるようになったことに、改めてアメリカ社会の多様性と底知れぬエネルギーの可能性を感じます。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)